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自己肯定感の低い娘、私の育て方がいけなかった?

自己肯定感の低い娘、私の育て方がいけなかった?

 

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

 

  • 「私なんてどうせできっこない」が口癖の娘

 

「娘は小さな頃から『ダメ、できない』『いやだ、やらない。だってできないんだもん』と言うことが多かったです」と話すクライアントの仁美さん(仮名53歳・正社員)。家族は会社員の夫と一人娘(26歳・派遣社員)、姑の4人です。

 

私のカウンセリングルームに娘さんの相談で来られたときの仁美さんは、疲労のせいなのかため息が多いように感じられました。

 

「実は、最近、睡眠が取れていないのです。娘のせいで」

 

お話を伺うと娘さんの様子が見えてきました。

 

一人娘で大学を卒業し企業に勤めたものの、人間関係がうまくいかず2年目に退職。その後約1年、バイトをしたりしなかったりの生活が続きました。母親に促され派遣社員として働くことになりましたが、その職場でも怖い先輩がいて仕事を辞めたいと言い始めたそうです。

 

「帰宅して家族と夕食を取るときも黙りこくっているのですが、その後、私のところに来て今日あった職場での話をするのです。気がつくと夜中の1時頃まで付き合わされています。私はフルタイムのため朝も早く、睡眠時間が削られて正直きついです」

 

仁美さんは結婚、出産後もずっと働き続けてきました。そこで、娘の職場での人間関係を聞いていると、「どうしてこのような事ぐらいで、『あの先輩が怖い』とか、『仕事できない奴と思われている』とか言うのだろう。ほんの少し働いただけなのに、もっと仕事を頑張ろうって気にならないのかしら」と思うそうです。

 

そして、娘は自分に対して自信がないと思い込んでいると言います。娘が、「仕事のミスをした」、「上司から注意された」という話を延々と続けるので、「まだ慣れていないから失敗はあるわよ」「注意されたのは、一方で期待されているということじゃないの?」と言うと、「私、要領が悪いから」「仕事が難しくて内容を覚えられないの。どうせ、私、記憶力悪いから」などと、自分のマイナス材料を並べる一方で、それが言い訳にも聞こえると仁美さんは言います。

 

  • 母親の育てた方のせいで、娘が自分に自信がない?

 

娘は自己肯定感が低い。それを自分の育て方に原因があると思う母親がいます。仁美さんもその一人です。

 

「どうして娘は自分に自信がないのか、母娘に関する本を読んだりしているうちに、私の接し方が悪かったのではと思うようになりました」と話します。

 

娘が小さかった頃、義両親が同居、近所に仁美さんの実家もあり、孫娘を可愛がりました。同居の祖父母も近所に暮らす実母も孫娘を甘やかす傾向があり、「●ちゃん(娘の名前)には無理よ。まだ小さいから」「おばあちゃんが代わりにやってあげるよ。怪我したらいけないから」と、手を出していたそうです。

 

また、仁美さんも実母も姑もどちらかという心配性な方で、ついつい、娘が危険な目に合わないように「あれも危ない、これもしない方がいい」と娘の行動を制限することが多かったのです。

 

やがて娘は、新しいことにチャレンジする意欲が低く、何か勧められても、「私には無理」「私なんかどうせできっこない」と否定するようになりました。

 

「あなたにはまだ無理、危ないからやめておきなさい」という言葉を周囲がかけ続けてきたせいで、娘は、「社会には危険が多く、自分で乗り越えるにはあまりにもハードルが高い」と思い込んでいるふしがあります。

 

  • 変わるのが怖い娘

 

仁美さんはセッションで今までを振り返り、過去を悔やんでいます。「もっと私が、娘に色々なことを挑戦させてやればよかった」「あれもできない、これもあなたには無理なんて言わなければよかった」と言いますが、過去をやり直すことは不可能です。

 

ならば、そうした娘さんに対し、仁美さんは今後、どのように接したらよいのでしょうか。

 

「今まで、『あなたには無理』とか『だめよ、あなたにはできない』と言っていた母親の私が、急に娘に向かって、「大丈夫、あなたはできるから」と言い出したところで、かえって反発されるかもしれません。「今までさんざん、『無理、できない』」と言っていたくせに、と言い返すでしょう」と仁美さんはうなだれます。

 

たしかに、娘さんは親や祖父母から「あなたには無理」という言葉をそのまま受け取って、自己イメージを作り上げてしまっているかもしれません。

 

突然、母親が言葉がけを変えて、「大丈夫、あなたはきっとうまくできる」と言い始めたとしたら、娘さんは混乱するかもしれませんね。理由は、自己イメージを崩されることになるからです。

 

人は、自分の自己イメージを崩されそうになると、大きな不安を感じます。それは「今の自分ではいけないの?」と促されているように思うからです。

 

自分に自信がないとわかっていて、そんな自分を変えたいと思う一方で、ムリムリ、今のままでいいと思いたい気持ちもあります。

 

なぜなら、変わるのがこわいからです。

 

  • 娘が変わる前に母親ができることは?

 

このままでいいと状況にしがみついている娘に対し、どんなに「あなたは変われる」とか「もっと自信を持って」と母親が言ったところで、娘には受け容れがたいかもしれません。

 

それならば、そんな娘を前にして母親には何ができるでしょうか。

 

自分に自信がない場合、日々の中でつまずいてしまいがちなのは、どうしても人間関係が多いでしょう。

 

母親であるあなたを頼り、どうしたらいい? と聞いてくることが多いのではないでしょうか。

 

仁美さんの娘さんも職場での人間関係でこう言われた、ああ言われたという話をして、自分がどのように対応すればよかったのか、接すればよかったのかということを一つ一つ聞いてくるそうです。

 

人との関係に自信がないため、自分の対応に相手がどう思ったかがとても気になるのです。

 

そのような場合は、たとえ答えを聞かれたとしても、「あなたはどのように接したかったの? 自分でそう思ったのならその接し方でいいんじゃないの?」と肯定してあげるのも一つの方法です。

 

自分のやり方でいいのだと、納得できるようになると、それが自信につながります。ただ、そこに、母親の答えが正解だと印象づけないことがとても大事です。

 

「あなたが思うのならば、それがあなたにとっての正解」と感じてもらえるようになるまで、繰り返し言い続けてください。

 

もう一つのポイントは、娘に「自分が主役」になった状況で考えさせることです。「あなたはどう感じている?」「あなたはどうしたい?」「あなたはその時、なんと言いたかったの?」

 

自分主体で考え、答えを出し、実際にその接し方で行動する。これができるようになると、自然と自信がついてきます。

 

仁美さんは、まずは娘さんから話しかけられたときに、自分の答えを言うことをなるべく控えるようにしました。たとえ、「お母さんはどう思う?」と言われても「これはあなたの問題だよ」と言うようにしました。

 

セッションで、私から仁美さんにお伝えしたアドバイスの中で、もう一つ、加えさせて頂いたものがあります。それは「お母さんは明日も早いから、夜話す時間を短くしてもらっていいかな?」と娘さんに言うべきだとお伝えしたのです。

 

これは、娘さんが仁美さんに依存していることに気づいて頂くためのものです。娘さんはあれもこれも仁美さんに聞いてほしい、そして答えを聞きたいと思っています。けれども、仁美さんには仕事があり、朝が早い。したがって夜は早く眠りたい思いがあります。母親の状況を理解し、自分はこれだけ話したからもう代大丈夫、という習慣を娘さんにつけて頂くことで、自信につながります。

 

母親である自分が娘を変えなければ、という思いを強くもつ必要はないのです。ただ、今までの日常で、少し変えらそうなところ、何気ない言葉がけや態度を心掛けるだけでも効果は表れます。

 

大事なのは、母親が自分の育て方が悪かったと、自身を責めないこと。

 

もし、仁美さんと同じような状況にあると感じていらっしゃるのであれば、私のセッションもご検討ください。

 

現在の母娘の関係性をお伺いして、状況を変えるために何ができるのかを、セッションを通して考えてみませんか。

 

お問い合わせは私のホームページからどうそ。

 

このような内容で相談できるのか、セッションはどのように進められるのかということを直接質問されたい方は、お電話での問い合わせも可能です。

 

連絡先はこちらです

☎ 090-5206-8576

(平日、土日、祭日全て9時~21時まで。セッション中は出られないことがあります。ご了承下さいませ)

 

悩んでいるのであれば、まずはあなたから行動を始めましょう。

 

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