娘の帰省、親戚の目を気にする母親
母娘関係改善カウンセラー横山真香です。
このブログ記事では、クライアントさんの了解を得て、実際にあったご相談をご紹介します。
久しぶりに遠方の実家に帰省したという娘クライアントさんから、次のようなご相談をお受けしました。
クライアントAさんのお悩み
目次
「娘の帰省で、親戚を気にしすぎる母親」
「久しぶりに実家のある田舎に帰ったのですが、母親が、独身の私のことを恥ずかしく思っているのがよくわかり、とても嫌な気分になりました。もう実家には帰りたくないし、母親とも連絡を取りたくないのです」というご相談です。詳しく伺ってみました。
・数年ぶりの帰省だったが
コロナも落ち着いたようなので、3年ぶりに地方の実家に帰省したというAさん(30歳・会社員)。事前に、「お盆には帰るね」と母親に連絡。すると、母親はその日から、お土産は、親戚、ご近所に渡すからと、かなりの数を言ってきた。また、帰省時の服装もこまかく指示。
「相変わらずうるさいな」と思いながらも、久しぶりの帰省で、母親も肩に力がはいるのかな、ぐらいの気持ちで実家へ。
そして、帰宅してみてわかった。母親がなぜ、あれこれ言ってきたのか、を。
お盆で親戚が集まるという日。Aさんの実家は、父親は長男で祖父母も健在。本家なので、お正月やお盆は親戚中が集まる。Aさんの結婚している兄妹がパートナーと子供達を連れて前日から泊まり込み、甥っ子、姪っ子達は興奮気味。翌日、おじ、おば、いとこ夫婦やその子供も来て、座敷は満員。
Aさんは、母親の手伝いで、台所から座敷まで何回も料理を運んだ。やっと座って一息ついていると、「あんた、まだ一人なんか?」と酒に酔ったおじが大きな声で話しかけてくる。視線がいっせいにAさんに集まると、おばがすかさず、「いいねぇ、東京でOLさんやって、うらやましいわ。毎日、おしゃれして、お昼は豪華なもん、食べているんでしょう?」と続けた。
すでに結婚している兄、妹は、知らぬふりして、お酒をすすめたり、子供の世話をしている。
「昔なら、とっくに嫁にいっている?」と他のおじが冗談を言い、周囲がどっと笑う。自分が見世物にされたような気になり、隣の母を見ると、一緒になって笑っている。思わず、席を立って出て行きたい気持ちになったが、それも大人げないとぐっとこらえた。
・母親を責めたが
せっかく帰省したのに、こんな嫌な気分になるなんて。親戚に腹が立つけれど、一緒になって笑っている母親にはもっと頭にくる。怒りが抑えきれず、Aさんは翌日、母親にくってかかった。
「私がみんなの前でからかわれているのに、なんで助けてくれなかったの?」。すると、母親からは、思いもかけない言葉がかえってきた。
「あんたは、昨日1日、我慢すればいいけど、私はいつも責められている」と。
「どういうこと?」、驚いた娘が聞き返すと、母は「田舎はね、噂話ばかり。とくにうちは本家だから」と言う。
・実家には行かないと決めたのだが
それ以上、何も言おうとしない母親を残して、翌日、一人暮らしのアパートに戻ってきてしまったというAさん。口をついて出てくるのは、母親への非難の言葉。
「私をかばわなくてもいいけど、親戚と一緒になって笑うのはやめて欲しかった」。「どうして、親戚の前で私を下げるんだろう」。
Aさんのご相談は、
「私、しばらくは実家に帰るのをやめようと思うのです。母に連絡を取るのもしばらくはできないかも」という内容。
そう決心したAさんだが、何かモヤモヤした気分だという。いったい、何がモヤモヤしているのだろうか。
・長男の嫁という母親の立場
Aさんは、仕事とプライベートが充実している今が楽しいという。結婚しないわけではないが、かといって、婚活しているわけでもない。もし、偶然の出会いがあれば、と思っている。
しかし、久しぶりに帰った実家の空気は、Aさんにとっては居心地の悪いものだった。そこで、カウンセリングでは、Aさんの母親について、どのような立ち位置にあるのかを話して頂いた。
「父が長男なので、母は結婚した当初からずっと、父の両親、つまり私の祖父母と一緒に暮らしています。その土地で代々続いた家であることを祖父母はとても自慢にしており、父は長男としてかなり大事に育てられました。
近所には、親戚も多いのですが、分家といって、祖父母達が下に見ているのは、子供だった私でもわかりました」
このような状況の中では、どうしても本家に注目が集まりやすい。Aさんの兄がどこの大学に入り、どのような企業に就職したのか。妹の結婚相手はどのような人なのか、親戚中の噂になることが多く、当然、今はAさんがいまだに独身であることが、ネタになっているのだ。
「お母様はそうした環境の中にいらっしゃるのですね」。カウンセラーの問いに、Aさんはうなずいた。
そして、声のトーンを落として、
「今、思ったのですが、確かに母の立場は大変だと思います。厳格な祖父母に言いたいことも言えず、父は母を助けようともしません」と言った。
・母に申し訳ない気持ちが
「母を責めてしまったこと、少し後悔しています」。Aさんは正直に、自分の気持ちの内を話してくれた。
「私が結婚していないことで、母はつらい思いをしているのでしょうね」とつぶやくAさん。
「必ずしも、そうだとは限らないかも」と言うカウンセラーの言葉に、Aさんは首をかしげる。
大切に育てた娘の一人が、親元を離れて頑張っている様子は、顔を見れば、親ならわかること。今回の帰省でも、Aさんのそんな様子は、きっとわかったに違いない。
「娘が結婚しなくて肩身が狭い」という親もいるけれど、Aさんの母親はそんな事はひと言もいわなかった。
娘が幸せなのが、母親にとっても一番の幸せで、それは結婚しているから、だとか、経済的に余裕があるから、というものでもない。
・腑に落ちたことは
Aさんは、「母親の気持ちがなんとなくわかったような気がする」と言った。
「親戚の中で、笑うしかなかったのは、それしかできなかったのでしょう。私を庇えば、角が立つ。それこそ、親戚にはまた噂話を提供するようなものですよね」
「これから帰って、実家の母に電話してみます。秋の連休には、母をこちらに呼んで、美味しい物をご馳走しようと思います」。
だからといって、Aさんが、慌てて婚活を始めるというわけではない。それを、母親が望んでいるわけでもないのだから。
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