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「お母さんの敷いたレールを走らされた」と責める娘に
母娘関係改善カウンセラー横山真香です。
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娘のために良かれと思って
母娘関係カウンセリングで多いご相談の一つに、娘から、「母の敷いたレールを走らされた」と責められるというのがあります。
最近、カウンセリングに来られた玲子さん(仮名・60代)もそのケースです。関東地方在住で家族は夫、長男、長女、姑の5人です。
夫、子供達もみな一流企業に勤めており、夫婦の親族にもエリートが多いです。そのため、玲子さんには、一流でないといけないといった価値観が刷り込まれていたと言います。
そのため、子供達に対しては教育熱心な母親でした。幼い頃から稽古事や塾に通わせ、私立中学受験を経て、有名大学へ進みました。
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内緒で交際していた娘
大学卒業後は長男、長女とも大手企業に入社しました。長女が社会人4年目に入り、そろそろ結婚を考えさせた方がよいのでは考えた玲子さんは、結婚相談所の情報などを調べ始めました。そんな頃に突然、長女が会社を辞めたいと言い出したのです。
「ずっと交際している彼がいて、転職にともない九州に行くことになった。プロポーズされたので、一緒に行きたい」という娘の話に仰天した夫と玲子さん。彼が何をしている人なのかを聞くと、友人と一緒にイベント企画していると答えたそうです。
秘密で交際していたこと、結婚について事後報告のように話してきた娘に対し、夫も玲子さんも驚きが怒りとなって、大反対しました。
すると、今まで親の言うことを素直に聞いてきた娘が初めて、「私は今まで、ずっと親の敷くレールを走らされてきた。結婚まで、親に決められてしまうの?」と言ったのです。
「親の敷いたレール? それってどういう意味なの? あなたが自分で選んだ道ではなかったの?」
玲子さんは思わず叫んでいました。「あなたのためを思って、私は今まで一生懸命やってきたのに」
「お母さんは、私の気持ちなんて全く考えていなかったじゃないの。バレエだって水泳だって、行きたくなかった。学校だって、あんな窮屈なところ通いたくなかったのよ、本当は」と娘。
「どうして? 嫌なら嫌と言えばよかったじゃない。無理やり行かせようなんて思わなかったわよ」
「嫌なんて子供の私が言えたと思う? そんなことを言えば、何日も口をきいてくれない、目も合わせない、大きな音を立ててドアをバタンと閉める。言葉で『ダメ』と言わなくても威圧的な態度で、自分の思い通りにしていたじゃない」
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親の思う娘の幸せと、本人が願う幸せは同じ?
今まで親に一度も反抗しなかった娘の剣幕に圧倒され、玲子さんも夫も茫然としました。
「娘にレースを走らせたわけではない。私も夫も、幸せになって欲しいと願ったからこそ一生懸命、娘のためにやってきたことです」
娘の幸せを願ってやったこと。この言葉はカウンセリングでよく出る言葉です。では、娘さんにとっては、何が本当の幸せなのでしょうか。親が考える娘の幸せと、本人が思う幸せは一致しているのでしょうか?
そもそも、親が娘の幸せを実現することは可能なのでしょうか。
もう一つ、現実のギャップがあります。親というのは、うちの子はこのような性格と思い込んでいますが、本当にそうなのでしょうか。目の前にいる娘の本当の性格を理解できているでしょうか。玲子さんの思うように娘が動いていたとしたら、それはパフォーマンスでしかありません。
多くの母親は、自分と娘はうまくいっている、コミュニケーションもできていると思い込んでいます。まさか、自分の娘が、母親のことで悩み苦しみ、カウンセリングまで受けているとはこれっぽっちも思っていないのです。
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娘の反発は、むしろあっていい
今まで良かれと思ってやってきたことが、娘には負担だった。稽古事の送り迎えや塾のお弁当作りなど、玲子さんは時間を惜しみなく捧げてきたのに、娘は自分がまるで競争馬のように走らされたと責めてくるのです。
挙句の果てに、理想とは正反対のような男性と交際するなんて、娘に裏切られた思いでいっぱいの玲子さんですが、事実をなかなか受け入れられないようです。
でも、ここで少し立ち止まり考えて頂きたいのです。いつ頃からなのでしょうか? 娘が「自分は母親のレールを走らされている」と感じるようになったのは。
この時点で、娘は、母親との間に境界線を引くことができたのです。それまでは、母親の期待にどうやって応えようか、そればかりがマインドの大半を占めていました。けれどもようやく、自分の意思で何をどうしたいと考えることができるようになったのです。
あなたがもし、娘から「お母さんの敷いたレールを私は走らされた」と反発されたら?
なんとか、人生の軌道修正をしようとしている娘を全部までは無理としても、理解しようとしてみませんか。娘が、今の居場所は違うと感じているのなら、自分の世界を見つけるでしょう。
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娘に責められ自信を失い…
玲子さんは娘からの反発に、最初は、強い怒りを覚えました。今までやってきたことは全て娘のためだったのに、感謝すらなく攻撃されるとは。カウンセリングルームに最初来られた頃は、憤懣やる方ないといった様子でした。しかし、その後も娘からたびたび責められることが続き、だんだん自信がなくなってきたのです。
「今まで、娘にやってきたことは果たして良かったのか」
そこで玲子さんは、1DAY実践マインド・プログラムの受講を希望されました。気持ちがグラグラしてしまうのは、マインドの軸がぶれている状態です。1DAYプログラムのメインである性格傾向チェックリストを行って頂きましたが、その結果から価値観に執着する傾向があること、また支配欲求があるのがわかりました。
娘に対して価値観を押し付けていたことに少し気づいた玲子さんですが、それでもまだ、親としてやるべきことだという考えもあります。
それでもいいのです。長年にわたり作り上げた考え方をすぐに変えることは不可能です。けれども、価値観を見直すきっかけにはなり、これが心のプロセスなのです。
そういう意味では、玲子さんにとって娘の反発は必要だったのです。これからも、娘から責められることはあるかもしれません。けれども、それに対して、マインドの軸があれば、娘に対してぐらつかない姿勢で臨むことができるはずです。
それは、娘に謝ることかもしれませんし、あるいは、このまま突っぱねるかもしれません。それは玲子さんのマインドの着地したところ次第です。
このブログを読んで、ご自分も同じようなケースだと思われた方は、一度、母娘関係改善カウンセリング、または1DAY実践マインド・プログラムを受けてみませんか。
娘とのモヤモヤした状態をそのままにしておくと、関係性はさらに悪化します。カウンセリングの展開方法や、プログラムに関するご質問については、ホームページからのお問い合わせよりご連絡ください。または直接、お電話でもお答え致します。
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