感情的な怒りを子供にぶつけてしまったけれど、謝れば許してくれると思っていませんか
2019.8.13
目次
感情的な怒りを子供にぶつけてしまったけれど、
謝れば許してくれると思っていませんか
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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ついカッとなって声を荒げてしまった
目の前にいる子供に、ついカッとなり、大声で罵倒してしまった。そんな過去をもつ母親は少なからずいると思います。
そういう私も、もちろん、あります。思い出すと胸が痛みますし、子供の記憶から消し去りたい。覚えているかどうかはわかりませんが。いや、きっと覚えているでしょう。💦
一般論として、その後なのですが、母親はどうするでしょうか。
この場面、「ついカッとなって」しまったのです。いつもなら、その程度のことでは子供を叱ることはしない。または普通に注意する程度でスルーできるのに、今回はカッとなり大声で子供に対して暴言を吐いてしまったのです。
この状況を冷静に振り返ると、子供にというより、母親に問題がありますよね。
「問題」というと、いけないことのように取れるのならば、その時、「心の余裕がなかった」と言い換えてはどうでしょうか。
もし、心に余裕があれば、カッとならずにメッセージを伝えただけで終わったかもしれません。
事実として、子供を非難すべきところはなく、なので「えっ、なんで怒られるの?」とわけがわからないかもしれません。
つまり、母親が子供に八つ当たりをしたのです。
「あんなにきつい言い方をしなくてもよかった」「あれは子供が悪いのではなくて、私がイライラしていたから当たってしまったのだ」と振り返ったとしたら、母親はどうすればよいでしょう。
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自分の非を認めて子供には早めに謝る
もし、子供に対して何もフォローしないのであれば、気持ちが落ち着かないのではありませんか。最初は自分を正当化しようとするかもしれません。
「何度も言ったのに、あの子がこちらの言うことを理解しないのだから…」など、言い訳や理由を色々引っ張り出そうとします。けれども、やはりどう考えても自分の感情が高ぶり、子供に当たってしまったのだと認めざるをえない場合、子供に謝ろうと思うでしょう。
「ごめんね。ママ、ちょっときつく言い過ぎたね」「大きな声出してしまって悪かったね。怖かったよね」素直に謝る言葉が口をついて出てきます。
子供は、母親が大好きなので、「いいよ」と言ってくれるでしょうか。母親がハグしてくれれば、それが嬉しくてモゾモゾしながらもそこから離れようとはしないかもしれません。
ちょっと困ったような、照れたような子供の顔を見ると、母親の方は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、自分が許されたと思うかもしれません。
そして、気持ちがすっきりするのです。「ああ、良かった」と。
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感情的に怒る→「謝る」の繰り返しで子供の心は?
気持ちが穏やかなときは、「感情的になって怒るのはやめよう。子供がかわいそうだ」と思うのですが、それが長くは続かず、また怒りが爆発してしまう。大したことでもないのに、という状況ならば、これは母親自身が問題を抱えている可能性が高いです。
怒り→振り返り反省→子供に謝る→再び怒り
この負のサイクルが続くのであれば、子供はどのような心境になっていくでしょうか。
母親が怒ったとしても、子供は、自分に悪いところがあると納得すれば、次から気をつけよう、という気持ちになるかもしれません。
けれども、気をつけているにも関わらず、母親が怒りをぶつけてきたのであれば、最初のうちは「なんで? どうして?」と疑問に思います。それでも、ハグして謝ってくれるのならば、「お母さん、謝ってくれた」と許す気持ちになるでしょう。
ところが、毎回この繰り返しとなると、子供の心に変化が生じてもおかしくありません。
「なんでお母さん、あんなに怒ったんだろう、私、何もしていないのに」といった疑問が浮かんできます。
そして、母親が怒って感情をぶつけるたびに、子供はだんだんわけがわからなくなってしまうのです。
自分の何がいけなくて、怒られるか。その理由が明確でないと、子供の方では「お母さんが怒りたいから怒っている」と思うようになります。
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怖れが不信感につながる
子供がまだ小さいのであれば、母親の怒りは恐怖です。ヒステリックな叫び声、怒りの形相、心が傷つく言葉の数々。それらは子供の記憶に刻まれていきます。
後で、母親から謝られても子供にしてみたら、「これでもう終わりだ」とは思えなくなってしまうのです。
「またいつか、怒りが爆発するかもしれない」
そうして、母親の顔色を伺うようになります。けれども、やがて大きくなると、「また怒り始めた」と白けた気持ちになり、軽蔑するようになります。
子供の心に少しずつ作られる母親への軽蔑や「どうしようもない」といった冷めた感情は、もう一つの問題を生み出します。
というのは、母親が怒り爆発→謝罪→怒りを繰り返すことで、人間そのものに対する不信感を募らせていく傾向があるからです。これは、この母親だけがどうのこうのという問題にとどまらなくなるのです。
「人間なんて、言うこととやること、違うよね」、とか「どうせまた裏切られる」といった大人に対する不信感につながってくるのです。
母親が感情的な怒りを子供にぶつけるのを続ける最大の過ちは、ここにあると私は思うのです。
つまり、親への見方が冷めたものになるだけでなく、他人に対し最初から不信感を持ってしまう、ここが一番大きな問題になるのです。
まだ、子供が小さいからといって、怒ってもその後に謝ればいいという安易な考えは止めるべきです。
子供の心には、母親の怒りの顔、大声、罵倒した言葉などが積もり積もっていきます。母親は子供に謝って感情を爆発させた事実は「ないこと」になりますが、子供の方ではリセットされたとは思っていません。
ここを母親はきちんと認識した方がいいでしょう。
もし、このブログを読んで下さって何か自分と重なる部分があると感じられたのならば、一度、感情的になってしまう自分と向き合う機会を作ってみませんか。
忙しい日々の中で、避けてしまっていませんか。自分の嫌な部分を正面から見つめることは勇気がいります。できれば見たくないものです。
でも、子供さんが小さな今だからこそ、大事なことなのです。
私のところには、社会人になった娘さんから、「お母さんが感情的に八つ当たりしたから、私、他人の顔色ばかり見るようになってしまったんだよ」と責められるクライアントさんが多く来られます。
以前は、クライアントさんが子供に向けて感情爆発させていたのが、今度は大人になった娘から八つ当たりされ、関係が逆転しているのです。
今からでも決して遅いということはありません。ご自分と向き合うのが今と思えるようになったのなら、それがあなたのターニングポイントです。
カウンセリングでご自分と娘さんの関係を見直すことができます。または9月、母娘問題講座では次のテーマで開催の予定です。立場は違うものの、参考にして頂けることがあると思います。合わせてこちらもご検討ください。
母娘問題連続講座 第4回
「感情的な母親に振り回されなくなる娘の防御術」
日時2019年9月15日(日)10:30~13:30
場所 東京都港区南麻布グラマラスエイチ5階
セミナールームD
講師 母娘関係改善カウンセラー 横山真香
受講費 5000円
お申込み お電話で直接、またはSMSでも受け付けております。
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ふとした事でいきなり怒り出す母親、何かがきっかけで泣き出す母親。
感情がコロコロ変わる母親に子供の頃から我慢してきた娘。
そんな母親の感情のアンバランスに振り回されない防御術を、
メンタルトレーニングを取り入れたメソッドでご紹介します。
テーマ: 怒りについて
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