子供嫌いの母親に育てられた娘の苦悩をリセットするには?
2020.8.16
目次
子供嫌いの母親に育てられた娘の苦悩をリセットするには?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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「子供は嫌い」と公言する母親
「うちの母は、『私、子供は大嫌い』と公言するような人でした。一人娘の私の前でも平気でそれを言い、おばあちゃんが『そんなことを言うじゃないよ、娘の前で』と注意していました」と話す30代のクライアントA子さん。
長年にわたり母親との距離感に苦しみ、私のカウンセリングルームに来られました。
「一人っ子だったにもかかわらず、私と話すときは本当に面倒くさそうで、学校からのお知らせもためいきまじりに印鑑を押していました。帰宅して、台所のテーブルに菓子袋の入ったスーパーの袋がポンと置いてあって。それを食べろということなのでしょうけれど、お皿一つ出ていませんでした」
母親から厳しく言われていたのは、家に友達を連れてくるなということだったそうです。
「子供の声を聞いているだけで頭が痛くなる」
そこで、A子さんは友達の家に遊びに行くだけでしたが、友人から「A子はなんで家に呼んでくれないの?」と言われたのをきっかけに、だんだん行くのが辛くなっていきました。
というのも、「A子は、私の家には来るくせに」と友達が悪口を言っているような気になってしまったのです。また、他の子達はおやつを持ってくるのですが、A子さんは母親から持たせられたこともなく、いつも手ぶらでした。「なんだか悪いなぁ」という気持ちが強くなりました。
中学、高校と思春期を迎えても、母親の冷めた態度はほとんど変わらず。一人娘の成長に関心を示すことはなく、A子さんは母親との希薄な関係に苦しんでいました。
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一度、母親に言ってみた。「寂しかった」と
大学を卒業し社会人になったA子さんは、他県に就職したのをきっかけに、一人暮らしを始めました。家を出る準備をしているときも、社会人としての生活を心配してくれるのでもなく、むしろせいせいしている母親の様子が伝わってきました。
社会人となり実家を離れたA子さんは、母親のことは考えまいと仕事に没頭する日々でした。
さすがにお盆や正月休みには実家に短期間、滞在するものの、相変わらず母親は無関心。淡い期待を抱いて帰宅するA子さんの思いはそのたび打ち砕かれたのです。
年に数回の帰省なのに、「元気だった?」「仕事はどうなの? ちゃんと食事頂いている?」など健康面や仕事、人間関係など一切たずねることはなく、「お風呂入って」とか「食事ができたから」など、必要最低限のことしか言わない母親に、A子さんは20代半ばの頃、思い切ってたずねたことがありました。
「お母さんは感情というものがないの? たった一人の娘なのに、なぜ私に関心をもってくれないの? 私、子供の頃からずっと寂しかったよ」
涙が溢れて言葉がとぎれとぎれになるのを必死にこらえながら母親に訴えたA子さんでしたが、その答には心が凍る思いでした。
「仕方ないじゃない。子供嫌いのところに生まれてきたのだから。私に何と言って欲しいの? 謝れ、とでも?」
そのとき、A子さんは気づいたと言います。「そういえばこの人、自分をお母さんとか、ママとか言ったことない。そもそも自分を母親とは認めたくないんだ」
母親の、全くといっていいほど心のこもっていない言葉に、冷水を浴びせられたかのように感じたA子さんは、はっきりと自覚したのです。
「この人に何を言っても無駄。心を通わせることはできない」と。
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寂しい気持ちを埋められない
頭ではわかったつもりでした。母親の性格、気質、人格。それらを全て受け容れなければならないことも。でも、どうしてもひっかかってしまうのは、なぜ、自分の母親がそういう人なのだろうか、ということです。
街を歩いていて、楽しそうにおしゃべりしながらショッピングをしている母娘の姿を見かけると、まるで心に針を刺されたようでした。
「どうしてあの人が私の母親なのか」。この疑問がぐるぐる頭の中を回り始めると、何も手につかなくなってしまうことがありました。
その苦しみから逃れたいと、A子さんは私のところにやって来られたのです。
A子さんの母親はネグレクトに近いタイプかもしれません。母親の関心をひくためにあらゆる努力を重ねてきたにも関わらず、A子さんの思いは受け止められることはなかったのです。
A子さんの満たされない思いを変える方法はあるのでしょうか。
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なぜ、私の母がこの人なのか
A子さんは、「どうして、この人が私の母親なのか。なぜ、子供好きな母親のもとに生まれなかったのだろう。友達B子のママのような人が私の親だったら、私の人生はもっと幸せなものになっていたはずなのに」と思ったことが何度もありました。
この問いかけを何十回となく繰り返しても、答えはなかなか得られません。それどころか、「世界でたった一人の母親ですら私を愛してくれないのだから、他人から大事にされるわけがない」といった自己否定につながっていったのです。
前述した「どうして、この人が私の…」という問いかけは、どうしてもネテチィブな考えに発展してしまう可能性があります。
・「この人がママでなければ、もっと子供時代は楽しかったはず」。だけど、事実は、この人が母親だから、子供時代はつらかった。
・「B子のママだったら良かったのに」。事実は異なり、B子のママは自分の母ではないのでB子が羨ましい。
このような構図がいくつも出来上がり、その結果、母親から愛されない私は自己肯定感が
低いという結論に至ります。
事実についてのA子さんの考え方にはパターンが出来上がっているのです。
事実:A子さんの母親は子供嫌いだ。子供嫌いの母親にA子さんは育てられた。
この事実をどのように捉えるかが重要なポイントです。
「母親から愛されないような私だから、自分は自己肯定感が低い」。これはA子さんの捉え方です。この捉え方を少し変えてみましょう。
「あのような母親に育てられたけれど、非行に走ることもなく社会人として自分は今頑張っている」
「あのような母親の娘だけれど、人を信頼することはできるし、友人や交際している人に恵まれている」
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捉え方をずらして見るコツ
ほんの少し捉え方をずらすだけでも、新しい見方が出てきます。捉え方はその人
のマインドであり私は「心の姿勢」と表現しています。
A子さんには、母親へのマインド、そのバリエーションを増やすことを実践して頂きまし
た。
これにより、今まで「母親に愛されなかった私は自己否定してしまう」という結論に対し、
「本当にそうだろうか」といった新しい見方、ここでは疑問に気づいたと言います。
「『私の子供時代はなんて可哀そうだったのだろう』という思いがしぼんでいきました。お
ばあちゃんやB子のママ、部活顧問の先生などから本当に可愛がってもらったおかげで今
の私があることに気づきました」
この気づきはA子さんにとっては大きな発見と思われたようですが、実は無意識の底に
あったものです。なぜなら、A子さんは日頃からこの人達に感謝していたのですから。
私達には、気づいていない、あるいはリセットしたいマインドがあります。その存在に気づ
くだけで、日常が変わります。私のカウンセリングメニューで新たに加わった「実践マイン
ド・プログラム」は、まさにこの気づきのきっかけとなるものです。
もし、今、母親(あるいは娘)に対して満たされない思いや割り切れない苦しさを抱いてい
るのであれば、このタイミングでご自分のマインドを見直してみてはいかがでしょうか
考え方がグルグル回り、結論が同じなのは、一つの思考パターンに囚われている証拠です。
捉え方にバリエーションをつけることで、ご自分を今の苦しみから解放してください。
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テーマ: 記憶 講演会・ワークショップ
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