「孫達を比較する」と娘に責められる母親
2019.1.19 (2019.1.22更新)
目次
「孫達を比較する」と娘に責められる母親
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
今年のお正月も、久しぶりに子供達家族が子供を連れてやってきたので、大にぎわいとなったご家庭も多いでしょうね。
いとこ同士仲がよいのはいいけれど…
孫達にとっても従兄(または従姉妹)達が久しぶりに顔を合わせます。一人っ子もこのときばかりはいとこのお兄ちゃん、お姉ちゃんが遊んでくれるので、大はしゃぎです。
そんなお正月を何回か過ごすうちに時は過ぎ、孫達もどんどん成長していきます。
部活動での活躍、成績、進学先はどこになりそうかなど、話題は孫達の成長とともに変化します。
祖父母にとってみたら可愛い孫達なので、どの子が一番かわいいとか、この子だけをひいきにしているつもりは全くないのですが…
次女の一人娘が中学受験を
今回のブログは、家族の集まりの後で思いがけないことを娘から言われたSさんのケースをご紹介させて頂きます。
Sさんが母娘関係改善カウンセラーの私のルームに来られたのは昨年のお正月が終わって間もない頃のことでした。
Sさんは夫と二人暮らしですが、同じ県内に娘二人がそれぞれ結婚し子供もいて幸せな家庭を築いているそうです。二人とも実家から車で30分程のところに住んでいるため、顔を見せることも多く、友人からは娘達と頻繁に行き来ができることをうらやましがられると言います。
長女には息子と娘、次女には娘が一人おり、孫娘達は同い年ということもあり、まるで姉妹のような仲の良さです。
夏休みなどには、娘達二家族で旅行に行くこともありました。
ところが、状況が変わってきたのは孫娘達が小学校4年生頃になった頃。次女のところの一人娘が中学受験をすることから、塾に通い始めるようになりました。
次女の夫は大手企業に勤めており実家も裕福です。さらに、一人だけの孫ということもあり、夫の両親が教育資金を援助してくれる話になり、中学受験を決めたそうです。
長女の夫は中小企業に勤務し経済的に厳しい状況があり、長女はパートで働いています。
Sさんの家に長女、次女家族が集まるときなど中学受験が話題となるのですが、学校見学に行ったとき、生徒達の礼儀正しさや設備が充実していることなどが挙がるようになり、「やっぱり私立はね」というところに話が落ち着くのです。
Sさんは、長女も次女もずっと公立校に通わせたので私立の学校の様子がわからず、ただただ関心するばかりだったのでした。
そして無事に、孫娘は希望の中学に合格できたのですが、昨年のお正月に孫娘二人が揃うと、とくに意識するわけでもなくそれぞれの学校生活の話を聞いていたのです。
長女の怒りの電話に気が動転
ところがそんな穏やかな三が日も翌日の晩の長女の怒りに満ちた電話で状況が一変。
「ずっと思っていたけど、お母さんは一番〇〇ちゃん(次女の娘)を可愛がるよね!」
長女の突然の発言に、言葉を失ったSさん。
「〇〇ちゃんは可愛いし、頭もいいから私立のお嬢様学校に入れるし。だけど、うちの子達と比べる必要はないでしょ!」と全く身に覚えのことを言われ、動転したSさんは「あなた、いったい、何を言っているの?」と強い調子で言い返したのです。
「ほうら、お母さんは自分が責められるようなことを言われると、すぐに高圧的な態度に出て私を黙らせようとするのよね」と反論され、Sさんは腹が立ってきました。
なぜなら、長女は仕事がかなり忙しかったので、孫達を預かりよく世話をしたのはSさんです。
どちらかが体調が悪いときは保育園に預けることができなかったためSさんが看病し、病院へ連れて行くこともありました。
次女は、自分で育児をしていたのでさほど頼られることはなかったのですが、長女の子供達は保育園の送迎を一時期していたこともあり、ママ友さん達からも「〇〇ちゃんのおばあちゃん」と呼ばれていました。
それが思いもかけない長女の言葉に、カッとなったSさんは「私がどれだけあなたの育児を手伝ったか、忘れてしまったの?」と怒鳴り返してしまったのです。
長女はそれを聞くとさらに興奮して「そんなことで恩着せがましく言うわけ? いつもお母さんはそうなのよ。あれをやってあげた、これをしてあげたってそればっかり」
長女との話がかみ合っていないように感じたSさんは、胸が苦しくなってしまったこともあり、これ以上話を聞いていられないと途中でいきなり受話器を置いてしまったのでした。
ところが、その後は長女からのメールで「お母さんは私が小さかった頃、次女といつも比較していた」「今度は孫を比較するのね」など攻撃的な文字が並び、読むたびにSさんの怒りもますます募っていきました。
そして、「こんな内容のメールをこれからも送ってくるなら、しばらくあなたからのメールは最初から読まない」と返信しました。
連絡を絶った長女
その後、長女からはメールも電話もぱったり来なくなったのですが、予想外だったのは次女の方にもラインが来なくなってしまったのです。
次女はなんで長女が連絡をくれないのかわからず、Sさんの話を聞いても、「私は関係ないのに」と首をかしげるばかり。
Sさんは長女と自分の関係改善には時間がある程度必要かも、と覚悟していたのですが、次女を巻き込んでしまったことに胸を痛めていました。
この状況を何とかしたいとカウンセリングに来られたのでした。
心のプロセス・カウンセリングを通して見えてきた長女の感情とは
カウンセリングルームに入って来られたSさんは、長女に対する怒りの気持ちでいっぱいのようでした。それはご自分に対する長女の態度、関係のない次女に対する行動について「まるで子供のようだ」という思いがぬぐえないご様子でした。
そこで、Sさんが長女に対して感情的になっていることから、心のプロセス・カウンセリングを受けて頂くことにしました。
心のプロセス・カウンセリングでは状況を客観的に捉えられるように、ご自分がまるで第三者のようにして長女との関係性を見るためのワークを行います。
ワークというのはシートに書いたり、質問にお答えして頂きながら、ご自分の心のプロセスを辿って頂くものです。
この作業を通してSさんに見えてきたのは、長女の、次女に対する複雑な思いと、Sさん、次女の自然な関係へのジェラシーでした。
長女が母親、妹に対してどのような思いを抱いているか、推測ではありますが具体的に見ていくことで、「ああ、だからああいったことを言ったのね」とか「そんな気持ちがあったから、こうした態度を取ったのかもしれない」ということが見えてくるのです。
その後、Sさんには長女に対する怒りをもっている自身の心のプロセスと向き合って頂きました。そして、Sさんも、長女と次女に対する別々の思いに気づいたのです。
心のプロセス・カウンセリングを受けて頂くと相手に対する自分のスタンス(心の姿勢)がかなり明確になります。時に、自分が思っているのとは全く異なる感情が浮き彫りになることもありますが、その存在に気づかずに相手に接するよりは、本心を把握していた方がいいのです。
その後、長女が孫娘だけを実家に寄越したのをきっかけに、母娘関係が変化しました。直接連絡を取り合うことはまだできていないのですが、孫娘を通してお互いの様子が伝えられました。
そして、今年のお正月、長女は実家には来ませんでしたが、次女の家には行った話を聞き、Sさんは今の段階はこれでよし、と思ったそうです。
「長女の気持ちが今ならわかるような気がします。彼女が思うようにすればいい、今はその時期なのかな、と。なぜそう思えるのか。私の中ではこれがいつまでも続くわけではないという思いがあるからです」
人の心は自分も、他人もすぐに変えられるわけではありません。しかし、時間を味方につけることで心の変容を待つことはできます。
このブログを読んで下さったあなたにも、同じようなケースのお悩みがあるかもしれません。
思いがけない娘からの発言に最初はショックと戸惑い、怒り、悲しみなどの感情に襲われるかもしれません。けれども、それでは娘の感情に翻弄されてしまいます。まずは、「心のプロセス・カウンセリング」を利用され、状況を客観的に見つめることから始めてみませんか。
「心のプロセス・カウンセリング」についてのご質問などは、私のホームページからお問い合わせくださいませ。
直接お電話 090-5206-8576 を頂けましたら、ご説明させて頂きます。
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