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娘の機嫌をいつも気にする母親
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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娘の顔色を伺う母親
現在、新型コロナの影響で多くの学校が休校中です。そのため、1日中娘が家にいるという家庭は多いでしょう。母親も職場から在宅勤務と言われれば、家で一緒にいる時間が増えます。
このような状況にあって、娘の顔色を伺いつつストレスフルな日々を過ごしている母親もいると思います。
意外と思われるかもしれないのですが、母娘関係カウンセリングを行っている私のところには、娘と母親の間に上下関係があり、ときに娘の方が上というケースも少なくないのです。
母娘問題というと、母親が娘を支配する関係が一般的ですが、その反対もあります。私は、この関係が最近、増えてきたというよりは、以前からも存在していたのではと思っています。
それがなかなか表に出なかったのは、娘に支配されているとはなかなか言えない状況があるのではないでしょうか。「子供の言いなりになっている」と言えば、「甘やかしている」とか、「過保護」などと非難されやすく、またこの状況を心のどこかで恥と思っているからです。
しかし、現実には娘が母親を支配している関係は存在します。
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なぜ娘の不機嫌さが気になるのか
娘が母親を支配するのは、どのような状況なのでしょうか。たとえば、職場で上司が不機嫌なとき。「私、何かやらかしたかな」と気になりませんか。それは相手が上司だからです。同僚や部下だったら、「何かあったのだな。ほっておこう」で済みます。
けれども、上司の場合はそういうわけにもいかないのです。なぜなら、上司との間には上下関係が存在します。こちらが下のポジションにいるならば、当然気を遣うでしょう。
これと同じことが母娘にも言えるのです。暗黙の了解で娘の方が母親より上の場合、母親が娘に気を遣います。
朝、娘が起きてきたときになぜかムスッとしている。それだけで、「どうしよう、今朝も機嫌が悪い。どのように接したらいいのだろう…」と気が重くなります。
外出時、急に雨が降り出してきた。「家にいる娘に、洗濯物を取り込んでもらおう」とラインしようとしますが、「面倒くさい」とか「なんで行く前に取り込んで行かないんだよ」という返信がくるかもと思う。文句をさんざん言われるかも。そして、結局、ラインせずに急いで帰宅。もちろん、雨が降っていようが、洗濯ものはベランダに干されたまま。それでも、娘に責められるのが嫌だから、何も言わず濡れてしまった洗濯物を取り込む。
つまり、母親から面倒なお願いやまして非難することなどできないのです。
一体なぜ、このような関係が出来上がってしまったのでしょうか。
幼い頃から娘をまるでお姫様のように育ててしまった、甘やかしすぎで、娘が家族の中で自分が一番偉いという勘違いしていることによるものもあります。
または、娘が強情な性格で子供の頃から自分で言い出したことは絶対それを通そうとする。らちがあかないので、つい娘の言うことを聞いて好きなようにやらせているうちに、母親が言いなりになってしまった。
あるいは、何かしらの事情で母親が娘に申し訳なく思う状況を作ってしまった。そのような場合、母親が娘に謝罪の気持ちから、要求になるべく応えるようにして上下関係が定着したケースもあります。たとえば、まだ娘が小さかった頃に離婚し、経済的に困窮した。その後、再婚したが娘と夫の関係がぎくしゃくしている。娘には経済的、精神的な負担をかけてしまったと思い、母親が罪悪感から娘の言いことを聞くようになってしまったなどのケースがあります。
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ご機嫌伺いをする母親を娘はどう見ているのだろうか
娘は母親が自分の顔色を伺っていることをわかっているのでしょうか。当然、娘はわかっています。上下関係に敏感でもあり、洞察力が優れている娘は自身の気分によって母親がどのような表情、態度になるのかをよく見ています。そして、少しでも気に入らない対応を母親がすると、そこに反応します。
母親に対し「私は不機嫌よ」を全面的に出してくるのです。娘の機嫌が悪くなればなるほど、母親はどうしていいのかわからずオロオロします。どうでもいいことを娘に話しかけたり、ご機嫌を取るために何か提供しようと試みます。
毎回、この繰り返しなので、娘は母親が自分の支配下にあると確信します。
「恥ずかしいけれど、娘には毅然とした態度が取れません」「いつも娘の機嫌次第で、私が動いてしまうのが習慣になっています」このように話す母親クライアントさんは決して少なくないのです。
繰り返しますが、このような母娘の関係の場合、娘は母親を下に見ています。この状況で何が問題かというと、それをわかっていながら関係性を受け容れてしまっている母親なのです。
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母親を支配するのはどのようなタイプの娘なのか
10年以上に渡り、私は母娘問題に特化したカウンセリングを行っていますが、ここ数年、増えていると感じているのが、娘から支配されている母親クライアント様からのご相談です。そして、お話に登場する娘のタイプには共通するものがあり、大きく次の3つが挙げられます。
一つ目は、外見や他人の評価を非常に気にします。「他人はあなたのことをそんなに気にしていないから」と言ったところで、「人から自分はどのように見られているのだろう」という気持ちがつねにあります。
二つ目は、家庭の外では愛想がよく、相手に対してへりくだることもあります。他人にはとても気を遣うのです。
三つ目は、母親に対して態度を豹変させます。威圧的になるかと思えば、急に優しくなったり甘えてきたりするのです。
もちろん個々人によって違いはありますが、3点に共通しているのは、自分に自信がないことです。自己肯定感が低く、コンプレックスを抱えています。
外ではとても気を遣い、下出に出ることも多々あり、帰宅すると疲労でいっぱいになっています。そこで外でのストレスを持ち帰り、家で発散させようとするため、下の立場とみなしている母親によけい強くあたるのです。
相談者の娘の多くは、世間に見せる顔と家庭内での態度が異なります。大きなギャップがあり、外と内側がアンバランスなのです。
これは本人としてはかなりプレッシャーがかかっているはずです。なぜなら外では過剰なぐらいに下出に出るという演技をしながら、家庭では正反対の支配者としてふるまうわけで、まるで2人の人間が、いやもっと多くのキャラクターが娘の中に存在しているのです。
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支配は依存の裏返しに気づく
結局、娘の下に位置付けられた母親は、支配を受け容れてしまうことでいびつな関係を持続させてしまうのです。
それではなぜ、前述したタイプの娘は母親を支配しようとするのでしょうか。この関係を支配と見ればそうなりますが、数多くのケースを伺ってみると、支配の奥に見え隠れする娘の心理は依存にあります。
自己肯定感がとても低い娘は、母親に異常なほど執着し依存します。なぜなら、母親しか自分を理解してくれる人がいないと思い込んでいるからです。
そこで、娘から母親への要求は、「私の今の気分の状態に合わせて対応してね」ということなのです。
それがわからずに母親がオドオドしてしまうと、娘の方はイライラを募らせ、怒りがエスカレートし、辛辣な言葉を繰り出し支配を強めます。
このブログを読んで、自分と娘との関係にあてはまると感じた方は、現在、ご自分のポジションが支配下にあると認識して下さい。
今の関係を恥と思わないで下さい。なぜなら、同じようなケースは沢山あります。大事なのは、この状況をあるタイミングで変える必要性があると自覚して頂きたいのです。
この状況を変えるきっかけは? まずは、ご自分が娘に対してどのような気持ち、感情を持っているか、素直に認めましょう。自分の娘でありながら、怖いと感じていませんか。娘が自室から階段を下りてこちらに来る足音がしただけ、緊張が走りませんか。
それは、精神的に支配されている可能性が非常に高いです。ならば、ぜひ一度、私のカウンセリングを受けて支配関係を変えるきっかけにしませんか。
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