感情的な実母が私にあたる様子を見ていた娘も真似するように
2019.8.1
目次
感情的な実母が私にあたる様子を見ていた
娘も真似するように
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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高齢になっても変わらない感情的な母親
「70代前半の実母は高齢になるにつれさらに感情のぶれが激しくなってきた」と嘆くのは50代のクライアントMさんです。
Mさんの実母は、何かというと激しく怒ったり、気に入らないことがあればしばらくの間口をきかないなど、感情の起伏がありました。Mさんは子供の頃からそんな母親には恐れの気持ちしかなく、つねに顔色を伺ってきたそうです。
人は歳を取れば丸くなると言われていますが、数多くのご相談を伺っている私が思うに、当てはまらない人は多いと思っています。
もっと言ってしまうと、年齢を重ねるごとに自我意識が強くなり、丸くなるどころかさらに感情のアップダウンが激しくなると思うのですが…。
そんなわけでMさんも、結婚後、実家を出たものの、相変わらず母親の機嫌がコロコロ変わるため、50代になったいまでも悩まされ続けているといいます。
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実母から当たられる母親に味方する娘
実家は車で30分程のところにあるためMさんは結婚後も、実母に呼び出されては行っていました。そうしないと、機嫌が悪くなるからです。現在、Mさんには娘(21歳大学生)と息子(高校3年)がいます。
実母は孫達にもしつけという意味ではかなり厳しく接してきたので、二人とも最近は祖母の家に寄りつかなくなってしまいました。
とくに、長女は女の子だからということで、実母も行儀作法など口うるさく言っては、叱りつけていました。
ところが長女はもともと性格がきついせいなのか、祖母には口ごたえをするようになりました。
「おばあちゃんはうるさい。私の気持ち、全然わかってくれていない」
はっきり言うので、ときには祖母の方がタジタジしてしまいます。そして、その後は必ずクライアントの方に、怒りの矛先が向けられるのです。
「あなたが甘やかすから○○は私にたてつくのよ。言う事を全然聞かないのだから。あれでは社会に出て苦労するわよね。誰からも愛されないわよ」
孫娘の反抗を、娘のせいにする実母。そんなやり取りが続いていたのですが、娘の方は最初から祖母にたてついていたわけではありません。いつも、祖母が自分の母親に対してきつく当たるのを見て、母親の事をかばってきたのです。
「おばあちゃん、お母さんをいじめないでね」
そうやって娘が自分と実母の間に入ろうとするたび、クライアントは複雑な気持ちになるのでした。
「40代になってもまだ実母から当たられていて、それを娘にかばってもらうなんて、自分が情けないと思っていました。でも、どうしようもなかったのです。それ程、私にとって実母は強い存在でした」
やがて10代後半になった娘は、祖母にいちいち反抗するのも面倒になったのか、極力会うのを避けるようになったのです。
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娘が実母にライバル意識をむき出しにするようになり…
娘が高校3年になり大学受験を控えていた頃、実母からは相変わらず「実家に来いコール」がきていました。電話が鳴るたび、クライアントは用事をやりくりして実母の元に向かっていました。そんな様子をたびたび見ていた娘が、「お母さん、いい加減にしなよ。おばあちゃんの用事なら、他におばさんやおじさんだってできるじゃない」と声を荒げるようになったのです。
その様子に、クライアントは「ずいぶん、言い方がきついな」と思うようになったのですが、そんなある日の事。例のごとく、朝早くに実母から電話があり、急な来客があるので手伝いに来てほしいとの連絡が入りました。
そこで、クライアントは娘との外出の約束があったにも関わらず、「ごめんね。おばあちゃん、急用でどうしても来て欲しいと言ってきているから、ちょっと行ってくるわね。夕方には戻るからそれから出かけようね」と娘に声をかけたのです。
それを聞いた娘はクライアントの腕をぎゅっとつかんで、「なんでおばあちゃんを優先するの? たまには私の約束を優先してよ」と叫んだのです。
クライアントはハッとして、「ごめんね。でも、おばあちゃん待っているから」と言って、玄関のドアを開けて出かけてしまいました。
その日の夕方、大急ぎで帰宅したのですが、娘は部屋にはおらず、図書館にでも行ったのかしらと思っていると、夜帰ってきました。でも、一切、クライアントに口をきこうとしないのです。
その態度にオロオロしてしまったクライアントは、娘に何度も謝るのですが、完全に無視されたまま、その状態が1週間以上続いているということで私のカウンセリングルームに来られました。
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実母だけでなく娘にも気を遣うようになって
クライアントが度々口にしたのは、「実母からも娘からも当たられて、恥ずかしい。二人の間に挟まるのが余計つらい」というものです。
このように他人の感情に振り回されやすいクライアントのタイプには、ある性格傾向があります。それは、何か物事が起きたとき、真っ先に「悪いのは自分」だと思い込む傾向です。
これは幼い頃、感情的な実母の前でご機嫌を伺うためにとりあえず謝る、といった低姿勢を見せていた事が理由の一つに考えられます。もちろん、ケースによって異なりますが、目の前の嵐を何とかやり過ごすために娘が取ってきた手段なのです。
そのため、実母に限らず、他の人であってもその人との間にハプニングが起きた場合、まず謝る癖がついてしまっているのです。
娘も祖母の感情的な部分を見て育っているため、影響を受けている可能性があります。
母親としてはなんでもかんでも娘に謝る態度は変える必要があります。
では、どうやって謝る癖を変えればよいのでしょうか。
謝る癖のある人は、心のプロセス(動き)である一段階を飛ばしている可能性があります。
それは、状況を冷静に判断する前に、感情で物事を判断し自分の立ち位置を相手よりも下に見せようとする事です。
他人とのコミュニケーションの中で行き違いが生じるような時は、意識して、状況について冷静な判断を心がけるようにしましょう。
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テーマ: 講演会・ワークショップ
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