母娘の関係、信頼修復に必要なものとは?
母娘関係改善カウンセラー横山真香です。
5月は「母の日」があり、花屋のカーネーションが目につく。この日を迎えるにあたり、モヤっとした思いを抱く人もいるでしょう。
母親と娘の間にある信頼関係。母と娘ならばそれがあるのが当たり前と一般的には思われているかもしれませんが、実はこの問題に悩んでいる母、娘は非常に多いのです。
信頼が破綻した原因は?なぜ、このような状況になってしまったのか。今後、信頼を修復するにはどうしたらよいのか。
今回はこのテーマについて取り上げてみたいと思います。
目次
・母親を信頼できない娘
相手がどのような立場であっても、コミュニケーションのベースとなるのは信頼関係です。
コミュニケーションを取るときに、無意識に次のようなことをしている可能性はありませんか?
自分を下げて相手を上げる。
相手との関係をスムーズに進めたいのは誰もが思うことですが、手段としてつい、自分を下げて相手を上げる。それを、子供を使ってやってしまう場合があります。たとえば、ママ友との会話の中で、「○○ちゃんは本当にすごいわ。うちなんて、全然ダメよ」と話す。
子供の前でも、「全くあんたはいつまでたってもできないのだから。お兄ちゃんはすぐできたのに」とか、「他のお友達はみんな、そんなこと、簡単にやれるのよ」などと比べて子供を落とす。
こうした会話を、そばにいる子供は注意深く聞いています。子供だから何にも感じていないだろうと思っていたら、大間違いです。子供は親の言う事、とくに自分に関することについては、注意深く聞いています。親がたびたび、同じようなことを言っているのであれば、傷つき、「自分はそうなのだ」と思い込むようになります。
娘が成長すると、自己肯定感が低い可能性がある一方、親に対しても信頼感が持てません。なぜなら、自分のことを否定してきた親に対して、心の底には不信感があります。たとえ親が珍しく褒めたとしても、「本当はそうは思っていないくせに」、「肯定しているけれど、実は、拒否している」といった二重の受け止め方をする傾向があります。
・祖父母に吹き込まれた話を信じる娘
娘が母親を信頼できないもう一つの理由には、第三者の関与があります。よくあるのは、祖父母から聞かされた親の悪口を娘が信じ込んでしまう。つまり、祖父母にとっての娘、または嫁の悪口を孫娘に言い続けた結果、母と娘の間の信頼関係が揺らいでしまうことがあります。
嫁の立場を悪くさせるために舅、姑が孫に吹き込むのは聞いたことがあるかもしれませんが、実の娘のことを、その子供に悪く言うのも、意外とある話なのです。この場合は、もともと実母と娘の折り合いが悪く、娘とその子供の仲をじゃましてやろう、孫を味方につけようと考える祖母が画策するケースがあります。
・娘がうそをつく
一方、親が娘を信じられないケースでは、「嘘をつかれる」といった話がよく出ます。たとえば、「友達と勉強していた」と言ったとしても、本当は遊んでいた。「友人の○子と一緒に遊びに行く」と言って外出したが、実は彼氏と夜遅くまでいた、と親は思っており、娘の言うことが信じられません。
深夜になっても娘が帰らず、何度電話をしても出ない。ようやくLINEがきて、「今、駅から家に向かっているところ」だという。電話に出れば、背景の音やそばに彼氏がいるのを聞かれるかも、と警戒するから電話には出られないのだ、と親は確信します。
「娘がお金にルーズだから信用できない」という話もあります。大学のゼミ研修があり交通費が必要と言われても、「また嘘をついている」と疑う。娘が小学生の頃、親の財布からお金を抜き取ったことがあり、それから何を言われても一切、信じられないと話す親もいます。
・信頼関係が築けない理由は?
母親クライアント、娘クライアントともに、「なぜ、母と娘なのに信頼関係が破綻しているのか」と問いかける人は多いです。しかし、結局は、「母親が娘のことを悪く言うから」、または「娘が母を裏切るから」と相手を非難します。
こうした信頼関係が損なわれている場合に考えられる原因の一つは、人格攻撃です。
親が子供を叱る時、その原因となった言動に対してパーソナリティをジャッジしてしまうのです。
たとえば、子供が物を壊したとします。たまたま不注意で起きてしまったのか、あるいは、わざとそれをやって親を怒らせたのか。前後の事情にもよりますが、親は、「あんたはいつもそうやって物を壊す。注意が散漫だから。あわてるから。がさつだから」と一方的に性格の欠点を上げつらねてしまうのです。
叱る行為が結局は、子供を責め、人格をおとしめることになります。何が原因で、では次にどうしたら同じことを繰り返さないようになるのか。大切なのはこの点なのに、別の方向に向かってしまう、つまり、母と子の信頼関係が揺らいでしまうのです。
娘が親を信じていないケースでは、過去にあった一つ一つの事実(と娘は思っている)をつなげて親への見方を作り上げている可能性があります。
「小学低学年の頃、兄弟げんかでいつも私が悪者にされた」「中学生の時、不注意でお小遣いを落としてしまったのに、嘘だと決めつけられた」。こうした過去の事実の積み重ねによって、娘は、親が自分をどう見ているかを確信するようになります。つまり、それは、親が自分を信じていない、と思うようになり、そのことが今度は自分が親に対し不信感を持つようになるのです。
それでは、親と子の間の信頼関係が揺らいでいる場合、それを修復するすべはないのでしょうか。そんなことはありません。何度でも、いつからでも、修復は可能なのです。ただ、そのためにはお互いが「状況を変えなければ」、と認識する必要があります。
・二人だけより、家族やペットと一緒に
母と子なのに、だとか、家族なのだから、というしばりによってお互いの関係を義務的に修復しようと思う人も多います。それは自然なことです。生きていく上で自分を大切にしようと思うなら、一方で、不信感しかないという人が身近にいるというのは、どうでしょうか。メンタルに全く影響がないと言い切れるでしょうか。
つねに人は、変化しています。母親も娘も、これから変わる可能性が全くないわけではありません。
けれども、二人だけになって、「今後はお互いを信頼するように努力しない?」といきなり話し合うのも、無理があります。なぜなら、二人だけだとお互い、ちょっとしたことから口論になり、人格攻撃に発展しやすいからです。まずは、第三者を入れて美味しいスイーツを食べながらなにげない会話を楽しむ。第三者がいなければペットと一緒に。幸せと癒しをもたらしてくれるペットがいてくれるだけで、緩衝材になってくれます。
時間をかけ、少しずつこの関係を変えていく努力をしてみましょう。不信感が崩れるほど、自分自身の肩の力が抜けていくのが実感できるはずです。
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