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ルーズな娘に不満いっぱいの母親
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
この季節、4月から一人暮らしを始める人は多いですよね。実家から通えるけど、一人暮らしをしたい、という学生・社会人もいれば、入学した学校や就職先が遠方だったので、という娘もいます。
一方で、多少、通勤時間がかかっても、実家暮らしが楽と居座る娘もいます。今回は、そうした実家暮らしの娘との軋轢について、今までにいくつもご相談がありましたが、ブログ記事にまとめてみたいと思います。
(※具体的ケースではありません)
・社会人5年目、生活費を入れない娘
27歳の娘は、社会人になって5年目。1回、転職したものの、今の勤務先は気に入っているようで、続いている。なぜ、気に入っているかというと、定時で上がれるから、というのが一番の理由らしい。
仕事が終われば、推しのライブに行ったり、推し仲間と会ったりしている。ライブに行くためのファッションにも力を入れるので、給料の半分以上は推し活で消える。親にしてみれば、社会人になってもう5年も経っているのに、生活費を入れてくれないことに不満がある。
それを時々、言うのだが、「家では食事をしていないし、休日も外出しているから、食費や電気代はかかっていない」と言い返される。しかし、朝食はしっかり頂くし、家から毎日、お弁当を詰めて持っていく。
・朝、起きられず、駅まで送迎
娘は学生時代、寝坊の連続で遅刻が多く、学校から呼び出されることもあった。社会人になった今も、夜更かしがたたり朝起きられず、大慌てで駅まで車で送ってあげることがたびたびある。
車の中で、家から持参したパンを食べながら、化粧するのを見ていると、そのだらしなさが目につく。
昨日、車内清掃をしたばかりだったのに、助手席に落ちるパンくずを見て、さらにいら立ちがつのる。
「いい加減にしてよ、昨日、掃除したばかりなんだから」。こちらが声を荒げても、娘はスルー。スマホで推しの音楽を聴いているのか、全く気づいていない。もしかしたら、わざとゆっくり起きるのは、車で送ってもらうのが便利だから、と思っているのかもしれない。
「一体、いつまでこんな生活が続くのだろう」。ある時、娘の洗濯物をたたみながら、ふとそんなことを思ってしまった。たたんだ洗濯物を娘の部屋に持っていくと、昨日の洗濯物がしまわれず、そのままになっている。それを見た途端、急に抑えきれない怒りがわいた。
思わず、きれいにたたんだ洗濯物をすべて床にぶちまけた。
「早く出て行け!」そんな言葉が口をついて出た。
・疲れているからと、家事は一切しない
母親は、連日、パートの仕事を終えると買い物をし、大急ぎで帰宅。休む間もなく、家族の夕食作りを始める。たまに、定時で帰宅した娘がスマホをいじりながら居間のソファでくつろいでいる。
「ちょっと台所、手伝ってくれない?」、声をかけると、
「私、疲れているのよ」とぶっきらぼうに答える。
「お母さんだって、仕事して帰って来て、料理しているのよ」
「だって、お母さんはパートじゃない。働く時間だって短いじゃないの」と娘。
この娘は、人の気持ちや状況を想像することができないんだ。母親が疲れていても、台所に立って家族の料理を作っている姿を見て、何も感じないのだろうか。
最終的には、こう思う。「こんな娘に育てたのは、私のせいだ」と。そして深いため息。
・一人暮らしを提案したら、家賃補助を
週末はなぜか、朝、早く起きることができて、推し活に出かける。深夜に帰宅し、翌日は昼過ぎまで寝ている。自分の部屋も片付けができないまま、ましてやトイレやお風呂場など、家族が使う場所など、掃除する気はさらさらない。
ある時、あまりの娘のだらしなさに我慢できなくなり、「そろそろ、一人暮らしをしたら?」と言ってみた。娘は、のらりくらり受け答えしていたが、母親が本気で言っているのがわかると、「実家を出てあげてもいいけど、家賃補助してよ。お給料では、やっていけない」と言う。
収入に見合った家賃の部屋を探せばいくらだってある。そもそも、あれだけ贅沢な推し活ができるのは、自分の給料を好き勝手に使えるからだ。でも、娘の中では、推し活費用を削ってまで、一人暮らしをするつもりは全くない。
しばらく膠着状態が続いたが、とうとう見かねた夫が、娘に言った。
「家賃補助はできないけれど、週末には帰ってくるだろうから、その時、スーパーで必要な物は買ってあげるから」。
父親の言葉にようやく折れて、娘は家を出ることになった。
・引っ越し費用も親に請求
当然のことながら、引っ越し費用も全額、親に出させた。理由は、親の都合で、自分が家を出なければならないから。本来なら、ずっと家にいるはずだったのに、というのが娘の言い分。
家電や家具やら何かと費用がかさんだが、娘と離れたい、その一心で、パート収入から捻出した。
しかし、現実はそんなに甘くなかった。娘は本当に、都合がつけば、家に出入りし、冷蔵庫にあった惣菜などは勝手に持っていく。父親に車を出させて、近くのショッピングセンターに行き、日用品から化粧品、時には洋服まで、親のクレジットカードで買い物をする。
「洋服は自分で買いなさい」と言っても、知らぬ顔。「だって、一人暮らしって、お金がかかるんだもん」と当たり前のように、親の財布で買い物をする。
・なんのための一人暮らしなのか
結局、一人暮らしを始めたからといって、娘に対するストレスが軽減されたわけではなかった。いや、週末ごとに娘が帰って来ると思うときの別のストレスが生じたといってもいいかもしれない。
こうした状況の中で、このクライアントはカウンセリングを受けられたのだが、話していくうちに気づかれたのが、「なぜ、娘にそこまでわがままし放題、させてしまっているのか」という自分の方の問題だった。
娘の要求が実現するのは、こちらがそれを満たしているから。なぜ、嫌だ、と言えないのか。
どうして、「それはしないよ」と断れないのか。この話になった時に、出てきたのは、「嫌われたくないから」という言葉だった。
断ったときの、「じゃぁ、いいよ。もう頼まない」とすねたような顔をされるのが嫌だから。これは他の人にも言える。友人や、職場の人にも断ることができない。断ったら、その人が自分のことをどう思うのか、気になってしまうから。
「これからずっと、嫌な態度をされるのでは」、「ランチに誘われなくなるかも」。そんな思いが浮かび、どうしても断れない人間関係が、娘との間にも重なっているのに気づいたのだった。
「ルーズな娘に不満を持っている自分。でも、本当は、そんな娘に、毅然とした態度を取れない自分もある意味、ルーズなのかもしれない」と話すクライアントさん。
母娘関係は、ある意味、自分の「あえて見ようとしない、見たくない」問題に焦点が当たることがあります。
このクライアントさんは、それから、娘に対して「それはしない」という伝え方を、私の実践マインド・プログラムで学んで頂き、日々、実践中とのことです。
・母娘関係改善カウンセリングについて、母親クライアント様はこちらのホームページをご覧ください。
・娘クライアント様は、こちらのホームページもご覧ください。
・「なぜ、私は人から振り回されるか」、そんな思いを抱えている方に。「振り回されないマインド」思考を取り入れてみませんか。
「振り回されないマインドって?」「そんな考え方ができるようになるの?」
関心を持って頂けましたら、こちらの「実践マインド・プログラム」をご覧ください。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
真香