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父は母と別れられたが、娘は離れられない?
母娘関係改善カウンセラー横山真香です。
・ささいなことで怒り出す母親
親が離婚したという娘クライアントさんのご相談、とても多いです。学生の頃に親が離婚し、経済的な不安を感じ、進学を断念した。専業主婦だった母親が働き始め、疲れて帰ってくるので、弟や妹の面倒を見るようになった。家事の負担もすごく増えた。
そうした話しの中で、とくに多いのは、「父親は母親と別れたおかげで、自由になった。母親は離婚によって精神的にも不安定になり、それが全部、娘である私に向けられた」というものです。
物心ついたときから、頭上では両親の怒鳴り散らす声が飛び交っていました。些細な事で怒り出す母親、父親も負けずとやり返す。相手をとことん責める傾向が強い母親は、あれもこれも様々な材料を持ち出して、父親を追い詰めます。
一方の父親は、言葉では勝てないとわかっているので、物を投げたり、最悪、暴力に。家の中は、壊れたものがそのまま放置され、散らかりっぱなしのこともよくありました。
・家を出た父親、残された娘
そんな日々が、あるとき、ピタリと止まったのです。なぜなら、父親が家を出て行ったから。
「これ以上、お母さんと一緒に暮らすのは無理だ」。そう言って父親は姿を消したのです。
残ったのは、母親と娘。いつも罵り合う声で騒がしかった家の中が、シンと静まりかえり、狭いと思っていた自宅が広く感じられました。でも、それは長くは続きませんでした。というのは、母親の怒りの矛先は、娘に向けられるようになったからです。
シングルマザーとなった母親は、仕事や人間関係に疲れ、うっぷんを娘にぶちまけます。家族は二人だけなので、感情をエスカレートさせる母親を抑える人はいません。
出て行った夫の愚痴、経済的な不安、職場で嫌がらせをされたことへの不満、知らんふりをして連絡も寄越さない実家の両親の悪口、全てがはけ口となって娘にいきます。
八つ当たりされる上に、娘には高いハードルを課します。成績はトップクラスであること。人様から後ろ指さされないように、髪形、服装など身なりをきちんとすること。娘が成長したとき、元夫には、見せつけてやりたい。「あなたがいなくてもこんなに素晴らしい娘に成長したのよ」と。
実家の親や親戚、友人達からも、「偉いね、一人で立派に娘を育てたのだから」という称賛が欲しい。そのためには、目に見える結果が欲しい。娘が部活で活躍すること、一流校への進学、大企業への入社。
一方の娘は、母親が喜んでくれるなら、機嫌がよくなるのであれば、自分のために懸命に働いてくれるのだから、といった思いで母親の要求に応えようとします。
・「私を一人にするの?」と動揺する母親
そんな娘も社会人となり、客観的に母親を見ることができるようになると、ある疑問が浮かんでくるようになるのです。
「どうしてここまで自分は母親に尽くさなければいけないのか」
ときに感情的になる。口を開けば、「世間にバカにされないように、仕事もしっかりやりなさい」とプレッシャーをかけてくる。
そんな母親と暮らしていて、娘が息苦しいと思い始めるのは当然かもしれません。
「大変な思いをして私をここまで育ててくれたことには、本当に感謝するけれど、大人になったこれからも、母との生活を思うと、気持ちが滅入ってくるのです」
ある時、母親に「そろそろ一人暮らしをしたいのだけど」と思い切って言ってみる。それを聞いた母親はひどく動揺します。
「職場に通える距離だし、家賃はどうなるの? お金がもったいないじゃない!」
母親にしたら、今は娘が入れてくれる生活費で、助かっている部分がかなりあります。娘が出て行ったら、家賃、光熱費、食費といった生活費全般を自分でまかなわなければなりません。
「どうして? 私を見捨てるの?」だんだん感情的になっていく母親を前にすると、強くは言えなくなってしまうのです。
・人生を生き直しているという父親
一人暮らしをしたいと思うのは、たまに会う父親も影響しているかもしれません。母と離婚してから、父親は穏やかになり、顔つきも優しくなりました。「悪いな、母さんを押し付けてしまって」とも言います。
父親は交際している女性がいるらしく、再婚も考えているようです。そんな父を見ていると、「なぜ、お父さんはお母さんと別れることができたのに、私は離れてはいけないの?」と強く感じてしまうのです。
「これからも私が母のお守役をしなければいけないの?」
今後、好きな人ができて結婚することになったら、どうしたらいいのだろう。母親も一緒に暮らす、という条件付きになるのか。母親はたまに、「あなたが結婚して子供を産んだら、私が子供の世話をしてあげるから」などと言います。つまり、一緒に暮らすつもりなのです。それだって、お願いしたわけではないのに。
結局、母親は、外で仕事をするよりも、家にいる方が好きなのです。職場で頭を下げたり、いろいろ気を遣うことが、とても負担のように見えます。
・全ては母親が決めたこと
このような状況に置かれた娘クライアントさんがご相談に来られたときは、罪悪感にとらわれていると言えます。
つまり、「自分は母親を切り離そうとしている残酷な人間なのではないか」。「ここまで育ててくれた恩を仇で返すことになるのでは。罰が当たるかも」といったように、自分を責めているのです。
ここで、あらためて状況を見つめ直して欲しいのです。娘自身の人生と母親の人生。一緒に生きられますか。
不可能です。
当然のことながら、娘には娘の人生があり、母には母の人生がある。それが現実です。
だとしたら、娘は自分の思うようにすればいい。そもそも、母親が離婚し、シングルマザーとして、娘を育てることは、母親が決心したことです。だからといって、成長した娘が母親と一緒に生きていかなければならないという理由はないのです。
父親が「母親とは暮らしていけない」と思ったことを、娘だって思っていいのです。
そうはいっても、母親に向かってこの話を切り出すのには相当な勇気がいるかもしれませんね。
まず、感情的になる母親に、どうやって気持ちを引きずられることなく、自分の意思を伝えるのか。問題はそこからです。
このブログを読んで、同じ状況と思われる人は、母親の感情が高ぶることに対してのご自身の免疫を作りませんか。私のカウンセリングでは、どうしたら、感情的になる相手の前でも冷静でいられるか。気持ちをグラグラさせずに、メッセージを最後まで伝えられるか、といったアドバイスをしております。
それは、頭で理解するのではなく、実践という形での具体的なアドバイスです。迷っている時間があったら、行動すること。そのためにも、最初の一歩として、カウンセリングをご検討下さい。
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