人間関係の悩みを母親のせいにする娘とどう接したらよいのか?
2018.7.22 (2022.11.30更新)
目次
人間関係の悩みを母親のせいにする娘と
どう接したらよいのか?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
(※文末に私が主宰する母娘問題講座のご案内があります。)
「普段は娘と良好な関係です。
ですが、娘は仕事や恋愛、人間関係がうまくいかなくなると私のせいにしてくるのです」とご相談に来られる母親のクライアントさんが増えています。
「職場の上司や先輩からよく思われていないみたい。仕事場で浮いているみたいで打ち解けられない。
こんなふうに育てたのはお母さんのせい」
「心をさらけ出して話せる友達がいない。学生時代も孤独だった。こんな性格になったのはお母さんのしつけのせいだよね」
「彼氏とまた別れた。3カ月以上付き合ったことがない。我儘だって言われるけれど、どうして私をこんなふうに育てたのよ」
こうして母親を責めては、泣いたりわめいたりする娘。その悩みが解消されると元のように仲良し母娘の状態に戻るのです。けれども、母親にしてみたらいつまた娘の態度が変わるかわからないので表情を窺ってしまう人もいます。
確かに、娘が自分の人間関係でうまくいかず悩んだとしてもそれを母親のせいにするのは理不尽です。
正直母親にとってはいい迷惑でしょう。
「どうして私のせいにするのかしら」と疑問に思って当然です。
しかし、苦しんでいる娘を見ていると、「母親のせいにして問題を乗り越えようとしているのなら仕方ないこと。私のせいにして気が済むのならそれでもいいかしら」と思い込もうとする母親もいます。
このような状況が繰り返されると、母娘の関係がどのように変化すると思いますか。
娘の人間関係がうまくいかないのは、母親のせいなのでしょうか。学校で友達となじめない、職場で浮いてしまっている、彼との付き合いが長続きしない。
これは全て、娘自身が引き起こしている状況ですよね。
学校で娘が友達とどのように関わっているのか、職場で娘がどのように上司や同僚と接しているのか、彼とは娘がどのように付き合っているのか。それぞれの関係で生じたトラブルは母親とは一切、関係がないものです。
ところが、母親の中には、「娘に友人が少ないのは引っ込み思案だから。そんなふうに育てたのは、私も人見知りが強かったかしら」と思う人もおられます。
「職場で浮いているの? そういえば、私も会社の人達とのお付き合い苦手だったわ。やっぱりそれが娘にも受け継がれてしまっているのかしら」
過去のことをふりかえり色々考えていると、いたたまれない気持ちになり自分を責めてしまいます。そして、娘には申し訳ない気持ちがいっぱいになり、「そうよね、あなたの生き辛さは、私の育て方が原因かも」と思い込むようになります。
こうした気持ちになってくると、それは母親の表情、行動に出ます。
娘が帰宅してイライラしているとき、このような母親はオロオロしてしまうのです。
「どうしたのかしら、娘がイライラしているみたい。また外で何か嫌なことがあったのかしら」
そうして娘の顔色を伺ってみるのですが、それは相手に伝わります。
「お母さん、私の事気にしているな」
そう思った娘にはどのような感情が沸き起こると思いますか。
会社の人間関係でイラついているときに、母親が自分のご機嫌伺いをしてくる。八つ当たりできるターゲットが、自ら「どうぞ、私に当たってください」と言っているようなものですよね。
人間関係がうまくいかなくて母親に当たる娘のほとんどは、自分に自信がないのです。そこでつねに「人とどうやって接したらいいのかわからない」といった漠然とした不安があるのです。
こうして、人と何かトラブってしまったとき、不安感はさらに大きくなります。
「やっぱり、私って人間関係うまくできないんだ」
こう思うと、今後がますます不安になってきます。
「こんなにうまくできなくて、今後私ってどうなるんだろう。どこに行っても、誰ともうまくできないのでは」
先の見えない予期不安が大きくなるにつれて、「どうして私だけがこんなに苦しまなければならないの?」といった別の疑問が出てきます。
そうして疑問の答えをなんとか見つけようとしているときに、一番近くにいる母親の存在が目に入ってくるのです。
それも、自分の様子をそっと伺っているような。
娘の中でカチッとスイッチが入ります。
「私がこんなにつらいのは、目の前にいるこの人のせい。この人がもっとちゃんと育ててくれれば、私こんなに大変な思いをしなくてすんだのに」
この図式が娘の心にすんなり入ってくると、本人はまずそれを受け容れます。なぜなら答えがわかったようで安心できるからです。
こうして、娘は人間関係、しいては人生がうまくいかない理由を全て母親のせいにします。
母娘関係改善カウンセラーの私のところに来られるクライアントさんの多くは、こうした娘の間違った認識のせいで責められている方達です。
最初、娘のことを「何を勝手なことを言って…」と受け流すのですが、連日のように責められるうちに、だんだん「自分のせいかも」と思うようになります。
本当なら娘は、自分の問題として向き合わなければならないはずなのに、母親のせいにして逃げています。
これは母親への依存です。母親を責めるのは甘えの裏返しです。
この事実を認識しないであいまいになってしまうと、母親は自分を責めるようになってしまいます。
ここはきっちり境界線を引いて、娘は自分の問題として向き合うべきと捉えることが大事です。
そしてもう一つ大事なのは、
「娘は必ず今度の問題を乗り越えられる」と信じることです。
こう思うだけで、それが母親の態度、言葉に出るようになり、「お母さんはあなたから責められる理由はない」というメッセージを発せられるようになります。
このようにして考えると、娘の依存を助長させるか否かは、母親の対応にかかってきます。
娘から矛先を向けられても、「それはあなたの問題でしょう」と突っぱねられるかどうかが重要なポイントです。
突っぱねるといっても、声を荒げて突き放す意味ではありません。どのような状況なのか詳しく話を聞くのは大切です。
ただ、娘の様子を見ていて、「大丈夫、あなたはきっと乗り越えられる」と言うのが難しいようなら、早めにカウンセリングを勧める方法もあります。
「あなたがつらい気持ちなのはお母さんにも伝わってくるしよくわかる。お母さんが相談にのることももちろん、するけれど、それでも解決ができないようなら専門家の手を借りるべきだと思うよ」というのも言えます。
これは決して娘から逃げているわけではありません。
母親が自分にできることと、できないことを娘に伝え、それを理解してもらうのが大事なのです。
娘の依存を助長する人をイネイブラーといいます。
もし娘が責めてきて、それを自分のせいだとしてしまう母親もイネイブラーです。
私は母娘問題講座を開催していますが、来月8月4日土曜日は、「依存」の問題について取り上げます。その中でイネイブラーについての解説もあります。
このブログを読み興味を持って頂けましたら、講座のご参加もぜひご検討ください。
以下、母娘問題講座のご案内です。
第2回母娘問題講座
「依存してくる母親との関係を変える3つのアプローチ」
日時 2018年8月4日土曜日 午前10時30分~12時30分
場所 東京港区南麻布4-5-48フォーサイト南麻布5階セミナールームD
講師 横山真香
参加費 3000円
お問い合わせ。お申込み 私のhp、またはお電話で直接ご連絡ください。
次回は9月8日土曜日、同時間、同場所にて下記のタイトルで開催します。
「母親のことを無視、罵倒する娘(成人した)の心理とは」
テーマ: 講演会・ワークショップ
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