実母からの暴言、自分も子供に。止めたいが、どうすれば？

母娘関係改善カウンセラー横山真香です。

子供の頃、親から暴言を受けて育った。自分の子供には、絶対にしない。そう誓ったのに、気がつけば子供をりつけている。止めたいのにできない。自己嫌悪に苦しむ方がカウンセリングに来られます。

なぜ、親からされて嫌だと感じていたのに、同じことをしてしまうのでしょうか。今回は、このテーマを取り上げます。

・実母の罵声が今もよみがえる

物心ついた時から、親に罵声を浴びせられていた。「この馬鹿！」、「ぐずぐず言うな！」

いつも怒鳴っていた母親から、褒められた記憶はない。

自分が妊娠した時、母親のようにはならないと誓った。怒ってばかりいて、子供の気持ちなど全く考えず、口を開けば、罵倒する。

「あんな親には絶対ならない」

子供には優しくしよう。温かい言葉をかけよう。子供から、「大好きなお母さん」と思ってもらいたい。そう強く願っていたはずなのに。

・気がついたら、暴言を吐いている

目の前で、よちよち歩きをしていた子供がバランスを崩して転びそうになる。「危ない！　ダメでしょう」と叫んでそばに駆け寄る。

「いや！」、「やだ！」。子供が駄々をこねると、イライラしてつい怒鳴ってしまう。「うるさい！」。おびえたような目をしてこちらを見つめる子供にハッとする。

「また、怒鳴ってしまった」

毎日、この繰り返しで自己嫌悪。周囲のママ友は、「うちも同じよ。怒った後は反省するけど、また同じことをしちゃう」と言うけれど、自分ほど深刻に悩んでいるようには見えない。

・なぜ、親の言葉を発してしまうのか

子供への暴言が止められず、悩んでパートナーに相談するも、「考え過ぎ」と軽くスルーされてしまう。「どんなに怒っても、やっぱり子供は、お母さんが好きなんだよ」と言われても、子供のおびえた様子からそんな風には思えない。

パートナーはわかっていないのだと思う。だって、パートナーの前では、何とか自分を抑えて、子供と接しているから。本当にきついのは、周囲に誰もいなくて、子供と自分の二人きりになったとき。

子供への怒りがどんどん大きくなり、我慢しきれなくなってついに爆発する。「何やってんだよ！」。一度、声を荒げてしまうと、そこからは自分を止められない。

親の暴言と同じ言葉で、子供に怒鳴っている。

なぜ、あれだけ嫌だと思っていた親の言葉を、自分も子供にぶつけてしまうのだろうか。

・不安感が増すことへの恐れ

このような悩みを、あなたも持っていませんか。

この悩みの原因とは？　実は、あなた自身、状況がコントロールできないとなると、強い不安をもってしまう傾向がありませんか。目の前に起きていること、たとえば、子供が言うことを聞かない。時間がないのに、ぐずぐず言っている。

こうしたシーンに直面すると、どうしよう、何とかしなきゃ、といった焦りが生じます。どのように対処したらいいのだろう。どうしたら、うまく対応できるのだろう、と冷静に考える余裕がありません。

とにかく子供を静かにさせなきゃ。早く何とかしなくちゃ。親の言うことを聞かせて、自分の思い通りに事を進めたい気持ちが強く働きます。

力ずくで子供にいう事をきかせる。これは、あなたが子供の頃に親からされた対応の仕方です。

それを、あなた自身も真似しているのです。なぜなら、他の方法を知らないから。

・不安が生じるその前にやってみる事

子供が「いやいや」を連発する。こちらの思うように動いてくれない。このような状況に直面したとき、目の前にいる子供に、今、それをさせようとしているならば、させることに意味があるのか、を、少し立ち止まって考えてみませんか。

本当に、今、それをさせる必要があるのでしょうか。しつけだと思って何としてもさせなければといった無理強いしていませんか。

周囲からどう見られるかを、先に考えていませんか。

目の前で起きている子供がやらかしていること、泣きわめいている、怒っている、何かをこぼした、壊したといった事態に対して、全体の状況を見回してみましょう。もちろん、瞬時に判断しなければならない時もありますが。

どうやって事態に対処するのか。どういう風に言ったら、子供に伝わるのか。工夫できるのか。前回はなぜ、うまくいかなかったのか。

過去の事例を思い出し、今回は別の手段を考えます。毎回、同じやり方がうまくいくわけではありません。けれども、その時、そのやり方がピタッとはまる時があります。

一番のポイントは、こうした毎回の作戦や、手段を変えてトライしてみるやり取りを楽しめるかなのです。それが、心の余裕です。そして、ご自身の親とは異なるあなた自身の試みなのです。

それでも、どうしても親と同じ暴言を吐いてしまう。頭ではわかっているのに、それができない、という方は、一度、カウンセリングをご検討ください。

自己嫌悪に陥って自分を責めることを繰り返しているならば、そこから抜け出すようなマインドに切り替えてみませんか。

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