見た目ばかりを気にする娘に母親はどう関わればいいのか
2018.11.6
目次
見た目ばかりを気にする娘に母親はどう関わればいいのか
※ブログ記事文末に11月母娘問題講座のご案内があります。
年頃の娘といえば、おしゃれに気を遣い、メイクにも時間をかけて…というのが定番のように言われます。全員がというわけではないけれど、コスメ情報に詳しくいかに自分を綺麗に見せるか、関心のある若い女性は多いはず。
本人が楽しんでいるのであればいいのですが、自分がどのように見られるのかとても気にしているようならば、しかもそれがかなり重度であるならば、問題と捉えるべきかもしれません。
流行の服、髪形、メイク、バッグ、靴にネイル。こうしなければ、恥ずかしい。みっともない。こんなのを着ていたら、友達からバカにされる。
他人からどう見られるかを一番気にする娘
自分がその服を着てどう思うかよりも、他人がどのように見るのかを一番に気にする。
そのためには、バイトを長時間、または掛け持ちしておしゃれ関連の購入費に充てる。涙ぐましい努力は何のためでしょう。おしゃれするのが好きというより、他人からどう思われるかを最も重視して必死になっているように見えるのですが。
こんな娘を見ていて、母親としてつらいと感じる人も多いです。
私のカウンセリングルームに来られたDさん(49歳・団体職員)もそんなお一人です。Dさんの娘さんは19歳の専門学校生で、美容業界に就職したいと考え学んでいます。美容の世界に目覚めたのは中学3年のあたり。友達グループでファッションなどに興味を持つ子が多く、休みの日は原宿などに遊びに行っていました。
中学生のお小遣いでは買うものも限られるため、Dさんはたびたび娘から服を買いたいと言われるようになりました。「まだ中学生なのだから、そんなに服はいらないでしょう」と言ったのですが、娘は「毎回、同じ服では友達と一緒に出かけられない」と泣きじゃくるのでした。
その頃から、娘はやたらと友人の目や大人の評価を気にするようになりました。何をするにも、まず、友達がどう思うのか、何を言われるのか。または先生から何と言われるのか、そんなことばかり、口にするようになったのです。
おしゃればかりに気を遣う娘が理解できず、イライラしてしまう母親
Dさんは、そんな娘に対してついイライラしてしまい、「また見た目ばかり気にして! なんで人から言われたことをそんなに気にするの?」と叱ることが多くなっていきました。
Dさんは、娘が服装や髪形ばかりに関心があって勉強はおざなりになっているようにしか見えなかったのです。そんな娘に対して批判的になっていました。
娘は高校3年生で進路を決める際、美容業界で仕事がしたいと専門学校に進みました。
「好きな世界があるのはいいことだと思うのです。けれども、娘を見ていると自分磨きに必死で、美容の世界でどのように働くのかビジョンもない状態です。とにかく、人の目にどう自分がうつるのか、そこばかり気にしているのです」と話すDさん。
娘の生活態度に、非難がましい思いが強くなり口に出てしまう
言葉の端々からDさんは、娘さんの状況を快く思っていない様子がうかがわれ、時に軽蔑の言葉すら出てくるのです。
Dさんの娘に対する非難めいた思いは、日常の中で言葉や態度にあらわれている可能性があります。
Dさんには娘としての理想があるのかもしれません。ただ、今の時点で大事なのは、おしゃれにうつつを抜かしているようでも、本当にその世界が好きで自分が働きたいと思っているのならば、真剣な思いをキャッチしてあげて欲しいのです。
あるいは、娘さんの心の奥にあるもの。これが一番大事なのですが、人の目ばかりが気になりそれに合わそうとしているのならば、本人は相当ストレスを抱えているはずです。なぜなら、他人の価値基準に自分を合わせようとするあまり、自身が何を考えどうしたいのかを見失っている可能性があるからです。
けれども、そこに気づいていないのであれば、ますます人の目、他人からの評価を最優先してしまうでしょう。
人からの評価を気にしてばかりいるのはしんどいこと
「それってしんどくない?」と、声をかけてあげられるのは母親ならではなのです。
もちろん、いきなり「あなたは人の目ばかり気にして、それってしんどいよね」と言ったところで、娘さんの心には響きません。
娘が一番欲しているのは母親に認められること
娘さんが一番欲しいのは母親から認めてもらうことです。もちろん、娘さんは今は母親から認めて欲しいといった潜在意識は恐らく気づいていないでしょう。
母親から認めてもらうことなど、どうでもよいと思っているはずです。だから、Dさんが何か言ったところで、スルーされるかもしれません。けれどもそうであっても、母親から認められることは娘にとって心の安定につながるのです。
人の評価ばかり気になるのは、自分に自信がないから
ここまで読み進めて下さった方にはおわかりだと思いますが、人の目を気にする人の多くは、自分に自信がないからです。素の自分を見せることにも抵抗があり、鎧をまとった状態で人と接しています。
そこで、鎧を取って素の自分でも大丈夫なのだと実感してもらう最初の一歩は、自身の母親に認めてもらうことから始まるのです。
そうは言っても、着飾る事ばかりに気を遣っている娘に、嘘でも褒めなければいけないのか、母親としては抵抗されるお気持ちもあるでしょう。
無理してまでウソをついて褒めるのではなく
褒めるというのは、見た目、服装や髪形についてというわけではありません。娘さんが一生懸命になっているところ、たとえば行動について探し出しそれについてきちんと言葉にして言うのです。
「頑張っているね」のメッセージは、最初照れくさいかもしれません。言われる娘さんも素直に受け取らないかもしれません。でも、それでもいいのです。
「どんなに探したとしても、娘にはそんなところは見つかりそうにない」と言うのなら、それは母親としてのあなたがまだ、見ていない部分があるはずです。
認めてあげられるところなんてないとあきらめる前に
見た目の気にし過ぎるのは自分に自信がない部分を補おうとしているからです。補う前に、あなたにはこんな素敵なところがあるよ、と見つけてあげられるのは母親しかいません。
今日もばっちりメイクして出かける娘に、ため息をつくよりは、あきらめないで探して下さい。見つけ出してください。
娘が本当に求めているのは、他人からの評価ではなく、母親であるあなたから認められることなのです。
今月11月、第5回母娘問題講座は、「認められたい~承認欲求が強いのは母親のせい?」を開催します。娘の、母親に認められたい気持ちがいかに強いのか、それが満たされない場合、どのような問題が生じるのか。他人からの承認欲求が強い場合、どのような関わり方をしたらよいのか、といったテーマでお話し致します。
以下、今月11月母娘問題講座のご案内です。
「認められたい~承認欲求が強いのは母親のせい?」
第5回母娘問題講座『認められたい~承認欲求が強いのは母親のせい?』
日時 2018年11月17日(土)午前10時30分~12時30分
場所 港区南麻布4-5-48 フォーサイト南麻布5階セミナールームD
参加費 3000円
申し込み・問い合わせ 私のhpより。または090-5206-8576へ直接、お電話、
またはSMS(ショートメールサービス)でもお受けしております。
テーマ: 母娘関係カウンセリング 講演会・ワークショップ
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