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ラジオで会食恐怖症講座のコメント、放送されました
※7月母娘問題講座は21日日曜日「娘が母親の愚痴の聞き役をやめる方法とは?」
港区南麻布の広尾セミナールーム(フォーサイト南麻布5階)で開催します。
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
6月29日、朝8時20分、TBSラジオ「蓮見孝之まとめて!土曜日」内コーナー
「人権TODAY」
https://www.tbsradio.jp/horio-human/
※番組ページ内で放送内容がアップされます。
という番組内で、私のコメントを放送して頂きました。
先週22日土曜、東京都港区男女平等参画センターで「会食恐怖症」に関する講座を企画いたしました。会食恐怖症克服支援協会理事の山口健太さんとご縁があり、コラボをお願いしたのですが、TBSラジオより取材依頼を頂き今回の放送が実現した次第です。
6分間という短い放送時間でしたが、会食恐怖症の概要、親子問題との関連などをコンパクトにまとめて頂き、とてもわかりやすい内容に構成して頂きました。
会食恐怖症は人と食事をするのがつらい、困難といった症状です。このお話を山口さんご自身から伺ったとき、私は母娘問題と重なる部分が多々あると感じました。
会食恐怖症で悩む方の場合、たとえば子供の頃に学校給食で完食を強要され、それがトラウマとなって他人と一緒に食事することがつらくなったというケースも多いそうです。
会食恐怖症と親子問題の関連性
過去に体験された苦しい思い、その記憶が今も残ってしまっているのです。
母娘問題のケースと重なるのは、次のような例が挙げられます。
「娘が幼い頃から食卓で緊張感を強いられ、食事することを楽しいと感じた記憶がほとんどない」。
なぜ、幼い娘が食事の際に緊張感を覚えるのでしょうか。本来だったら家族一緒で楽しい、美味しいはずの食卓が、つねにドキドキしながら(ワクワクではなく)料理を口にする雰囲気。小さいながら、子供はピリピリした空気を感じ取っているのです。
それは夫婦喧嘩がいつ勃発しないかの緊張であり、父親不在ならば母親の不満、愚痴を聞かされながらの食事だからです。
このような状況で、食べ物の味を感じる事ができるでしょうか。食事が美味しいと思えるでしょうか。家族全員が顔をそろえているにもかかわらず、笑ったりしながら頂くことはまずないでしょう。
頭の上を、大人同士の罵倒する言葉が飛び交い、ときには乱暴にコップやお皿を置く音がして、ひたすらこの嵐が収まるように身をすくめている子供には、その場面も音も苦痛の記憶として残ります。
母娘関係のご相談で来られる娘さんが抱える問題で食に関するものが多いのは、こうした理由が考えられます。
家族で一緒に過ごすのは食事の場面が多い
家族で一緒に過ごす中で、食事の場面は一番多いかもしれません。母と娘は、台所で一緒に食事を作ったり、配膳の準備もします。母娘関係で様々なひずみが食関連に出る事があるのは、食べる事を通しての接点が多いからです。
私のところに来られるクライアントさんの中には、摂食障害に悩んでいる方もいます。
しかし、その自覚症状がなくても食卓で母親が全く口をきいてくれない、無視される、兄弟からいつも軽蔑の言葉を浴びせられた、といったようなエピソードが数多く聞かれます。
幼い頃に持ってしまった食卓の風景、食事のイメージがマイナスの場合、それを抱えたまま大人になり、料理を頂くことの喜び、感動、楽しさが感じられなくなっている人がいます。それどころか、会食恐怖症のように、人と一緒に食事するのが怖いという人も。
食を通して安心を得る事の重要性
私はこのようなクライアントさんの場合は、何よりも安心感を実感して頂く事が必要だと考えています。
母親の立場で、娘さんの食に関する事でお悩みを持っておられる方も多いと思います。
摂食障害などを疑っておられるならば、専門クリニックやカウンセリングに早めにつなげた方がベストです。
目的は、娘さんに安心感を持って頂きたいのです。
緊張感を強いられた子供の頃の記憶、現在も食べる事が苦痛になっている自分に対して、自己を責めてしまう人が多いです。
食の悩みは個人の、ではなく社会問題ととらえる
大切なのはクライアント個人の問題ではなく、摂食障害も会食恐怖症も社会問題としてとらえるものであること。
数の上ではまだまだ少なくても、この症状に悩んでいる人は実際、もっといるはずです。
うちの家庭だけが、娘だけが特別だとは思わずに、社会的な背景、要因も絡まっての問題ととらえた方がいいでしょう。
摂食障害も会食恐怖症も治らないものではありません。会食恐怖症は山口さん自身が克服されたように、段階を経て症状が改善されるものですし、摂食障害も専門のクリニック、カウンセラーが活動しています。悩んでいる人が扉をたたく機会が増えているのです。
先が見えないわけではない、安心感を持って頂きたいのは、取り巻く状況がどんどん変わってきているからです。
私のところには、摂食障害に悩む方もですが、その娘さんを支える側のお母様が来られることが多いです。
食で悩む娘さんを前にして自分を責める母親
食の問題を抱えている娘を前にして、心配や不安が募り、それを自分のせいにする母親も多いです。
娘が子供の頃に、もっと楽しい食卓にすればよかった。あの頃は夫や姑との関係がうまくいかなくて、心がいっぱいいっぱいだった。まるで鬼のような顔をして娘の隣に座り、黙々とお箸を動かしているだけだった。たとえ、娘が話しかけてきても、「早く食べなさい、黙って食べなさい」とシャットアウトしていた。
「そんな雰囲気では決して美味しいとは思えなかったでしょうね、娘は」そう話される方がいらっしゃいます。
確かにそうだったかもしれません。でも、今の時点でタイムトラベルのように戻る事は不可能です。ならば、今、これから何ができるか。
そこに意識を振り向けた方がいいのです。たとえば、娘と一緒のときに当時を振り返って、決して言い訳ではなく、率直に話す事もタイミングによっては必要になるかもしれません。
タイミングというのは、娘が頑なに心を閉ざしているときは何を言っても耳を傾けてはくれません。
母親としては言葉を慎重に選んで話したとしても、娘には全て言い訳にしか聞こえない時があります。
大事なのは、その前後です。娘の表情や態度がいつもよりは和らいでいて、話しをしたそうに見受けられるとき。
娘の話を最後まで聞く、集中する事
娘から、子供の頃の話をふってきたとき。「あの時はごはんを食べるのがつらかった…」
そんなひと言から始まったときは、最後まで全て聞きましょう。途中で言葉をさしはさむのはNGです。
娘だって、当時を振り返って母親を責めたとしてもどうしようもない事はわかっているのです。それでも、話しを持ち出すのはその時のつらい気持ち、感情をわかって欲しいからです。
だから、その気持ちを受け止める事がとても大事なのです。
母親がやってしまいがちなのは、娘の話を途中でさえぎり、「確かにあなたにはつらい思いをさせた…」の次に「だけどね、」を入れてしまう事です。
母親にしてみれば、娘の話を聞いていていたたまれなくなるのです。まるで針のむしろに座らされたような気になるのです。
でもここで一番大事なのは、自分の痛みより娘さんの痛みを受け容れることです。自身が抱えている痛み、当時つらかった夫婦関係や子育てストレスなど、それはご自分の内側の悩みです。娘さんが話し終えた後、状況をシンプルに話すことが必要でしょう。
けれども、自分がどれだけ苦しくて今もそのつらい記憶が刻まれているのならば、それは自分の問題として向き合ってください。
私の母娘関係改善はそのような心境になられたときに、気持ちの整理をする意味で受けて頂ければと思います。
ご自身の状況が客観的に見られるようになると、様々な感情がじゃまをすることなく何が問題なのかが見えてきます。その心の状態になられる事が、娘さんとの今後の関係性を再構築するのにつながっていくのです。