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「なぜ離婚しなかった」と責める娘

「なぜ離婚しなかった」と責める娘

 

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。母娘関係改善カウンセリングのご案内はこちらから

 

  • 社会人の娘がいまだに責める「なぜ離婚しなかった?」

 

母親のクライアントYさんから次のようなご相談を受けました。「20代の娘で社会人です。昨年から一人暮らしを始めました。家を出て行ってくれて、正直ホッとしたところがあります」

 

というのは、娘との口論が絶えず、何かあると必ず「なんで離婚しなかったのよ」と責められていたからです。Yさんは夫婦仲が悪く、子供達が幼かった頃、よく喧嘩をしていたそうです。

 

口論が始まると、子供達は部屋に避難していましたが、長女が歳の離れた弟や妹の面倒を見てくれていました。Yさんは夫に対してつねに怒りがあり、長女には悪口を言い続けていました。やがて長女は小学校中学年あたりから、「お母さん、離婚して。お父さんなんていない方がいい」と言うようになったのです。

 

  • 母親からの悪口で長女は父親のことを憎悪

 

娘は夫に対して一切、口をきかず、話しかけられても完全に無視といった状態でした。

 

そんな長女に、夫も腹が立つのか、声をかけなくなりました。一方、何も知らない長男や次女はなついていたので、夫も可愛がっていました。

 

長女にしたら、自分と弟妹に対する父親の対応の違いも気に入らなかったのでしょう。たびたび母親に離婚を迫るようになりました。

 

Yさんは、パート収入だけでは子供3人を養うのは無理と思い、「あなた達にはどうしても大学まで進学して欲しい。それには、お父さんの経済的サポートが必要」と娘に話し、離婚はできないと言いました。

 

Yさんの親も、「離婚なんてとんでもない」と世間体を非常に気にしていました。「離婚なんかしたら、怒って私を縁切りしかねない親です。私だって、シングルマザーになる勇気はありませんでした」。

 

  • その後も「離婚して」と迫る長女に…

 

長女は高校生の頃からバイトをするようになりました。奨学金のことも調べて、「お母さん、あいつ(父親のこと)からお金をもらわなくても、奨学金で通えるよ。だから離婚してよ」と言うようになりました。

 

しかし、Yさんは、「離婚したら、あなた達の就職が不利になる。片親だと、希望の仕事につけないことがあるし、将来、結婚するときも、断られるかもしれない。だから、離婚はできないの。あなた達のためにお母さんが我慢すればいいのだから」と、今度は子供の就職、結婚を理由に、離婚はしないと娘に伝えたのです。

 

  • 長女が放ったひと言は

 

長女は大学に進学、その後、就活も頑張って希望の企業に入ることができました。一方、夫の事業が軌道に乗り、経済的余裕ができたせいか、夫婦喧嘩も減っていきました。

 

しかし、長女は家族と会話をすることもなく、社会人2年目で実家を出たのでした。さすがに家を出るときは挨拶ぐらいするだろうと思っていたYさんでしたが、娘からは痛烈な言葉を浴びせられました。

 

「私にあいつの悪口を散々言っておきながら、結局自分は離婚する気なんてなかったのでしょう。子供のためにとか言っていたけど、恩着せがましいこと言わないで」

 

  • このまま長女は離れていってしまうのか不安も

 

今のYさんは、長女がこのまま離れていってしまうのではないか不安に思っています。幸い、次女が長女とラインのやり取りをしており、時にはアパートに遊びに行くこともあります。

 

「お姉ちゃんがオムライス作ってくれた」と次女が嬉しそうに帰って来て話してくれることもあるそうです。

 

このまま連絡が取れなくなることはないでしょう。Yさんは、長女が自分に対しては怒り、夫に対しては憎しみをもっていることに、自責の念があると言います。

 

それを植え付けてしまったのは自分のせいだと言います。自分達夫婦の関係が良くなってきているのだから、長女にも歩み寄って欲しいと思っていますが、それは時間が必要かもしれません。長女には長年に渡る夫婦喧嘩の記憶が刻み込まれており、なかったことにはできないからです。

 

Yさんは、長女との間にある確執を早くなくしたいようですが、人の気持ちはすぐには変えられないものです。長女が、父親への憎しみの感情を減らすことはできるのか、またYさんへの複雑な感情を整理する必要があります。ここまでに、長い年数がかかっているわけですから、長女の気持ちの変化も時間を要すると考えるべきでしょう。

 

  • 責めてくる娘に、どのように対応したら?

 

実は、Yさんのようなケースはとても多いです。子供のためにと思い離婚せず我慢してきたのに、娘はそれを責めてきます。「子供のためになんて言わないでよ」という言葉には、深く傷つきます。

 

いったい、何のために自分は今まで頑張ってきたのだろうか。虚しさ、後悔、贖罪、そうした感情が入り混じり、娘に対しては申し訳ない思いと、一方で「あなたのために我慢したのに」という自己弁護の気持ちもあるでしょう。

 

けれども娘にしたら、「子供の頃の思い出といえば、親の怒鳴り合う声。怖くて、悲しくてつらかった」という思いがあります。親に甘えたかったにもかかわらず、それが出来なかったばかりか、憎しみの感情が育ってしまったのです。

 

その事実は、親として受け止めなければなりません。では、責めてくる娘に、どのような対応をすればよいのでしょうか。

 

まずは、娘に気持ちを吐き出してもらいましょう。途中で言い訳や、怒りが募って娘の話をさえぎりたくなるかもしれませんが、今は言わないでおくのです。

 

黙って受け止める。子供の頃を思い出すのがつらい。友達の親は仲がよくて羨ましかった。お父さんのことが憎くて仕方がない。これでもかといった言葉が娘からほとばしるように出てくるかもしれません。

 

最後まで聞いてみて下さい。本当に娘の気持ちを理解したいと思ったら、それはできるはずです。

 

娘が言い切って口を閉じたら、内側にどのような思いが湧いてきたのか、感じてみて欲しいのです。

 

大事なのは、娘に許してもらおうとか、当時の状況を理解してもらおうとか、相手に求めるのが目的ではないのです。娘の気持ちを心から理解しようと思うこと。それに対して自分が何を感じるのか。

 

たったそれだけです。

 

娘に責められると、こちらが逆ギレしてしまう。もっと、罪悪感に苛まれそうなど、オロオロしてしまいそうな人は、どこに心を落ち着かせたらよいのか、マインドを探ってみませんか。

 

私のカウンセリング・メニューにある実践マインド・プログラム1dayでは、どのようにしたら心を着地できるのか、マインドの有り方を知ることができます。

 

気持ちが定まっていないまま、娘と修復したいとか、関係改善を実現しようとするのは無理があります。なぜなら、そのままだと、結局、娘に責められるがまま謝るか逆ギレするかで、関係悪化の可能性もあるからです。

 

実践マインド・プログラムについては、こちらにご案内があります。

 

Yさんは1dayプログラムを受けて、次のように話して下さいました。

 

「今まで、娘や夫に対して、『どうしてわかってくれないの? 私だってこんなに頑張ってきたのに』といった相手への非難で埋め尽くされていることに気づきました」。

 

先日、次女のお誕生日で長女が実家に久しぶりに帰ってきたときのこと。思い切って長女に「今度、あなたの気持ちを聞かせて」と話しかけることができました。長女は、目を合わせることはしなかったけれど、小さくうなずいたそうです。

 

Yさんと長女の新しい関係が動き始めたようです。

 

 

 

 

 

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