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感謝しない娘、育て方を後悔する母

感謝しない娘、育て方を後悔する母

 

母娘関係改善カウンセラー横山真香です。

 

「ありがとう」のひと言がない人。付き合いたくないタイプの一つにありそうだけど、他人なら距離を取ればいい。

 

けれども、もしそれが娘だったら? 子供の頃から、「こういう時は『ありがとう』と言うのよ」と聞かせてきたはずなのに。

 

何かしてあげても、感謝の気持ちがないばかりか、「余計なことをした」と言わんばかりの態度を示す。それをされると、母親としては本当に情けなくなる。

 

こんな調子で他人にも接しているようなら、人間関係は果たしてうまくいっているのだろうか。娘を案じる母親のケースを今回はご紹介します。

 

・子供の頃から「ありがとう」を言わない

 

娘は子供の頃から、いわゆる愛想のない子だった。ちょっとしたことで癇癪を起し、泣きわめく。とくに気になったのが、「ありがとう」、「ごめんなさい」を言わないことだった。

 

たとえば、幼稚園の友達が遊びに来た時。友達が持ってきたゲームを貸してくれるという。娘は黙って受け取る。「こういう時は『ありがとう』と言うのよ」と優しく教えても、何も言わない。

 

子供達の遊ぶ様子を見守っていると、あやまっておもちゃをぶつけてしまい、友達が泣きべそをかいている。「あらあら、『ごめんなさい』は?」と促しても、口をへの字に曲げたままでいる。

 

友達が帰ってから、「貸してもらったときは『ありがとう』、おもちゃをぶつけてしまった時は『ごめんね』と言えるようにしようね」と話してみるのだが、娘は「だって○○ちゃんの方がぶつかってきた」、とか「私もゲーム貸してあげた」と言いはる。

 

「悪いところをなかなか認めない子なのかもしれない」と感じたものの、成長していくにつれ、お友達とのやり取りから学んでいくだろう、と思っていた。

 

けれども、娘は10代後半、20代になっても、感謝の気持ちを示すということがなかなかできずにいる。

 

・文句ばかり口にする娘

 

思春期の頃の娘はといえば、文句ばかり言っていた記憶しかない。「お弁当がまずい」、「友達が自分勝手で嫌」、「授業が面白くない」。しかも、何かというと、人のせいにばかりする。

 

「あの子がルーズだから、出かけても楽しくない」、「部活の先輩が下手だから、試合に勝てない」。

 

こんなに不平不満ばかり言って、いったい外ではどんな態度を取っているのだろう。が、そこは娘もある程度わきまえているようで、うわべはなんとかうまくやっているらしい。

 

感謝の気持ちがない娘に呆れ、あきらめ

 

そんな娘が社会人になり、実家暮らしのまま会社に通勤。掃除、洗濯、毎日持っていくお弁当作りも全て母親任せ。それを当然のように思っている理由の一つは、「母親が専業主婦なのだから、やって当たり前」という考えによるもの。

 

一方、次女の方はといえば、「いつもありがとう」とよく言ってくれる。そればかりか、「お母さん、ずっと家事をしてくれるのだから、今日は私が料理するよ」とか、「たまにはゆっくり、出かけてきたら?」と声をかけてくれる。

 

同じ娘であっても、なぜ、こうも対応が違うのだろうか。感謝の気持ちをもつことは基本であり、それを娘達にはずっと伝えてきたつもりなのだが。他人には感謝もしているようだけれど、家族には別にする必要はない、というのはおかしい。

 

・親として、娘に伝えるべきなのか

 

このようなケースで悩む母親クライアントさんは多いです。というのは、親に感謝する、しないということよりも、そもそも感謝の気持ちがないことが、人間関係に悪い影響を及ぼしているのでは、と問題視しているからです。

 

「娘にひと言、『感謝の気持ちを持たなきゃ』と言おうものなら、『外ではちゃんとやっているから』とうるさそうに答えるのが目に見えているので、つい言葉を呑みこんでしまうのです」。

 

いくら、外ではうまくやっているつもりでも、いつかボロが出る。職場や友人、彼ができたとき、こんなに偉そうな態度でいたら、絶対にうまくいくはずがない。

 

そうなったら、何かあっても相談する人もいなくて、娘はずっと孤独で過ごすのだろうか。

 

後から後から不安が出て来て、将来を案じてしまうのです。

 

・子育てを反省、自分を責める母

 

一方で、どうしてこんな娘に育ってしまったのか、育て方がいけなかったのか、何が悪かったのか、振り返り、後悔する人も多いです。

 

もっときちんとしつけるべきだった。甘やかしすぎた。何でも娘の言いなりになってしまった。

 

様々な理由が次から次へと出てはくるものの、結局は後悔の嵐が吹き荒れるだけ。いつのまにか、娘のことより、自分を責める気持ちの方が強くなっているのです。

 

このようなケースは、娘が成人しているのであれば、それは娘自身の問題であると、ある意味、割り切った方がよいかもしれません。思春期、反抗期を通り越した娘に、今さら「感謝の気持ちをもつべきだ」と説教したところで、ウザいと思われるか、鼻であしらわれるかどちらかでしょう。

 

娘が、痛い思いをしても自分で学ぶこと

 

親はついつい、娘の人間関係を心配します。「学校でいじめられるのでは」という不安が、社会人になったら、「職場で孤立するのでは」というように変わりはしますが、基本は同じ。娘のコミュニケーション能力を疑っているのです。

 

けれども、このテーマは娘が自分で学んでいくべきことです。家の外では、他人とのコミュニケーションをうまくとっているかもしれません。よく気がついて、気配りも万全。感謝の言葉も事あるごとに、言っているかもしれないです。

 

では、外と内とうまく使い分けているから、大丈夫というわけではないのです。

 

問題は、なぜ、一人の人間なのに、こうした裏表があるか、ということです。娘本人は、家庭と外との人間関係をうまく使い分けているつもりでも、何かの機会に問題が表出します。

 

その時、娘は痛い思いをするかもしれないけれど、その経験が心の成長につながるはずです。自分で実感するからこそ、「感謝することって大事なんだ」と納得できるのです。

 

もちろん、親として、人として、アドバイスすべき場合もありますが、娘がもう社会人なのであれば、本人に考えさせ、経験してもらうのが何より大事です。

 

自分の子育てを反省するより、娘の心の成長を願いましょう。

 

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今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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