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夫の愚痴、娘に聞かせていますか? それ、止められますか?
母娘関係カウンセラーの横山真香です。
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夫の愚痴を娘に言い始めたのは、いつの頃からか覚えていますか
このタイトルを見て、「もしや…」と思った方はすでに娘さんに夫の愚痴を話し続けてこられたかもしれませんね。
それは娘さんが何歳の頃からだと思われますか。
覚えていない? 何となく、小学校に入った頃から? 思春期の頃には、連日、愚痴の垂れ流しだったかもしれない。
だとしたら、かなり前から言っていたことになりますね。
娘さんはまだ子供で、一体どのような態度で聞いてくれていたのでしょうか。何か言ってくれましたか。「ママ、可哀そう」とか「パパがママをいじめているね」とか。
- なぜ、娘だけに愚痴を聞かせていたのでしょうか
当時、まだ子供だった娘に、夫の愚痴を話してしまうのは、なぜだったのでしょうか。子供だから言ってもいい、と思っていたのでしょうか。パパの悪口を言うことで、子供を自分の味方につけたかったのでしょうか。
学生時代の友人や実母、姉妹などに話して、ストレス発散してもよかったのに、娘だけに話していた理由はわかりますか。
それは、娘ならあなたを否定せずに最後まで話を聞いてくれると思っていたたからではないでしょうか。
他人に話したら、「夫婦関係がうまくいっていないのね」と同情の目で見られるかもしれない。「そんな男を夫に選んじゃったの?」と軽蔑されるかもしれない。
また、実母に話そうものなら、「だから言ったじゃないの。あんな男と結婚したら一生幸せになんかなれないよって」と責められそうです。
娘以外の人に話すことは、自分の内側をさらすようで恥ずかしい、そんな抵抗があったのでしょう。
あるいは、娘に夫の愚痴を聞かせることで、あなた自身のストレス解消になっていたかもしれませんね。それなら、鬱積する不満のはけ口として、娘さんを利用していたということでしょうか。
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夫の愚痴を娘に話し続けることの悪影響は
母親が夫の愚痴を娘に言い続けることの弊害、どれだけ悪影響を及ぼすかは、さほど問題視されていないように思われます。けれども、母娘問題カウンセリングを長年にわたり行ってきた私は、影響が非常に大きい事を痛感しています。
夫の悪口を言うことで、娘を味方につけようとしているのならば、それは異なる結果を産む可能性があります。たとえ娘が最初のうちは味方になってくれたとしても、その後は、母親を見る目が大きく変わってしまうのです。
というのは、娘はまず母親から愚痴を聞かされると、批判も否定もせず話を鵜呑みにします。そこから、「ママが可哀そう」といった同情が生まれます。子供の心は純粋です。母親の言うことを100%信じます。
そして、母親が夫の愚痴を言い続けるほど、娘は父親のことが大嫌いになり、ときには憎むようになります。
若い人の感情は、ジェットコースターのようなものです。父親が母親を苦しめる存在と見なすと、子供の正義感に火がつき、自分が母親を守る守護神のように思い込むのです。
そこで、父親に対してこれでもかという反抗的な態度を取るようになります。母親が見かねて、「まあまあ。お父さんに対してそんな態度を取らなくても…」と注意しようものなら、娘の中では「なぜ?」と疑問が生じます。
「えっ? どうしてママ、そんな事を言うの? だってパパはママと私の敵だよ」
この時、夫婦仲が多少、改善しているのであれば、母親は娘に対して「父親をそんなに悪く思わなくても」ぐらいに、軽い気持ちで流すかもしれません。母親にしたら、「私がパパの悪口を言うときだけ、付き合ってくれればいいのよ」といった感覚なのです。けれども、夫婦仲が相当悪化していれば、娘を味方につけ同志のように振る舞って欲しいと願うはずです。
一方、娘は母親のテンションの上がり下がりに付き合わなければとは思っていません。父親は完全な悪者として娘の心に位置付けられてしまうのです。
問題なのは、こうした娘の心の動きには気づかず、ひたすら自分の不満を解消したいがために、夫の愚痴を垂れ流ししてしまう母親の言動なのです。
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愚痴を言う母親に対して娘の見方が変わる
もし、こうした弊害に気づいたのならば、すぐさま、夫の愚痴を娘に話すのは止めるべきです。
夫の愚痴を長い間に渡って言い続けてきたことで、娘は「お母さん、そんなにお父さんの事が嫌なら、離婚すれば?」と言うようになります。
それを言われたとき、離婚する気などさらさらない母親も沢山います。
「だって、お母さんが離婚したら、あなた達、大学に進学できなくなるもの」「片親になったら、あなたが就職するとき、困るでしょう」
「親がシングルマザーって言ったら、あなた自身、結婚できなくなるわよ」
なんだかんだと理由をつけ、たとえば「子供達のために離婚できない」と言い訳しますが、最終的に離婚する気などないのです。やがて娘が結婚し、「私、結婚して家庭を築くことができたら、もうお母さんは我慢しなくていいのよ。お父さんと離婚して」と言ったら、母親は何と答えるでしょうか。
「老後が心配だから。お父さんもね、歳を取って少し良くなってきたのよ」
これを聞いて娘はどのように感じるでしょうか。
「今まで、さんざん私に愚痴ってきたのは一体何だったの?」
こうなると、母親に対して「可哀そう」とか「我慢しているのね」といった同情の気持ちが消え失せ、やがて軽蔑に変わってきます。
「結局は、ただぶつぶつ言うだけで、何もしようとしなかったじゃないの」
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母親に対し恨みの感情を抱くことも
さらに、もう一つ、母親に対して見方が厳しくなる可能性があります。
「お父さんに対する歪んだ見方を私がするようになってしまったのは、お母さんのせいだ」と娘が思うようになるからです。
母親にとっては夫です。しかし、娘にとっては父親です。娘の中には、「自分の中には父親の血が流れている。母親は父親を憎んでいるから、その血が流れている私のことも、否定しているのではないか」と思ってしまうこともあります。
母親は自分の味方を作りたい、またはストレスのはけ口として娘に夫の愚痴を言い続けます。しかし、最終的には味方どころか、娘は母親を軽蔑、あるいは敵視する可能性だってあるのです。
「お父さんの事、私、本当は大好きだったのに、お母さんのせいで父娘の信頼関係が壊れてしまった」
まして、父親が亡くなってしまった、あるいはその後、離婚し父親との関係が疎遠になってしまった場合、娘が母親を恨むことだってあるのです。
このように考えると、いかに夫の愚痴を娘に言い続けることが何のメリットもない、いやデメリットばかりであることがはっきりするでしょう。
もし、夫に対して不信しかない。嫌だ、一緒にいて幸せでない。そう思うのならば、その気持ちは、信頼できる友人、兄弟姉妹など、娘以外の人に愚痴りましょう。それができないのであれば、第三者であるカウンセラーを利用しましょう。
カウンセラーは、クライアントに対して同情や軽蔑はしません。クライアントが抱えている問題をどのように乗り越えられるか、そのためにできること、すべきこと、それらについてカウンセリングを通して探し出し、提案します。
娘に言い続けた結果、生じるデメリットと、カウンセリングで方向性を見出すメリットとを比べてみて下さい。
カウンセリングについては、夫婦・結婚・離婚など専門に特化したカウンセラーがいますので、探してみて下さい。私の場合は、母娘問題に加え、娘と夫も含めた関係性に悩んでおられる場合のセッションを行っております。
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