子育てが苦手な娘。祖母として、どうすれば?
2021.8.6
目次
子育てが苦手な娘。祖母として、どうすれば?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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子供嫌いな娘が親になって
「うちの娘、子育てが苦手なのです」というご相談が結構あります。娘が子供にきつく当たっている。子供の前でいつも不機嫌。自分のパートナーにも、育児のことで当たり散らしているようだ。
そんな娘の様子を目の当たりにして、祖母として見て見ぬふりもできず、かといって、関わろうとすると娘がさらに怒り出す。ほとほと困り果てて、カウンセリングを利用されるのです。
もともと、娘は子供が好きではなかったけれど、さすがに親になれば、自然と子供を可愛がるだろうと思っていた。けれども、実際に孫が生まれてみても、娘は相変わらず。子供を抱いても嬉しそうな顔をするわけでもなく、ため息やら時に悪態をつくなどしているのです。
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孫の世話を祖母がするのは当然という娘の態度に腹が立つ
子供が生後間もなくの頃は、娘も大変だろうと思い、手伝いに行きはしますが、そのために仕事の休みをやりくりする。県外の娘の家に日帰り、あるいは泊まりで行くにしろ、時間もお金もかかります。
年齢を重ねるうち体力的にもしんどいと感じることもしばしばです。けれども、それに対して、感謝の言葉もなく、世話をしに来るのは当然という娘の態度にも腹が立ちます。
「孫が可愛いから来るのでしょう」。やってもらって当たり前。お金も出してもらって当然。そんな娘に怒りの気持ちが強くなり、孫に会いたい気持ちはあるものの、訪れる回数はだんだん減ってきています。
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母親としての自覚がない
出産してしばらくすると、子供を預けて外出するようになります。目的は、子供用品の購入や銀行への手続きなどと言って出かけるのですが、一度出たらなかなか帰ってこないのです。
孫を預かった側も世話に慣れてきて、ミルクなどもタイミングよくあげられるようになります。しかし、赤ちゃんが泣けば、母親を求めているのだと可哀そうになり、いったい、どこで羽をのばしているのか、何度もラインしてしまいます。
午前中に出かけて帰宅は夕方など、長時間に渡り出かけたままの娘がようやく帰ってくると、ついきつい言葉が出てしまいます。
「いったい、今まで何していたのよ。かなり泣いていたのよ。ラインもしたのに見ていないの?」
それに対して娘は不機嫌な様子で、道路が混んでいて渋滞に巻き込まれたの、店で不手際があって手間取ったの、なんだかんだ言い訳をして、謝ることはしません。
堪忍袋の緒が切れて、「母親の自覚はあるの?」と思わず言ってしまうと、無言のまま、子供を奪い去るようにして別の部屋に行ってしまう。そんな娘の後ろ姿に、こちらも怒りを抑えられません。
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週末、娘婿に子供を押し付け、外出する娘
最近はSNSなどで、子育てをしているママ友とも知り合いになれる機会があるのでは。一緒に公園やファストフードのお店などに行って、それが気晴らしなるとも思うのですが、娘は「そんな付き合い、面倒くさい」と言って、繋がろうとはしません。
自分が母親であることを拒否したいのかと不安になるほど、子供に関心を持たない娘に不安な気持ちは募る一方。週末になると待ちかねていたように、夫に子供を押し付けて自分はショッピングへ。優しい夫ならば、「平日はずっと子供の世話をしているのだから」と面倒を見てくれる人もいますが、自身も仕事で疲れているなら、そんな妻に腹を立てるでしょう。
娘婿がそのうち、娘に怒り出すのではないかとハラハラしているクライアントさんもいます。
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娘に注意すれば、逆ギレされる
「このままでは、夫婦関係だってうまくいかなくなる」と心配して、「子供がもう少し大きくなるまで、我慢できないの?」と言うと、怒りを爆発させる娘。「お母さんだって私のこと、ほっておいたじゃない!」と怒鳴り、「ちっとも可愛がってくれなかったくせに! だから、子供をどうやって扱ったらいいのか、私、わからないのよ」と言い返す娘に、何も言えなくなってしまうクライアントさんもいます。
「娘が子供を可愛がらないのか、私のせいなのか。私が娘を大事に育てなかったから?」
こうして、自分を責めながらも孫のことが心配で、私のところにご相談に来られるクライアントさんが増えているように感じます。
- 娘の、孫への態度を見るのがつらい
近所に住んでいない場合でも、お盆の帰省などに、娘の育児を見るのはつらいと話すクライアントさんもいます。
幼い孫が、娘の機嫌を伺う様子を見ていると、胸が苦しくなり、自分自身がこのような子育てをしていたかと昔を振り返るそうです。
このまま娘の態度を見て見ぬふりをするわけにもいかない。祖母として、娘と孫にどのように接したらいいのかが最大の悩みです。
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祖母としての役割に徹する
娘の孫に対する態度は、もしかしたら自分の真似をしているのではないかという怖れがある。また、子供に対してあんなに強い態度を取るなら、今後、孫はどのような人間に育つのだろうかという不安。そして、不平不満ばかりぶつけられるパートナーが、娘のことを嫌いになるのではないか、といった娘夫婦の将来。
クライアントさんが抱える不安は主にこの3つです。とくに1つ目については、自分が娘に対して行ってきたことが、そのまま繰り返されているのではないかといった負い目につながっています。さらに、2つ目の、孫の将来については、自分が子供を育てている親になった感覚もあります。
この時点で認識すべきは、孫に関わる自分の立ち位置でしょう。それはあくまで祖母としてであり、親ではないのです。ママが言ったことと、おばあちゃんが言ったことが違うと、子供は混乱します。たとえば、夕食の前にお菓子を食べてもいいのか。ママはいけないと言ったけれど、おばあちゃんはいいと言う。このような状況は、子供にとって決してよいとは言えないでしょう。
だからといって、反対もあります。母親はいいと言う。祖母は、夕食の前に子供にお菓子を食べさせるなんて、と眉をひそめる。
一見、ささいなことに見えますが、小さいことの積み重ねが心の負担になっていきます。
こうした状況の場合は、子育てと孫育ては違うと思い切ってしまった方が楽になります。子供を育てるメインは娘夫婦であり、祖母はあくまで補助的要員と考えれば少し気が楽になります。
責任の重さ、大きさを考えるなら、祖母はあくまで2番手、3番手でよいのです。もちろん、危ないことや守るべきことについては注意する、叱らなければならない状況もあるかもしれません。
それでも孫が、「おばあちゃん、大好き!」「おばあちゃんといると楽しい」と思ってくれる、それでいいのではないでしょうか。
今の娘と孫の関係を見ていると不安でならない。今後が心配という方は、カウンセリングで、ご自身の立ち位置を確認し、心のもちようを見なおしてみませんか。
娘さんの、孫への態度を変えさせようと思っても、すぐには難しいことなのです。もしかしたらそれは不可能に近いかもしれません。それができないことにいら立ちを募らせるよりは、祖母としてどのように行動すべきか、孫にどう接したらよいのか、娘との今後の関係性をどのようにもっていくか、それぞれを分けて考えてみませんか。
ご自身の心のあり方について、道筋が見えてくるはずです。
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