家族から孤立する母親
2024.3.31
家族から孤立する母親
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
最近、同じような内容のご相談を続けて伺いました。以前から、似たようなケースがあると思っていたのですが、とくにここ数年、増えていると感じます。
それは、家族の中で孤立している母親です。今回は、このテーマを取り上げてみたいと思います。
※本文中の家族の話は実際のケースではありません。
目次
・家族の誰もが、私のことを何とも思っていない
気がつけば、夕食は、家族それぞれ、黙って食べている。夫はテレビ、食事中はスマホ禁止のため、娘と息子はいつも大急ぎで食べて、終わるとそれぞれの部屋へ。
「今日のハンバーグは美味しいね」とか、「ポテトサラダ、食べたかったの!」という言葉もなければ、この頃では、「ご馳走様」すら言わなくなってしまった。
今日も一日、仕事で疲れて帰宅して、休む間もなく、台所に立ち食事の支度。学校から帰った子供達がお腹をすかしているので、少しでも早めに作らなくてはと急いで料理する。テーブルの上にお皿を並べていっても、何の反応もなく、黙々と食べる夫と子供達。
食事が終われば、自分のお皿も片付けず、テーブルに残したまま。疲労を感じながらも、今度は使ったフライパンや食器を洗い、しまう。
家族の誰も、感謝の言葉も、ましてや手伝おうともしない。「私だけがこんな思いしている」という不満と悔しさが募って、時に、コップを投げつけたい気分になる。
「家族のみんなが、私に無関心。母親がやること、全て当たり前と思っている」。
時々、こうした不満が爆発して、夫に対して、ブチぎれる。子供達には、『お母さんの手伝い、もっとやってよ』とヒステリックにわめいてしまうこともある。
でも、家族はそのたびに、どんどん離れていく。「また始まった、お母さんの爆発」、「ママ、イライラしているから、相手にしないでおこう」。
・娘にはうるさがられる
高校生の娘も、1年ぐらい前までは、まだ母親の愚痴を聞いてくれていた。「お父さんはいつも留守ばかり。休みの日もゴルフかパチンコ。あなた達が小さな頃も、ほとんど相手をしてくれなかったのよ」
「お母さん、可哀そうだよね」と同情し、時には母親の味方をし、父親に反発してくれた娘だったが、いつの間にか、話しかけるとうるさそうな顔をしてそれを隠そうともしない。
「お母さん、毎回、同じことばかり言っている。いい加減にしてよ」。
まして、息子は母親を完全、無視。
・今は娘の話し相手、いいとこ取りの夫
子供達が小さかった頃は、育児に関心を示さず、週末も家をあけていた夫だったが、子供達が成長し、成人する頃には、よい父親を積極的に演じている。話のわかる父親として、息子や娘の相談にものり、時には外で外食もしているようだ。
子供達も社会人になってから仕事の悩みは、母親に話してもしょうがないと思っているので、父親に話すことが多くなる。
結果、お互いの関係性は良好。そして、ヒステリックに怒ったり、わめいたりする母親は、感情のコントロールができない、子供っぽいと相手にされなくなり、家族から距離を取られ、ますます孤立する。
・自分はお手伝いさんなのか
「今晩は、誰が夕飯食べて、誰がいらないんだっけ?」「あ、明日は粗大ごみ出す日だ!」
「お風呂場やトイレがいつも綺麗なのは誰のおかげ?」
洗濯物がたたまれていること、冷蔵庫には冷たいビールが入っていること、トイレットペーパーがいつもあること。家族のみんなは当たり前のことと思い、意識すらしていないけれど、それをしているのは誰?
「私はお手伝いさんなの?」。自分をあわれむ気持ち、情けない思いが交差する。
・お母さんも、何かすれば?
モヤモヤして機嫌が悪くなり、「いいわね、あなた達は好き勝手にできて」と言えば、「お母さんも何かすれば?」と家族は言う。「時間がたくさん、あるのだから、趣味を見つけて、友達作って、ランチでもして楽しめばいいじゃない」という娘や夫。
勝手に、母親の人生、生きがいの指針を提案してくれる。
・なんのために自分はいるのか
経済的な不自由はない。夫も娘や息子も社会で問題なく、やっている。はた目から見れば、何を贅沢な悩み、と言われそうだ。
「どこが不満なの?」と友人からは言われてしまいそう。「確かに、私は何に悩んでいるのだろう。もっと大変な人は沢山いる」。そうやって、自分の思いを押し込んで、また次の日を迎える。
けれども、また、こんな思いが喉の当たりに出かかってくる。
「結局、何のために自分はここにいるのだろう」。
・具体的な悩みでなくモヤモヤこそ、カウンセリングを
あなたが今、抱えているもんもんとした悩み。それは「孤独」ではありませんか。
「私なんて、誰にも理解されない」と感じていませんか。
贅沢な悩みなんてないのです。
あなたがつらいと悩んでいるならば、それが悩みです。あなたが、孤独を感じるならば、孤独な状態にあるということです。そう思うことに、ふたをする必要は全くありません。
もんもんとした心の状態を言葉で表現することがないから、よけいにつらいのです。
「何かわからないけれど、孤独だと思う」、「理由が見つからないのだけど、つらい」。
この状態は、先が見えないように感じ、出口のない長いトンネルにいるような感覚になることもあります。孤独の世界の扉が開いているようで、その先の暗闇に引き込まれるように感じたことはありませんか。
こうなる前に、まずは自分の状態に気づくことです。「私、今、孤独を感じているんだ」
それを否定しないでください。
モヤモヤの正体を知るために、カウンセリングがあると思われがちですが、(実際、その場合もありますが)、本当に大事なのは、「今の自分」の状態を知ることです。何を思い、感じ、何が苦しいのか。シンプルにこれだけわかればよいのです。
私のカウンセリングを通して、「今の自分」を知ってください。カウンセリングで何をどのようにしゃべればいいのか、なんて心配する必要は全くないのです。
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テーマ: 孤独感
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