母を嫌いなのに、離れない娘のわけは?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
娘との関係性に悩む母親クライアントから次のような質問をよくお受けします。
「娘は私のことが大嫌いで、毒母だとも言いますが、旅行には一緒に行きます。嫌なら実家を出ればいいと思うのですが、それはしません。なぜなのでしょう」
何かあるたびに娘から、「お母さんのせいで、人間関係うまくいかない」と深夜まで責められるより、別々に暮らした方がお互いいいのではと、母は思うのですが。
ご相談でとても多いこうしたケースについて、娘の心理を解き明かしてみたいと思います。
目次
・毒母だと責め続ける
娘の反抗期が終わらず、人生うまくいかないのは全て母親のせいにするようになったのはいつの頃だったろうか。
娘は口を開けば、「お母さんの育て方のせいで、私は人間関係がうまくいかない」、「お母さんがいつも指図するから、自分で何も決められない」と言います。「友達やカウンセラーにお母さんのことを話すと、みんな、毒母だって言うよ」。
「進学も就職も、お母さんが希望するところに決めた」、と娘は言いますが、母親の記憶では、成績や担任の先生とよく話し合って進学先を決めたはず。就活だって、なかなか決まらなかったので、会社経営の親戚に相談したのは母親だけれど、結局は、最後に面談した会社から内定の通知がきて、就職することができました。けれども、娘の中では、「お母さんが余計なことをして、就活のじゃまをした」ということになっているのです。
・母の料理に文句は言うが、完食
「こんなまずいご飯、食べられない。これで、食費払えと、よく言えるよね」。母親の作った料理をけなしてばかりの娘ですが、自分で作ることはしません。文句を言っているわりに、手料理は完食。たまに、惣菜を買って出すと、「手抜きしている」と言われます。さらに、お弁当はおかずの種類を増やして欲しいというリクエストまで。
・愚痴に長時間つき合わされる
「お母さんは楽でいいわよね」、「社会のことはよくわからないでしょう」が娘の口癖、上から目線で言ってきます。その割に何か困ったことがあると、相談してくるのですが、その時間が長いのです。
職場で同僚から言われたことをくよくよ気にして、延々と愚痴をこぼします。母親は、「では、こう言ってみたら? ああしてみたら」と提案するのですが、それについてはバカにしたような態度を取ります。
「だから、お母さんは世間知らずなのよ。そんなことをしたらどうなると思うのよ?」と攻撃が始まる。
どう言えばよいのか言葉に詰まり、母親が沈黙すると、今度は、「お母さんに言っても何にもならない」と突き放したように言います。
ならば、話しは終わりかと思うと、そうはならないのです。今度は後輩とのトラブルを話し始めます。「もうそろそろ寝たい」と思う母親のことなどそっちのけで、自分が満足するまでしゃべり続けます。
年齢が上がれば、自分の悩みは自己完結できるようになるかと思いきや、そんなことはなく、30代になってもそれは続きます。悩みを打ち明ける友達がいないかとも思うのですが、そういうわけでもなさそうです。
どうも、悩みの内容によって、友人に話せることと、母親にしか言えないことと、区別しているように見えます。たとえば、お肌の悩みなど、軽いものは友人に。人間関係など、深刻な内容は母親にしか話せないようです。
もっとも、30代になると、周囲の友人は結婚や子育てで忙しくなり、悩みを話せるような状況ではなくなります。そこで、年齢が上がると、よけい母親に相談することが多くなってくるのです。
・なぜか母親との旅行には来る
さんざん、母親には悪態をつくのに、なぜか、旅行には一緒についてくる娘。それも母親にとっては不思議にうつります。こんなに母親のことを嫌っているのだから、一緒に来るわけがないと思いつつも、一応、旅行に誘ってみると、不思議と娘は「行く」と言います。
しかし、旅先では口もきかず、スマホをいじくるばかり。いったい、何で来たのかよくわからず。ただ、料理はおいしいらしく、出されたものは次々とたいらげていきます。
旅のプランニングは、母親任せですが、行った先の観光地や食事、滞在先が気にいらないと文句を言います。それなら、自分で決めてよ、と思うのですが、娘の方から率先して言うことはありません。ただ、ついてくるだけなのです。
・なぜ、母から離れないのか
母親の方はとにかく不思議でしかたがありません。なぜ、娘は、嫌いな母親から離れないのか。人間関係や仕事の愚痴を延々と言ってくるのに、だからといって、母親とのコミュニケーションをよくしようとは思いません。
しかし、これには理由があるのです。まず、こうしたケースの場合、娘の性格として、母親以外の人には心を開いていない可能性があります。また親には自分の一番嫌な面を見せてもよいと思っており、八つ当たりしますし、不平不満も言いますが、友人などには絶対にそれは見せません。弱みも見せたくない、警戒心が強いことも挙げられます。
さらに、必要以上に他人にものすごく気を遣うのも共通しています。それは、よく見せたい、評価を気にしすぎるということですが、結局、他人と一緒にいると、疲れてしまうのです。
けれども、母親なら、気を遣う必要は全くありませんし、愚痴を言いたい時は時間制限なしで聞いてもらえます。たとえば、相手が友人や同僚なら、こんな愚痴を言って、相手がどう思うか、と警戒します。けれども、母親にはそんな心配をする必要はありません。ようは、好きなようにできるのです。
結局、母親のことは嫌いと公言しながら、矛盾した行動をとっているのは、母親しか、信頼できない、頼れないといった事情があるのです。
ただし、こうした状況が続くと、大きな弊害が出てくる可能性があります。それは、娘の母親依存が強くなることです。
言いたいことが言える、八つ当たりもできる。母親は自分の思い通りになる、という思い込みが、母娘関係の歪みに繋がります。
・娘の自立を促すために
それでは、どうしたら娘の母親依存を止めることができるでしょうか。それは娘の精神的(ケースによっては経済的も含め)自立を促すことです。とはいっても、ストレートにそんなことを言ったって、娘が受け容れられるような状態にはありません。母親の方から少しずつ、距離を取っていくのです。
愚痴を話してきそうになったら、具合が悪いから早く寝るとか、用事で外出するとか、娘の話を聞く機会を減らしてみましょう。
おそらく、「お母さんは私の話を聞こうとしない」と非難するでしょう。でも、それでよいのです。母親に聞いてもらえないのであれば、誰か他の人を探すようになるでしょう。それは、他の人を信頼しようと気になります。
旅行はもう誘うことはやめてみませんか。旅先で喧嘩になる。一緒に行って楽しくないのであれば、何のための旅行でしょうか。
食事についても文句ばかり言っているなら、「休日には自分で作って」と言ってもいいのではないでしょうか。食材を買いに行き、それを料理して、食卓に出すまでの時間、労力といったプロセスを知らないから、文句が言えるのです。
娘の経験を増やすことで、自信にもつながります。それが、精神的な自立につながっていくはずです。
今回もブログ記事をお読み頂き、ありがとうございました。
もし、このケースで思い当たることがありましたら、娘から依存されているのか、カウンセリングでそれを認識する機会を作ってみませんか。多くの方は、娘から依存されているとは思っていません。事実を認識することは、状況を変える最初の一歩になります。
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