娘の顔色を伺う母がウザい

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

娘クライアントさんからのご相談の中に、次のようなテーマがあります。「母親が私の顔色を伺いながら話しているのがよくわかる。どうして、私の機嫌を取ろうとするのか」。

実は、このケースは、母親クライアントさんからも寄せられています。

「娘の表情を気にしながら話す自分が嫌になる。私のひと言で、娘の機嫌が変わるので、それが怖い」というものです。

今回は、このテーマを取り上げてみます。

・娘の機嫌を取るような母親

 思春期の頃、反抗期でたびたび母親に当たった。あの頃、学校の友達とうまくいかず、進学のことでもストレスが強く、とにかくイラつくことが多かった。帰宅すると、母親がこちらの顔色を見ながら、声をかけてくるのが余計イライラして、無視した。

そうすると、母親は困ったような顔をして、なんとか取りなすような態度に出る。「夕飯、あなたの好きなハンバーグにしようか」とか、まるで小さな子供扱いだ。

登校するため、玄関で靴を履こうとすると、「今日は雨が降るから、折り畳み傘を持って行ってね」と母親が差し出す。「いちいち余計なことすんなよ!」と母の腕をたたく。「痛い!」と母が叫んで、後ずさりする、その怯えた表情に怒りが爆発する。

「ほっておいて、二度と構うな!」、そんな捨て台詞を残して、玄関の扉をバタンと閉める。

かなり強くたたいたので、相当痛かったはずだ。

「あんなこと、しなければよかったのに」という思いを打ち消すように、別の考えが浮かぶ。「母の方が悪いんだ。普段から構うな、と言っているのに、うるさくつきまとうから」

・社会人になっても、状況は変わらない

娘が社会人になり、反抗期はとっくに過ぎているのに、親子の関係性は相変わらず。仕事で疲れ不機嫌な娘が帰宅すると、緊張した顔の母親が出迎える。「ご飯、先にする? お風呂も沸いているわよ」と、まるで昭和の時代の主婦が亭主関白の夫を迎えるようだ。

娘は返事もせずに黙ったまま、自室へ行く。母親はしおしおと台所へ。こんな関係はおかしいと、娘も母親も思っている。けれども、普通の関係にはなぜか、ならない。

・なぜ、母は怒らないのか

ここまで読まれた方は、娘がわがままで、自分勝手で、親に対して偉そうな態度を取っていると思われるかもしれません。

しかし、一方で、そこまで娘に気を遣う母親はどうなの? という疑問もわいてくるのではないでしょうか。

どうして、母親が娘にそこまでオドオドするのでしょうか。なぜ、母親は娘の態度に怒らないのでしょう。

この疑問は、娘さんクライアントからもよく伺う言葉なのです。矛盾しているようなのですが、娘さんクライアントも、自分が母親に対して冷たい対応をしていながら、一方で、「なんで、怒らないのだろう」と思っている時もあります。

そして、自己嫌悪に陥っていることもあるのです。

「自分はまるでガキみたい。外であった嫌なことを、母親にぶつけているなんて」、「母を無視するなんて、最低の行為」。そう思いながらも、また同じ事を繰り返すのは、母と接しているとイライラするから。

「なんで、そんなに私の顔色を伺うのよ!」、「本音で話してよ」、「お母さんが私に言っていること、全部、ご機嫌取りに聞こえる」。こうした事を言いたいのだけど、母親の顔を見ると、それを言う気持ちも失せてくる。

・普通に接したいのに、母の言動のせいで?

このようなケースでは、娘さんクライアントの多くは、「母親のせいで、余計イライラさせられる」ということを言われます。

「私だって、母親を無視したり、暴言を吐きたくない。だけど、母のおびえた表情や、オドオドした態度を取られると、ウザい、どこかに行ってよ、と言ってしまうのです」

・娘の機嫌を損ねたくない

母親の中には、自分の言動で娘をいら立たせてしまっていることに、あまり気づいていない人もいます。

「どうして、娘はいつもイライラしているのでしょうか」「仕事でストレスが溜まっているのかもしれません」。まさか自分が原因とは思っておらず、娘を怒らせないように気を遣っている母親がいます。

一方で、自分の言動が娘をいら立たせてしまっていると気付いている人もいます。

「私が娘をイラつかせてしまっているのはわかるのです。でも、どうしようもないのです。なぜか、わからない。私の何が、いけないのでしょうか」、「娘の機嫌を損ねてはいけない。だから、娘の前では何をどのように言ったらよいのか、緊張してしまう。そんな自分もすごく嫌なのですが」。

母親も娘も、お互いの歯車がうまく回っていないのは十分過ぎるほど、わかっているのです。

 

・母親にストレスをぶつけていると自覚する

今回のようなケースでは、娘クライアントさんが、母親に対してきつい態度を取ってしまうことについて、後で後悔する、自己嫌悪を抱くのであれば、何が原因で母親に対し、そうした言動を取るか、明確にする必要があります。

人間関係での悩みなどで不安や怒りがあり、母親にぶつけているのであれば、ご自身の中に、向き合っていない問題があるということです。避けては通れないテーマであるならば、カウンセリングなどを通して、そこに焦点を当て改善、解決を試みてはいかがでしょうか。意外と、根深いテーマが浮き彫りになることもあります。

つねにこちらの顔色を伺うような態度で接してくる母親を見ると、今までは落ち着いていたのに、ついイライラした気持ちになるのは、母親の言動によるものです。このような場合は、日ごろ思っている疑問を伝えた方がよい時もあります。

「お母さんは、私と話す時に緊張していない?」。ストレートに聞いても、「そんなこと、ないわよ」と打ち消されるかもしれません。でも、この質問で、母親の方が自分の無意識の底にある気持ちに気づくこともあります。

・人とぶつかるのが嫌な母親

最後に、今回のケースで取り上げた母親にはある共通点があります。それは、「人と争うのが嫌い」という点です。「怒っている人を見ると、怖くなってしまう。相手が娘や夫であっても」。「だから、ついこちらさえ、我慢すれば」という気持ちで、言葉を飲み込んでしまうのです。

ご自身では、向き合うことをせず、やり過ごそうとするのですが、それが相手をいら立たせることになります。

「なんで、お母さんにそんな態度を取るのよ」、「ストレスを私にぶつけないでよ」、これが言えたら、どんなにスッキリするのか。そんな気持ちで、カウンセリングを求められる母親サイドのクライアントさんが数多くいます。

娘とぶつかるのが嫌なので、母親が我慢している状態は、一時しのぎにはなっても、いつか問題が表面化します。まだ、状況を変えられるうちに、一度、カウンセリングを通して、本音で話してみませんか。

このままの状態が続くことで私が危惧するのは、母と娘の力関係がゆがめられてしまうことです。本来ならば両者の間に力関係など存在しないはずが、一方が一方を支配することにもつながります。

この記事を読んで頂いて、まさにうちの状況だと認識された方は、問題の重大性を理解してください。今ならば、まだ間に合ううちに、母娘のいびつな関係を変えましょう。

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