ふさぎがちな高齢母にカウンセリングを勧める方法は?
2021.11.7
目次
ふさぎがちな高齢母にカウンセリングを勧める方法は?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
・コロナの影響で高齢母の表情が暗い
ここ数日、コロナ関連のニュースでは感染者の数が減っていると言われていますが、高齢者にとって安心できるとはまだ言えない状況です。
外出を楽しみにしていた高齢者が、家にいることを余儀なくされ、その影響もあるのか体力の衰えばかりでなく、精神的な落ち込みが目立つようになるケースもあります。
「ご近所さんと町内会館で開かれる体操を楽しみにしていたのに、それがなくなってしまい、おしゃべりもできないことが母の苦痛のようです」と話す娘のクライアントさんもいます。
たわいもないおしゃべりですが、同世代で笑ったり、若い頃の記憶をたどり、人の名前を思い出したりするのは、高齢者にとってとても大事です。「私達の若い頃は…」といった話は同世代ならではの会話ですが、世代の異なる娘や孫達ともなると、「またその話か」と思ってしまうでしょう。
・友人と会えない、おしゃべりできないがストレスに
コロナ禍の状況であっても、若い世代は家に引き込もることは不可能で、できる限りの予防をしながら、外出もしていました。しかし、高齢者は、通院以外の外出を止められることも多く、入院したらしたで、見舞い客を受け付けないといった状況もあり、孤立しがちです。
以前は気軽に会えていた友人とも、双方の家族が外出を反対するため、できません。毎日が同じといった日々が続く中、電話でのおしゃべりぐらいが唯一の楽しみですが、相手が娘だと忙しいといった理由から迷惑がられてしまうこともあります。
「お母さん、用件はメールにしてくれる?」と言われてしまい、何気ない会話もできなくなっています。
忙しい娘に電話をしたら、(なんで今、その会話を電話でわざわざ話さなければいけないの?)(またその話? この間も聞いたし)といった内容であっても、高齢者にしたらどうでもよい会話も、単調な生活の中のささやかな楽しみなのです。
・ひがみ根性が強くなり、早くお迎えが来て欲しい、が口グセに
娘とほんのひとときでもいいからおしゃべりしようと思い、電話をすると明らかに迷惑だといわんばかりの口調で、電話を切られてしまう。「用件はメールで」と言われても、大したことない内容なら、「そんなことでメールしないで」とも言われかねない。それに、文字を打ち込むのにも時間がかかる。ほんの少しだけ、声を聞いておしゃべりできたらよいのに、それは老人の甘えだろうか。
だんだん卑屈になり、娘からのひと言にもつい、ひがみから感情を爆発させてしまう。「どうせ、私が早く死ねばよいと思っているのでしょう」
高齢母が怒りを爆発させたとしても、娘も我慢の限界です。
「もういい加減にして!」。娘にしたら、これ以上母親のために何を、どうしたらよいのか、わからなくなってきています。
・プロに聴いてもらうことで意欲を取り戻す
高齢母の話を聞いてあげられない。最初は優しい気持ちで「今度こそ、最後まで話を聞いてあげよう」と思っても、正直、無理な話です。というのも、1日は24時間。しかし、娘にしたらやらなければいけないことが多く、スイッチを切り替えて、暇な時間がたっぷりある高齢母のモードに合わせるのは不可能です。
「ほんの少しだけ、時間を作ればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、つねに全力疾走の状態の娘に、モードの切り替えは限界があります。
それならば、高齢母の話を聞くことができるサービスを探すのも一つの手段です。
一般には、ボランティア活動の一環、あるいは有料で、傾聴サービスを提供しているところもあります。
カウンセリングの場合は、単に「話を聞く」だけではなく、クライアントの心の活性化を目指した質問をすることができます。たとえば、女学生時代、何が流行していたかについて、教えを乞うスタンスで質問すると、クライアントはとても喜びます。人は、相手が知らないことを自分が知っていて、それを話すことはとても嬉しいものです。
つまり、質問の仕方によっては、クライアントの記憶や気持ちを刺激し、(よい意味での)、もっと話したい意欲を増進させることができるのです。
・カウンセリングに抵抗がある場合は
高齢者の場合、「カウンセリング」や「カウンセラー」といった言葉になじみがなく、抵抗を覚える人もいます。よくあるのが、宗教と捉えてしまうケースです。そのような傾向が見受けられるようならば、たとえば、記憶力を活性化する専門トレーナーといったふれこみで母親に伝える方法もあります。
体操のコーチが存在するように、記憶力の低下を防ぐ認知症予防のトレーニングと位置付ければ、高齢者の捉え方も違ってきます。
また、訪問となると敷居が高くなりますが、電話だと耳が遠い人でも気楽に利用できる可能性があります。
ポイントは、定期的に続けてもらうことです。たとえば月2回、決まった曜日、時間に電話で話すことを習慣づけると、高齢者にとっては楽しみになりますし、スケジュール管理の助けにもなります。
高齢者に定期的にカウンセリングを受けてもらうことは、娘側のメリットとしてもう一つ大きな点があります。それは、もしクライアントの気持ちが落ち込んでいるようなら、早めに気づき対処することができるからです。
高齢者うつというのがあるのは知られていても、まさか自分の親がそうだとはなかなか受け入れがたいです。声が沈んでいる、話の内容が愚痴っぽくて何度も繰り返すようであっても、「歳を取っているから仕方がない」ぐらいにしか思わず、なかなか取り合おうとはしないのです。
一緒に住んでいれば表情などからおかしいと疑問に思うことでも、離れて暮らしていると異変に気がつかないことも多いです。
しかし、定期的に話を聞いているカウンセラーは、最近どうも話の内容がおかしい、とか、気分の落ち込みが大きいといったことに気づくことができます。
離れて暮らす親が心配。認知能力もだけど、心の方も気にかけなければ、と考えるようなったら、一度、高齢者の親について、カウンセリングサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
私の場合は、電話カウンセリングを有料サービスで行っております。こちらのサイトにご案内がございます。
実母との関係、娘との関係で振り回される、と感じておられる方は、カウンセリングとは別メニューの「実践マインド・プログラム」をご検討されてはいかがでしょうか。
テーマ: 身体と心
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