娘からの言葉の暴力に追い詰められる母親
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
「娘から言葉の暴力を受けている母親なんているの?」。カウンセリングとは関係ないところでこうした質問をされることがあります。
母娘問題というと、娘を支配、または娘に依存する母親といった「毒母」のイメージが強いようです。しかしながら、その反対もあるのです。娘が母親を支配する、依存する。手段の一つが娘の言葉の暴力です。今回はこのテーマを取り上げてみました。
目次
・思春期の反抗期が続く
娘からの言葉の暴力が始まるのは、小学校高学年、または中学に入った時、思春期というのが多いようです。例外もありますが、母親クライアントさんに、「娘さんからの言葉の暴力が始まったのはいつ頃からですか?」と伺うと、この時期を挙げる人が多いのです。
また、次の点も共通しています。母親クライアントさんの多くが、
「よくいう反抗期かなと思っていました。だから、成長にしたがっておさまっていくのではと、軽く考えていたのです。けれども、大学生になった今も、(あるいは社会人)続いています」というのです。
・どのような言葉が繰り出されるのか
では、どのような言葉が、娘の口から母親に向かって繰り出されるのでしょうか。
「お前、早くしろよ!」
「こんな弁当、まずくて食えねーよ」
「そんなこと、聞いてんじゃねーよ。なんでわかんねえんだよ。このバカが」
間違いなく、娘から母親に浴びせられた言葉の数々です。(もちろん、一組の親子だけではなく、複数のケースです)
はじめの頃は、母親も子供に怒っていました。「親に向かってその口の利き方は何?」「お前、じゃなくてお母さん、と呼びなさい!」
それでも、暴言をやめる気配はなく、よけいエスカレートしてきます。たまに、物に当たったり、下の兄弟にも影響が及ぶので、母親の方が我慢して、言葉を呑みこむようになります。
・学校ではよい子
学校の二者面談などで、思い切って娘の暴言を話すと、教師からはびっくりされるそうです。
「えっ、そうなのですか? クラスでは大人しいぐらいだし、そんな言葉を発しているのが想像できません」。
家と外では別の表情を見せている娘。この点も、暴言を吐く娘のケースに見受けられる共通点です。
外では他人に気を遣いストレスを溜め込み、家に帰宅後、母親に暴言を吐くことで解消する。
暴言の理由が浮かび上がってきます。
母親としては、教師やママ友にも相談するのをためらうようになり、この問題は、表面化しづらい傾向があります。
・気づいたら娘がマウント
「たかだか、娘の言葉がきついぐらいで、人に相談するのもどうか」と思っている母親は多いです。
けれども、娘からの罵倒は、想像以上に人の心をむしばんでいきます。「だからお前は」、「うるせぇ!」。こうした言葉を日々、浴びせられていくうちに、人の心はどうなると思いますか。
まず、自信が確実に低下していきます。初め、娘に対する怒りが強かったのが、罵倒により、その言葉を受け入れるようになり、自分はどうしようもない人間なのだと思い込むようになります。
これは娘にマウントを取られている状態です。しかしながら、母親本人は、それにも気づかず、カウンセリングで指摘されることでようやく認識する人も多いです。
・言い返すことができない無力感
こうした状態が続いてしまうことで、自己評価が低下するとともに、娘に対して言い返すことができない無力感をもつようになります。
状況がさらに悪化すると、乱暴な言葉を吐く娘に怖れを感じるようになります。聞きたくない、言われたくないきつい言葉が続き、耳をふさぎたくても責められる。追いかけてくる。心が疲れ、カウンセリングに来られた時は、ご自身の疲弊した状態すら、把握できない人も多いです。
・見てみぬふりの夫
こうした母親のメンタルに追い打ちをかけるのが、見て見ぬふりをする夫の存在です。明らかに娘の暴言が聞こえているにも関わらず、無関心なのか、知らんふりを決め込んでいるのか、注意することはありません。妻から娘のことで相談があっても、「お前が甘やかすからだ」、「娘なんだから母親がきちんと教育すればいいだろう」と、自分は関係ないといわんばかり。
叱らない父親を見て、娘はさらに、いい気になります。介入してこない父親を軽蔑する一方、母親への態度を強めていきます。父親の無関心、我関せずの態度が、娘の母親支配を助長しているともいえるのです。
・今の関係がおかしいと認識すること
私のカウンセリングに来られた時は、娘から支配、依存されていると気づいている人はほとんどいません。娘からの暴言が常態化してしまっているため、大したことはないと、問題の大きさに気づいていないのです。
しかしながら、この関係性は大きな問題をはらんでいます。娘から完全に支配・依存されて状態が続いていることで、母親の方は自尊心が低下し、メンタル面でも不調を感じているのです。それでも、娘が母親を支配するなんて、あり得ないと思っています。
「うちは違う。娘はたまたま今、反抗期が続いているだけ。しばらくすれば、状況は良くなる。そのためには、私がもっと、娘の言うこと聞いてあげなければ。自分がいけないのだ、娘を怒らせてしまうから」といった思い込みにがんじがらめになっています。
このブログ記事を読んで頂いて、「なんとなく、うちのケースと似ているな」と思われたのであれば、もう一度、ご自分に問いかけてみてください。
・娘から言われると、苦しいのではありませんか。
・娘が帰宅する物音が聞こえると、ビクッとしませんか。
・娘が何か言うと、そのときしていたことをやめて、まず娘の言うことを聞こうとしませんか。
・食欲の低下や、睡眠不足といった状況が続いていませんか。
これらの質問に、全て「はい」と答えている人は、今一度、ご自分と娘さんの関係を見つめ直した方がよいでしょう。
そして、この関係性を変えるために、まず、ご自分に何ができるのか、ぜひ、考えてみてください。
私のカウンセリングでは、現在の状況を伺い、母娘の間に起きていることがなぜなのか、その原因、理由を見つけます。そして、今後、娘とどのように向き合っていったらよいのか、道筋を探します。そして、実際に向き合うには、どうしたらよいのか。何から変えていくべきか、を具体的に考えて頂きます。
もちろん、カウンセリングを検討される前に、直接、お電話で私に問い合わせ頂くことも可能です。
避けるべきは、「いつか、この状態は終わる」と都合よく考えないことです。娘からの支配・依存が続くと、母親の思考能力が低下します。そして、支配が当たり前になり、問題意識すら、なくなってしまうことが一番怖いのです。
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