シングルマザーの交際を反対する娘の理由とは

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

シングルマザーの母親が単身者の男性と出会い、交際に発展。子供達も独立し、これからは自分の幸せを考えてもいいのでは、という思いから娘に交際相手を紹介しようと思った母親。「きっと、娘も喜んでくれる」。そう思っていた。

しかし、娘の反応は違ったものだった。娘は結婚し、幸せな家庭を築いているというのに、なぜ、母親に交際相手がいることを喜んでくれないのか。

このようなご相談、実は多いのです。母親クライアントが疑問に思うのは「なぜ？　娘は母親の交際を嫌がるのか」ということです。

そこには、娘の複雑な思いがあります。娘の気持ちを理解するヒントとして、ご一読ください。

・結婚した娘に、交際相手を紹介しようとしたが

娘が結婚した。シングルマザーとして、幼い娘を育て上げるのは本当に大変だったけれど、ようやく肩の荷を下ろした気分になった。結婚式で幸せそうな娘の表情を見て、今までの苦労も吹き飛んだ。

そんなある時、友人を通して同年代の異性を紹介された。彼は結婚してまもなく奥さんを亡くされたそうで、その後はずっと独身だった。

「娘さんが結婚したのだから、あなたもこれからの人生を考えなきゃ。いい人がいるから、紹介してあげる」。

高校時代の友人から声がかかり、さほど期待もしていなかったが、せっかく紹介してくれるというのに断る理由もないと思い、指定の場所へ。話していても最初はピンとこなかったのだが、「次回も会ってくれますか」、という彼の丁寧な言葉に、気持ちが動いた。

それから、交際が始まった。

彼には子供はいなかった。もちろん、仕事もしていて、経済的にも問題はなさそうだった。

数か月たった頃、「よかったら、娘さんに紹介して欲しい。挨拶をしたいから」と彼の方が言ってきた。

「この人なら、娘もきっと喜んでくれる」。そう思い、娘に電話をし、「会って欲しい人がいる」と切り出した。

・予期せぬ、娘の反応

「本当？　お母さん、付き合っている人いるんだ！」そう言って喜んでくれるとばかり思っていたのだが、予想に反して娘の声は冷たかった。

「お母さん、交際しているってどういうことなの？　好きな人がいるっていうこと？」。

まるで尋問しているような口調で、娘が聞いてくる。

「好きな…というか、話しが合うといったらよいのか…」。つい、弁解モードになる。

「たんにお茶を飲むだけ、とかそういう関係なの？　それとも、一緒に旅行に行くとか」。

娘の声がだんだんきつい調子になっていくのがわかる。

「まあ、あの、そうよ。お茶を一緒にとかそれぐらい」。結局、あいまいにして話を終える。

なぜ、娘はあんなに苛立ったのだろうか。母親に交際相手がいるというのは、そんなに不愉快なことなのだろうか。

その後、数日たって、今度は娘の方から探りの電話がたびたび入るようになる。

「お母さん、例の人と出かけているの？」

「今度の週末、お母さんは家にいるの？　たまには実家に帰りたいのだけど」。

（それまでは、夫と一緒に過ごしたいから、週末実家に帰るのは無理、とさんざん言っていたのに）。

平日はフルタイムで仕事をしているため、週末しか自由な時間がない母親のスケジュールを娘はよく把握している。結婚した当初は、週末に実家に来ることはまずなかったのに、最近は何かと理由をつけては、夫婦で実家に来ようとするのが見え見えなのだ。

娘のこうした態度は、母親を見張っていたいのだろうか。

・娘に隠れて交際するように

それからも、娘から電話やラインが頻繁にきた。最初はたわいもない話から始まるが、必ず彼の話になる。「まだ会っているの？」、「旅行に行ったりしていないわよね」。詰問されているようで、わずらわしくなり、思わず「別れた」と言ってしまう。すると、娘はホッとしたように、「そうなの？　良かった。もしかしたらお母さん、騙されているんじゃないかと思って。ほら、今、詐欺事件いっぱい起きているでしょう」と言う。

彼は、親友の紹介だし、身元はちゃんとわかっている。現役なので経済的にも余裕があり、こちらは割り勘と言っても、食事代など必ず支払ってくれる。仕事の悩みや、人間関係のことなど、親身になって聞いてくれる。今までシングルで生きてきて、つねに子供のことを優先してきた。ようやく、精神的なサポートが得られ、「幸せってこんな感覚なのか」と思っていたのだが、娘の干渉には正直うんざりしている。

・なぜ、娘は母の交際に反対するのか

「なぜ、娘は母親の交際に反対するのだろうか」

多くの母親クライアントが首をかしげます。「後ろめたいことがある、相手に奥さんがいるとか、お金にルーズ、アルコール依存などリスクのある人ならともかく、ちゃんとした人です」

「それに、再婚するとはひと言も言っていない。可能性がなくもないけれど、今はまだおつきあいの段階だと言っているのに」。

どうして、娘は母親が交際するのが嫌なのでしょうか。私は母娘関係カウンセラーとして、母親とも、娘とも両方の立場からお話しを伺ってきましたが、娘の側からすると、母親を取られてしまうという気持ちがあるようです。また、もう一つは、離婚経験のある母親が、また男性に騙されてしまったら、という不信感があるようなのです。

もちろん、前者の「母親を取られてしまう」気持ちについては、娘本人は自覚していません。母親の幸せを願う気持ちはあるものの、関心を自分の方に向けていてもらいたい。交際相手に母親を取られてしまう気持ちが強いのです。それは、たとえ、30代、40代になっても、です。

一方、後者については、以前、母親が交際したことがあったが、別れることになり、精神的なダメージを受け、その面倒を見たのが娘だった。それを繰り返すことは二度としてほしくない、ということなのです。

こうした母と娘の行き違いから、お互い理解し合えない状況になってしまうのは何とももったいないことです。娘には、機会を見て関係性をきちんと説明した方が良いかもしれません。

たとえば、娘が頑なに反対するようだったら、実の両親（娘にとって祖父母）や兄弟姉妹（娘にとっておじやおば）に間に入ってもらうのも一考です。さらに、他の子供達（娘にとって

兄弟姉妹）の意見も聞いてみるべきでしょう。

・最優先すべきは自分の人生

早急に事を進めようとするのも考え物ですが、かといって、このままダラダラと付き合いを続けていくのは、相手がどう思うかという事にも関わってきます。

ただ、最後は、自分自身の人生を一番に考えるべきです。娘には娘の人生があり、家族がいます。

母親が一人だと、精神的に娘に頼ってしまう可能性もあります。最優先すべきは自分の人生だと認識することが今は一番大事なのではないでしょうか。

気持ちが揺れて、娘との関係がどうなるのか、不安が増すばかり。自分がどうしたいのか、わからなくなっている。

こうしたお気持ちになっている方は、私の母娘関係改善カウンセリングをご検討下さい。今までの数あるケースから、反対する娘さんの心理を解いていきます。娘さんが考えていることが理解できるようなると、今後の道筋が見えてきます。

迷うばかりでは一歩先に進めません。状況を打破するためにも、私のカウンセリングをご利用ください。

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