娘に否定的な言葉をかけてきた母親、その代償は?
2019.2.25 (2019.3.30更新)
目次
娘に否定的な言葉をかけてきた母親、その代償は?
※2019年5月より母娘問題の連続講座を開催します。
※2019年5月より関西在住の方のための出張対面カウンセリングを実施の予定。
2019年ゴールデンウイークは全日営業致します。午前9時~午後9時まで。
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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言葉が与える影響力
先日、元町ルームの近くにあるお店の前に立っていたときのこと。犬を連れた女性が通りかかった。ワンちゃんが私の近くに寄ろうとしたのをひき止め、「だめよ、お姉さんのそばに行っては」と言った。
(お姉さんて誰?! もしかして私のこと??)、思わず「えーっ、私のことですか」とわざわざその女性にたずねてしまった。
「そうです、ごめんなさいね。うちの犬が」とその女性は微笑んで通り過ぎて行った。
「お姉さんなんて、何年ぶりに言われたかしら」
ま、もちろん、犬を連れた女性は私の顔を見て、「あら、お姉さんではなかったわね」と後で思っただろう。
それでも、私自身は1週間たった今でもなんとく気分がいい。
何を言いたいかというと、言葉は、素晴らしいプレゼントにもなりうるということ。
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言葉のもつ力
一方で、言葉は人を傷つける最大の武器にもなります。
私のカウンセリングルームに来られる娘のクライアントさんが語る母親の悩みに関するもので、たびたび登場するのが言葉に関するものです。
子供の頃からどのような言葉を言われてきたのか。
娘さんの多くは、幼少の頃から今日に至るまで何を言われてきたのか覚えているのです。
そして、大人になった今でもその言葉がよみがえることがあると言います。
それらのなかには、罵倒され人格を否定されたものもあります。
私が伺っても、心に突き刺さるような言葉です。
当の母親は案外忘れていても、言われた方は覚えているものです。
言葉には人を喜ばせる力がある一方で、心をズタズタにしてしまう破壊力があるのですね。
- 言葉が繰り返されるところにも問題が
実は私も子供が小さかった頃、「あんなこと言わなければよかった」という苦い思い出は沢山あります。子供に「あの時、あんなこと言われた」と思い出されたらまずいので、関連する話題に触れないようにしている面もあります。
まだ上の子が3歳ごろだったでしょうか、イライラしていた私は子供に大声をあげてしまったことがありました。その話を十数年後、懺悔のつもりで下の子に話したことがありますが、今でもその子から脅されることがあります。「○○に言っちゃうよー」と。
もちろん、下の子は冗談で言っているのですが、上の子が当時のことを覚えているかどうかは不明です。私からは聞くことはできず、「寝た子を起こすな」ではないのですが、触れないようにしています。
そこで、娘のクライアントさんが話す「母親の言葉」には私自身、ドキっとすることがあります。
「3歳ごろに言われた言葉、ちゃんと覚えているのだ」と。
それでは、娘のクライアントさんが子供の頃から母親に言われ、今も苦しんでいる言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的に書くと、「どうせあんたにはできっこない」、「だから言ったでしょう、あなたはそんな実力はないのだから」「まだ、わからないの? そんなことしても必ず失敗するわよ」といった、娘の行動、言動を否定する言葉の数々です。
表面上は、それはあなたにはできないよ、という意味です。
けれども、メッセージとしては、「あなた自身ができるわけない。できないあなたが問題」、と受け止められてしまうのです。
多くのクライアントさんは、母親からのこのようなメッセージを受けてきたことで、「自分に自信がない」、「自分を信じられない」「自分が嫌い」と思い込み苦しんでいます。
さらに問題を悪化させているのは、同じような言葉が繰り返されたことです。それも一番身近にいる母親から、幼い娘は聞かされて育ってきたのです。
子供は自分の命を預けている母親を信じています。母親の言うことは絶対なのです。
その母が言うのだから間違いない。自分はできない子。自分はいけない子なのだと自らレッテルを貼ってしまうのです。
そして、否定的な言葉を繰り返し聞かされるので、その考えはより強固になっていくのです。
自己肯定感が低く、自分を信じることができない。
娘のクライアントさんの中には、この思い込みによって学生時代も社会人になってからも人間関係がうまくいかないことがあります。その原因はなぜだろう、理由はどこにあるのか探しているうちに思い当たるのです。
子供の頃から言われ続けてきた母親からの否定的な言葉、行動の数々。
「私が友人とも会社の同僚とも、彼ともうまくいかないのは、あの人(母親)のせい。あの人がずっと私のことを否定してきたから」
こうして多くのクライアントが、自己不信、人間不信に陥っているのです。
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自分で発している言葉、口調が実母に似ていないか?
「幼かった娘に否定的な言葉しか、かけてこなかったような気がする。そのせいなのか、私とは距離を取りたいようで、娘からの連絡は用事以外にはない。だけど、私が今さら謝ったところで、過去をなかったことにはできないのでは」と悩む母親のクライアントさんも沢山おられます。
そうした母親のクライアントさんの傾向としてあるのが、ご自身も実母との関係があまり良好ではなかったということです。
このようなケースの場合、クライアントさんには実母からどのような言葉をかけられてきたか、思い出して頂くようにしています。
これはご本人にとってはつらいことかもしれません。けれどもこの作業はとても大事なことなのです。
なぜなら、クライアントさんに、実母から言われた言葉を発して頂くと、それはご自分が娘さんに言っていることとほぼ同じなのです。
どのような言葉を使っているのかを自覚すべきですが、より気づいて頂きたいのは口調です。早いか、きついか、大きいか、責めているのか。
怒鳴る、わめきたてる、怒鳴り散らす、ヒステリックに叫ぶ。
いろいろありますが、私が聞いていると、娘さんに対する口調は、まさに実母から聞かされていたのとほとんど同じです。
このことにハッと気づいて黙りこんでしまうクライアントさんを前にすると、この方も同じように母親から否定的な言葉を聞かされ続けてきたのだと思います。
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今からでも遅くない。話すスピードを落とす
娘に今までかけていた言葉について、ふりかえってみるとご自身はいかがでしょうか。
私も反省すること、多々あります。
それでも、今さら遅いということはありません。今後、どのような言葉をかけるのかを思うとき、立ち止まってみることが大事です。もちろん、日常会話でそんな間をとることはできないでしょう。それでも言葉を発するときに、ひと呼吸おいてみるのです。
その時に大事なポイントは、この言葉に心を込めているかどうか、です。
娘さんに対して伝えたいことは何なのか。
闘いではないので、言葉で相手を打ち負かす必要はないのです。
あなたの伝えたいメッセージをちゃんと届けられるように、心がこもっているのか。
その時の感情に任せて言葉を発してはいませんか。
娘さんへの言葉がけをほんの少し変えてみるだけで、今までの親子の関係は大きく変わります。
今日、今から、トライしてみてください。
ただ、そうは言ってもいきなり今までの声がけのスタイルを急には変えられない。というか、どのように声をかけてみたらいいのかわからないという方。
かける言葉を変えてみただけでは、今の娘との関係は変えられそうにない程、大きなへだたりを感じているという方は、カウンセリングを通してご自身の声かけパターンを見直してみませんか。
私が提唱している「心のプロセス・カウンセリング」では、実際に行われている会話を伺いながら娘さんにはどのように響いているのか、問題があるならば何が原因なのか、言い回しやそのときの態度にあるのかなどを明確に致します。
その上でどのように言い換えたら本当に伝えたいメッセージが届くのか、実践に即してセッションをご提供いたします。
カウンセリングの進め方、セッションの内容などどのような質問でも構いません。
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