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娘からの愚痴電話に毎晩付き合わされる、断るには?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
・一人暮らしを始めた娘から毎晩電話
今春、社会人になった、または転職や異動によって娘が一人暮らしを始めた家庭もあるでしょう。仕事もだけど、食事はきちんと取っているのか、朝、起きられているのか、掃除はできているのか。親としては心配してもしょうがないと思いながらも、案じることが多いでしょう。
中には、毎晩、電話をかけてくる娘もいます。内容はというと、職場での話を延々とするので、最初の頃は状況がよくわかり、安心していたのですが、そのうち、深夜まで同僚や上司の愚痴が続き、付き合うのがしんどくなっていることも。
同じような状況に思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。
こちらは、明日も家族や自分の仕事もあり、早く起きなければならず、そろそろ電話を切りたいと思うのだけれど、娘の話がなかなか終わらない。
様子を聞いていると、アドバイスしたくなることもあります。先輩Mさんの悪口が続くと、「あなたもつらいと思うけど、Mさんに悪気はなくて、新入社員に教えるのが厳しい人なのでは?」と言ってみる。
ところが、娘にしたらそれは余計なお世話であり、「お母さんは、正社員がどんなに大変かわからないでしょう。パートでしか働いたことがないのに!」ときつい言葉がかえってきます。
では、ただただひたすら、「うんうん」と聞くに徹すればいいのかと思いきや、「なんで何も言わないの?私の話、聞いている?」とこれまた責めの文句。
いったい、どのような対応を取ったらよいのかわからず、困り果てて私のカウンセリングを受けられる方も大勢おられます。
・なぜ、母親は娘の電話を断れないのか
「最近は、晩御飯を終えて後片付けをしている時、胸がどんより重くなっていることがあります。今晩も娘から電話がくるのだろうな。また遅くまで付き合わされる、と思うとため息が出るのです」と話すクライアントさんの声は、確かに疲れが感じられます。
「友人に話すと、『母親なのだから、もう切るわよってさっさと切ってしまえばいいじゃない』と言われるのですが、そういうわけにもいかず…」。と言う方は多いのです。
なぜ、母親は娘の電話を断れないのでしょうか。それは、娘のことが心配だからです。心配というのは、次の2点です。
一つは、娘が一人暮らしをうまくやっているのだろうかという心配です。生活全般から職場で仕事はできているのだろうか、人間関係はうまくやっているのか、といった娘サイドの問題です。
もう一つは、「電話に毎回付き合っていられない」と言ったら、娘が怒り、関係性がまずくなるのではという母親サイドの不安です。
娘から毎晩かかってくる電話をしんどいと思いながらも、断ることができない母親の悩みのベースにあるのは主にこの2つです。
なぜ、このような不安が生じるのでしょうか。
一つめは、娘のことを心配するあまり、信頼できていない部分が露呈してしまっている状況です。ちゃんと食事を取っているかしら? ゴミの分別できているかしら? 片付けは? 職場の人に失礼なことをしていないかしら? 次から次へと心配材料が出てきてしまい、娘からの電話を面倒と思いつつ、確認したい気持ちの方が強いのです。確かめて自分が安心したいのが正直なところです。
二つめは、「毎日電話はかけてこないで」と言ったら、娘に嫌われてしまうといった思いです。娘が「わかったわよ、私のことなんてどうでもいいのね」と怒ってしまい、電話をかけてこなくなるのではないか。もしかしたら、お盆やお正月も帰省しなくなるかも、話が大きくなってしまうのです。それは自分で作ってしまっていることなのですが。
・娘の期待に応えようとする前に
実はここに問題があります。というのは、母親であるあなたが娘を信頼していない部分があること、また、娘からどう思われるのかを気にしすぎていることがネックになっているのです。これを覆い隠そうとするため、娘に合わせよう、合わせようと毎晩の電話に付き合い、無理をしてしまうのです。
なぜ、娘のことがいつも心配なのでしょうか。「この子なら、大丈夫」と娘さんのことを信じてあげられませんか。
電話に出ないと言ってしまうことが、娘を突き放すように思えてしまうのならば、その気持ちを見直してみましょう。
娘が仕事で、またはプライベートで何かあって気持ちが落ち込んだとき。毎晩、母親と話すことで心を立て直すことができる、というのは、娘にとって本当に良いことでしょうか。
もちろん、たまになら、お互い声を聞きたいと思うのは自然でしょう。けれども、毎晩というのはどうなのでしょうか。娘に嫌なことがあったとき、相談できる人は母親以外にはいないのでしょうか。
娘の期待に合わせよう、しんどくても、毎晩遅くまで電話に付き合おうというあなたの我慢は、実は母親への娘の依存度を強めてしまっている可能性があります。
今のあなたに必要なのは、自身の気持ちの切り替えです。離れている娘さんのガードをするのには限界があること。愚痴の聞き役やアドバイスの役割を母親だけがしてしまうことが娘にとって決してよいことではないと認識することです。
・電話のルールを提案してみる
それでは次にするべきことは? 娘に思い切って言ってみましょう。「毎晩、電話で話すのは無理」だと。それについては、上記であげた「あなたの依存心を高めてしまうから」とか「お母さん、あなたを信頼していないみたいなのよ」と言う必要はありません。
たとえば、「最近、身体の調子が悪くて、医者から早く寝るように言われたの」とか、「昨晩、電話に出られなくてごめんね。とても疲れていて寝てしまい、音に気づかなかったの」でもいいのです。
そして、「毎晩、電話で話すことが無理になってきた」と続けてみましょう。娘が、「お母さんは、私が悩んでいるのに付き合ってくれない」とか、「見捨てるんだ」ときつい口調になったら、「電話のルールを決めない?」と提案してみましょう。
たとえば、平日、週末1回ずつとか、時間も1時間にするなど。ルールを決めると、娘の方でも、話す内容を短くしなければいけないと思い、要点をまとめて話すようになります。ダラダラ続く話より、ポイントを押さえて話してくれたら、こちらも聞きやすくなります。
何より大事なのは、これをきっかけにして、娘との関係を見直してみましょう。それでも、娘のことをそもそも信じ切れていない自分がいる、または娘がこわくてなかなか言い出せないという方は、私の母娘関係改善カウンセリングを受けてみませんか。
娘を信頼できない気持ちの底にあるのは何なのか。娘を怖いと思ってしまう感情はなぜなのか。そうしたモヤモヤしている状態を明確にして、今後、娘とどのように接していったらいいのかを、カウンセリングを通して見出だすお手伝いを致します。
先延ばしにするのではなく、今、向き合う勇気を持って下さい。ズルズルとこのままの状態を続けることで、あなたが娘の言いなりになってしまうリスクがあることも忘れないでください。
母娘関係改善カウンセリングのご案内はこちらになります。
いつも娘のご機嫌を伺う、娘に振り回される、そんな自分が嫌だという方は、「振り回されないマインドを育む~実践マインド・プログラム」をご覧ください。