映画『コロンバス』で娘は夢と母、どちらを選んだ?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
- 夢を優先させるのか、母の世話を続けるのか、娘の選択は?
母娘問題のカウンセリングを長年にわたり行っています。今まで数多くのご相談を伺ってきましたが、つねづね感じているのは、母と娘の関係って、これだけ密でないといけないのだろうか、ということです。
どうして、自分の人生と娘の人生を、(あるいは母の人生)を別々に考えられないのだろうか。なぜ、母親(娘)は娘(母親)の人生を生きようとするのか。
先日、映画『コロンバス』を観てきました。
あらすじ:高校卒業後、地元の図書館で働く主人公は、建築の仕事に憧れている。しかし、
薬物中毒で施設に入ったこともある母親と二人暮らしのため、生活が厳しく大学に通える状態ではない。また母親は精神的にも危ういところがあり、生活の面倒は自分が見なければと思っている。
この映画では、街中のモダン建築が登場する。美しい建築物を眺めているうちに、私の脳裏には、ヒロインと同じような状況にあったクライアントさんが浮かびましだ。
20代のクライアントさんには大きな夢がありますが、実現するにはかなり遠くの地に移り住まなければならなかったのです。彼女は精神疾患を抱えるシングルマザーと同居しており、地方への移住に一緒に連れていくのは不可能でした。
当時、私は思ったものです。夫は妻と離婚できるけれど、娘は母親と別れられない場合が多いことを。経済的な問題も元夫はとっく責任放棄しているけれど、娘は母親をサポートする役割から逃れられないのか。
- 母親の存在が娘の夢を阻む
映画と実際のカウンセリングケースに共通するのは、娘の夢を阻むのが、母親の存在であるということです。
もちろん、夢か、母親か二者択一ではなく、他にも方法があるかもしれません。けれども、もし母親より夢を優先させた場合、娘の中には「罪悪感」が生じる事が多いのです。
母親の態度が娘の選択に大きく影響するのは言うまでもありません。たとえば、「あなたが夢を実現するのを応援するから、遠くに行ったっていいのよ」と娘の背中を押してくれる母親。
もう一方は、「あなたは自分の夢を追いたいがために、母親である私を捨てるということね。それって親不孝だと思わない?」
母親という立場は同じでも、娘に対する思いは真逆です。私のクライアントさんのご相談に登場する母親は圧倒的に後者のタイプになります。
娘が何か行動を起こそうとすると、必死になって止めようとします。それは、娘にしがみついているように私には見えるのです。
- 自分と母親の人生を切り離すのはいけないことなのか
娘は、母親にそこまでされると、なかなか振り払うことができません。なぜなら、母親が悲しむ理由は私にあると、自分を責めてしまうのです。
「母が悲しんでいるのに、私は自分の夢を最優先している。そんなにしてまで叶えたい夢だろうか。もし、夢を実現させたとしても、母は私を一生許さないかもしれない。そうなると、夢を手にしたとしても、母を失うことになるのか。それって、一生後悔することになるのでは」
こうした思いが沸き起こると、それまで「どうしたら夢を実現できるか」のマインドが切り替わり、夢をあきらめる理由を探すようになるのです。
「私にはできっこない、無理だ」
「お金と時間がかかり過ぎる」
「そんなことをして食べていかれるのか」
そして、夢の世界の扉は閉じられてしまうのです。
- 親孝行して後悔するなら、結果は同じ
この道をたどった娘の多くはその後、どうなるでしょうか。その後のカウンセリングでは、今度は母親のクライアントが登場します。
「あの時、お母さんが止めたから、私は自分の夢をあきらめた。お母さんのせいだ」
「なんで、私の夢をじゃましたの? 今ものすごく後悔している」
娘から連日のように責められる母親は、精神的にもまいっています。
「娘を止めなければよかった。応援してあげればよかった。毎日、責められて自己嫌悪の日々です。おかしくなりそう」
結果を見ると、同じことなのです。大反対されたとしても、娘は自分の決断したことをやり抜く覚悟なら、たとえ失敗したとしても納得がいきます。
けれども、行動を起こすことすらできなかった。阻害したのが母親ならば、責めるようになるでしょう。
「あの時、夢を実現していたら、今頃私はどうなっていただろうか。当時、親孝行をしなければいけないと思ったから、夢をあきらめた」なんて自分に言い聞かせようとしてもそれは無理なのです。
つまり、娘の夢を阻もうとして娘があきらめたとしてもその後、責められることになり、関係性が悪化するのは同じなのです。
- 夢を優先させたとしても親を棄てたことにはならない
「夢を実現させるのであっても、親を悲しませることになるのであれば、それは親不孝であって私にはできない」というのは、夢をあきらめる理由を探しているのです。「そんなのはできっこない」と自分に思い込ませようとしているのです。
それで納得いくのであれば、夢に対する気持ちはその程度のものなのです。けれども、それでも挑戦したい。熱い思いを抑えることができないのであれば、トライすべきです。
たとえ結果が期待した通りではなくても、そこまでのプロセスはかけがえのない宝物になるはずです。なぜなら、自分で実感、体感したものだからです。
親からの反対は、その時点では親不孝と感じるかもしれませんが、だからといって親を棄てるわけではないのです。
親が反対するのは、子供に失敗させたくない、自分が心配したくないという気持ちからきています。世間体もあるでしょう。
親の不安、心配に抵抗するのは、親不孝ではありません。
次の一歩が踏み出せないのであれば、頭で考えるばかりで立ち止まるのではなく、マインド(心の姿勢)を切り替える手段もあります。
私は、マインドとは心の姿勢と表しています。事実に対する捉え方、マインドを少しずらしてみるだけで感じ方が変わります。
どうしたら、マインドを切り替えられるのか。
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- 平日・土日・祝祭日 9時~21時までお受けしております。セッション中で出られない場合は、SMSでお送り頂くか、ホームページよりご連絡くださいませ。必ずご返信させて頂きます。
映画『コロンバス』の結末を書くわけにはいきませんが、登場したクライアントさんは、今、ある地で夢の実現に向かって邁進中。ときおり、季節のお便りを頂いております。