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友人のいない娘が母親にべったりの理由とは

友人のいない娘が母親にべったりの理由とは

 

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

 

  • 「娘に友人がほとんどいません」という母親が増えている

 

「娘には友人がいないみたいです」と話す母親クライアントさん、珍しくないです。「休みの日も部屋にいることが多くて。ラインや電話で話したりしている様子もありません」

 

もちろん、コロナ禍なので外出を控えている人が多いでしょう。その状況にあっても、ZOOMで宅飲みしながら繋がるとか、せめてお茶だけでも、という友人との関係が娘にはほとんどない、というのです。

 

娘の学生時代の友人がどうした、職場の同僚がこうしたといった話も娘から聞かされることはほぼなく、一体、娘の周囲にどれだけ、話しができる人がいるのか、心配する母親もいます。

 

  • 外出は母親とだけ

 

週末が近づくと落ち着かなくなると話す母親クライアントさんもいます。なぜなら、週末に娘と一緒に外出しなければいけないからです。

 

「お母さん、今度の週末はどこに行く?」。木曜日にラインが入り、買い物、映画と、娘の提案に合わせなければなりません。また洋服買うのに付き合わされるのか…。スタバの新商品が出た。娘はきっと行きたいと言うだろうな。

 

時々、娘に言ってみる。「たまにはお母さんではなく、友達と出かけたら? 服は今何が流行っているとか、お母さん、わからないし。最近、歳のせいか、スイーツもあんまり食べられなくなっちゃって…」。冗談まじりに言うものの、娘はまじめな顔をして、「お母さんは、私と出かけたくないの?」と返ってくる。そこにはあきらかに不満げな表情、そしていら立ちが伝わってくる。

 

「そんなことないわよ。じゃぁ、今度はどこにしようか」とあわてて話を合わせるものの、心の中では「あー、週末にはしなければいけない事が沢山あるし、ゆっくり身体も休めたい」と思っている。しかし、行く気満々の娘を前に、断れないのです。

 

  • 母親の友人とは仲良し

 

娘は、友人が少ないと言われるのをひどく嫌がります。学生時代の友人の話題が出そうになると、話をそらします。近所のスーパーで小学校のとき一緒だった◯○ちゃんのお母さんと偶然会ったといった話さえも、聞かずに部屋を出て行ってしまいます。

 

一方で、母親の友人とは、喜んで話をするのです。自宅の電話にかけてきた母親の友人は、娘のことを小さな頃から知っているので、「元気?」といった会話ができます。そこですぐに受話器を手放すのではなく、しばらく世間話をした後などに、ようやく母親に渡します。

 

また、母親の友人が家に来ると、娘も部屋から出て来てお茶を飲みながら、おしゃべりします。

 

「どうして私(母親)の友達とはおしゃべりできるのに、自分の友人を作ろうとしないのかしら?」

 

母親クライアントさんがよく私にたずねる質問です。「あれだけ普通に話ができるなら、おばさん達とのおしゃべりより、同年代の友人の方がよほど楽しいはずなのに」

 

  • 同年代には自己開示が苦手

 

理由はいくつか考えられますが、一つは、娘が同年代の人とのコミュニケーションに苦手意識があることです。

 

「相手がどう思うか。これを言ったら、おかしいと思われるかもしれない。何をしゃべったらいいだろう。着ている服がダサいと思われたらどうしよう」。

 

不安材料が次々と浮かび、会うのが苦痛になる。そうなると、行けない理由を探し始め、結局断ることになります。

 

話がそれますが、知人の中学教師がこんなことを言っていました。「お昼休みになると、その子は必ず職員室に来て、担任以外の先生でも親しくなって、いろいろおしゃべりするの。クラスではじかれているわけではないのだけれど、友達より大人と話す方がいいんだって言っていたわ」

 

この中学生のように、同世代より、異なる世代と接している方が楽というケースもあります。

 

ただ、クライアントの話に登場する娘の場合は、「母親の友人だから」といった条件がつくようです。母親の友人だから、相手は娘に気を遣って話してくれる。尊重してくれる。話しの内容に合わせてくれる。そんな気遣いが、娘にとっては安心感につながるようです。

 

一方、同年代には心を開くことができない。警戒心があって、よろいをまとってしまうのです。ガチガチな態度では相手も居心地が悪いし、本人はとても疲れてしまいます。一緒にいても楽しめないのです。

 

  • べったり母娘でも距離感は必要

 

娘は母親だけに執着します。母親以外で許せるのは母親の友人だけ。または、子供の頃から習っている稽古事の先生など。小さな頃から自分のことを理解してもらえているので、安心感があるのです。

 

娘本人のテリトリーがあって、そこから出ることを怖がります。当然、彼氏もなかなかできないのですが、本人はそれを苦にしていません。というか、異性を作ろうとも思わないのです。

 

娘のプライベートは、「別に母親がいるからいいの」となります。ショッピングや食事、旅行も母親と行けばいい。それが一番楽しい。「どうして友人と行かなければいけないの?」

こうした気持ちがあるのです。

 

娘の態度に、母親もつい、「仲良し親子だからいいわ」と妥協してしまう。娘に求められるままに外出をつきあう。旅行も一緒に行く。二人が納得してのことであれば、それでいいのです。

 

けれども内心、「娘からべったりされるのがしんどい」。そう思っているのならば、関係を見直す必要があります。

 

  • 「ママがもしもの時は、私も後を追うから」

 

私のカウセリングルームには、母ロスで来られる娘クライアントさんも大勢いらっしゃいます。中でも一番の苦しみは、母親亡き後の孤独です。悲しみ、苦しみを打ち明けられる人がいないのです。

 

「母親を恨みます。母には私がいたけれど、私には誰もいない」。それまで世界にたった一人、誰よりも信頼していた母親が、恨みの対象になってしまうのです。

 

「そんな先のことまで考える必要はない」と思うかもしれません。けれども、大事なのは娘さんの将来ではなく、今なのです。

 

問題は、「他人に警戒心をもってしまう」娘さんの考え方です。このテーマと向き合う必要がないと思い込んでいるのは、母親の存在があるからです。自分の「母親への依存」を見て見ぬふりをしていますが、それは母親の方も同じです。

 

そうはいっても、母親が急に娘に冷たくはできないでしょう。「一緒に出かけるのはやめようと思う」などとは、言えないと思います。それなら、まずは回数を減らすことから始めてみましょう。これは、娘に断るトレーニングと思って下さい。

 

「今度の週末は用事があるの」「ママ、疲れていて、休日は家でのんびりしたいわ」。

娘は「じゃ、私も家にいる」と最初は言うかもしれませんが、少しずつ距離を取るようにしてみてください。

 

はじめのうちは、心の中の罪悪感と戦うことになるでしょう。「娘が可哀そう、寂しそう」そんな言葉が繰り返し沸き起こってくるかもしれません。

 

けれども、本当に必要なのは、娘に新しい扉を開けさせることなのです。母親といるだけでは飽き足らない、他人に心を開いてみるとは、こんなに楽しくて素敵なことなのだ、といった思いを娘に実感して欲しいと思いませんか。

 

娘のために一歩を踏み出す勇気が持てないときは、私のカウンセリングをご利用下さい。

距離を取ることに、マインドの軸がぐらついてしまうようでしたら、カウンセリングとは別メニューの

「1DAY実践マインド・プログラム」をご検討下さい。

 

母親が一歩を踏み出せば、娘もその後に続いてくれるはずです。

 

 

 

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