お風呂に入らないセルフネグレクトの娘
若い女性は、バスタイムが長くて、他の家族からクレームが入るほど。そういったエピソードを聞くことがあります。それだけ、女子にとってバスタイムは重要なもの。
しかし、お風呂に一週間、それ以上、たとえば1カ月も入らないという女子もいます。私のカウンセリングルームでのご相談で、同じようなケースがあります。
今回は、このテーマを取り上げてみます。
目次
・お風呂に入らない期間が長期化
以前は、毎日入っていたお風呂だが、2日おき、3日おきとなり、気付いたら娘は1週間以上も入っていなかった。
娘がお風呂に入らない。
最初の頃は、体調がすぐれず、お風呂に入るのがおっくうなのかと思っていた。何度も、「お風呂に入りなさい」と声をかけるのに、「わかった」「今入るよ」と言っていたのが、だんだん「うるさいな」「ほっといてよ」と言葉がとげとげしくなってきた。
親の方も、何度も言うのが面倒になり、「朝方にでも入ればいいわ」とほっておくようになった。すると、朝も入った形跡がない。そのまま、学校に行くのだが、髪も洗わず、汗臭い。
「あんな様子じゃ、友達に嫌われるのでは」と心配していると、案の定、学校に行き渋るようになる。元々、朝起きるのが苦手だったのが、さらにルーズになっていく。
頭痛がする、お腹が痛い、学校に行く気にならないと言い出す娘と、毎朝、バトル。出席日数も何とかギリギリ、クリアで、高校を卒業するも、入学した専門学校には、最初から行かず。
「こんな所、行きたくなかった」と言い出し、そこから家にいることが多くなった。
・友人ともつながらず
相変わらず、お風呂には入らない。高校時代の友人とも、ほとんどつながりを持たず、まして一緒に外出することもない。
専門学校にも行かず、バイトもしないので、お風呂に入らなくてもなんとか過ごせてしまう。美容院にも行かないので、髪は伸び放題。しかも、洗わないのでよじれている。生活スタイルは昼夜逆転。夜中にスマホを見て、明け方から眠りにつき、翌日の昼過ぎまで起きてこない。
・家族との会話も拒否
当然、娘の生活態度に、父親が怒る。母親も何度も注意するが、娘は家族との会話も拒むようになる。家族も日中は、仕事で外出しているので、娘はその間に家の中を自由に動き回っている。
食事は好きな物だけ食べ、スナック菓子の袋や空のペットボトルを片付けることもしない。部屋はゴミが散乱し、リビングのテーブルにもコップや皿が置きっぱなしになっている。
こうなってくると、娘の生活空間は家の中だけとなり、人と接する機会も極端に失われてしまう。
唯一、接点は母親だけになり、「こうなってしまったのは、お前のせいだ」と娘は責めるようになる。一方で、友人もなく、話し相手がいないため、それはそれで寂しいと思うこともあるようだ。
推しのアイドルや気になったネットニュースなど、自分がしゃべりたいと思ったときは、近寄ってくる。機嫌のいい時は、母親に話を聞いてもらいたいのか、よくしゃべる。しかし、気分が落ちている時は、現在の境遇が自分でも受け入れられないらしく、八つ当たりしてくる。
・夫からも責められる
母親を責めるのは、娘だけではない。夫からも責められる。「お前の教育がなっていないから、娘はあんなにだらしない人間になったんだ」。「甘やかしてばかりいるから、こんなにことに」。
連日のように、娘、夫、さらには実の親や姑、舅からも非難され、心休まる時がない母親自身、心身ともに疲弊してくる。
カウンセリングを受けられたクライアントさん達の多くが、自分を責めている。
「私がもっと、厳しく娘に接していれば、こんな状況にはならなかったかも」。「子供の頃からちゃんとしつけていれば」。
私が複数のクライアントさんからお話を伺って思うのは、娘がお風呂に入らなくなった理由として、母親の育て方が原因とは決めつけられない、ということである。
だらしなく育てた、甘やかした、という理由だけではなく、娘の身体、精神的な影響によるものもあると考える。お風呂に入らなくなった理由というのが、必ずしもルーズな性格だから、とは言い切れないのである。
お風呂に入らないのではなく、入れないのだ。
・お風呂に入る=大仕事に感じてしまう
実際に、お風呂に入れないという人から話を伺ったことがある。共通しているのは、お風呂に入ることが、とてつもない大仕事に思える、ということだ。前の準備段階で時間がとてもかかる。通常、入浴というと、身体がほぐれる、爽快になるといったメリットが思い浮かぶ。
ところが、「お風呂に入る」と思っただけで、面倒とか、大変といった感覚を何十倍にも感じてしまう人がいるのだ。次の行動につながっていかないような感覚があり、とてももどかしいと打ち明けてくれたクライアントもいる。
こうした状況を家族、まして他人に理解してもらうのはなかなか難しい。もし、このような傾向が見受けられるのであれば、カウンセリングもだが、医療機関に繋げることも検討してみてはどうだろうか。
身体、精神面について何か理由がわかれば、対処法も探せる。時間の経過とともに、状況はどんどん変化する。早い段階で行動を起こすことの重要性を訴えたい。
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