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依存度が増す高齢の母親に抱く嫌悪、娘からは軽蔑されて…

依存度が増す高齢の母親に抱く嫌悪、娘からは軽蔑されて…

 

※文末に「依存」をテーマにした母娘問題講座(8月4日)のご案内があります。

 

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

 

高齢化社会の日本、実母が歳をとるにつれますます依存してくる。一体、どのように接したらいいのか、もう我慢の限界とご相談に来られる娘さんが最近とても増えています。

 

娘さんの年齢は大体40代~60代ぐらいでお孫さんのいる方もおられます。

 

ご相談の中でとくに多いのは、高齢母の娘に対する依存がますます強くなってきていることです。

 

中高年になった娘をいまだに召使のようにこき使う。

 

こんなふうに表現されるクライアントさんが多いのです。

 

もともと、依存の強い母親というのは、何かにつけて娘を頼りにしてきました。そのような関係性がかなり前から出来上がっていると、母親は当然のことながら、娘の方もそれをきいてあげるのが当たり前と思い込んでいるのです。

 

クライアントさん達のお話に登場する高齢の母親像はほぼ一致しており、とにかくお願い上手。どこかに行きたい、と思うとうまく娘を利用して願いを実行する。

 

娘の都合はそっちのけで、「今日買い物に行きたいのだけど、あなたも一緒に行かれないかしら?」

口調はやんわりですが、あなたも行きたいわよね、と同調させるような態度で接してきます。

または、親戚に断らなければならない用件があると自分から電話するのは面倒なので、「ね、お願い。〇〇おばさんに電話してくれる?」と嫌なことを押し付けてきます。

 

一方、クライアントの娘さん達にも共通しているものがあります。

それは親孝行だということ。また、なかなか「嫌」ということができない。つまり断れないのです。

 

こうした依存してくる母親に対して、娘は憎しみに近い感情を持つこともありますが、ふだんは心の奥にしまい込んでいます。なぜなら、そのような感情を意識するとかえってつらくなるからです。

 

今度は何を頼んでくるのだろう、嫌だなと思いつつ、それを受け容れてしまう繰り返し。

 

このような態度は

自分と娘との関係に思わぬ影響が出ることがあります。

 

日頃、実母の顔色を伺ってしまう母親の様子を、娘は子供の頃からよく見ています。

 

やがて「母親は弱い人間だ」と見なすようになります。そうなると、かなり早い段階から母親を軽蔑するようになり、言うことをきかくなるのです。

 

「夜帰りが遅い、成績が下がった」、娘を注意する母親のことなど無視し、好きなように振る舞うようになります。

 

実母に対して気を遣い、言われるがままに動いているような母親の姿は、娘にとっては優柔不断にうつるのです。

 

そこには、母親に対する軽蔑の他に、なぜ祖母に対して嫌なことは嫌と断れないのかというふがいなさ、怒りにつながることもあります。

 

私のカウンセリングルームに来られたクライアントのHさん(49歳)は、実母(74歳)の依存が増す一方、娘(21歳)からは完全にばかにされていると言います。

 

実母は家から歩いて30分程のところに一人で暮らしているのですが、頭はしっかりしておりお金にはシビアで、食べ物に対する執着も強いです。地元の婦人部のリーダーとして活躍していたこともあり、顔が広くいまだにご近所さんがちょくちょく訪ねてきます。

 

実母も人を呼ぶのが好きなので、何かというと食事を作ってはふるまうのですが、食材の買い出しから当日の支度までHさんに手伝わせることを当然と思っています。

 

言葉では「あなたに迷惑かけて悪いわね」とか「あなたがいてくれるからこそ、こんな風にお客様を大勢呼ぶことができるのよね」と言うのですが、Hさんに用事があって「お手伝いに行かれないわ」などと言うものなら烈火のごとく怒ります。そして、しばらくは「親不孝者」とか「あなたのおかげで、お母さんの楽しみが台無しにされた」などねちねち言い続けるのです。

 

Hさんにとって実母からそれを言われるととても嫌な気分になり、落ち込みます。そこで、

何とか無理しても実母の願いを叶えようとしてしまうのです。

実母とHさんの関係を幼い頃から見ていた娘は、「ママ、またおばあちゃんの言うことを聞いてあげるのね」と言ったりしていたのですが、やがて好き勝手な行動をするようになりました。それをHさんが非難すると、「おばあちゃんには何も言えないくせに、私には偉そうに母親づらするのよね」ときつい言葉が返ってくるようになったのです。

 

Hさんは、実母に対する怖れや怒り、娘に対する自分のふがいなさやみじめな思いが大きくなる一方、今後二人に対する接し方がわからなくなってしまってカウンセリングルームに来られたのでした。

 

こうしたケースの場合は、

まず自身のポジションを明確にするようにします。

 

Hさんは実母の娘としての立場では、とにかく言うことを聞いてあげなければという親孝行の気持ちと、言いつけに背くと怒られる、そこに怖れの気持ちがあります。

 

また、状況を詳しく伺うと、実母はHさんが自分の思いのままに動くように、うまく仕向けているのですが、Hさん本人はそこまで気づいていないところがあります。

 

一方、娘からは母親なのに見下されていることに怒りがあるのと、そう思われても仕方がない、みじめで情けないといった自己嫌悪があります。

 

共通しているのは、実母も娘もHさんのことを下に見ているという事実です。

 

この点が、Hさんの苦しむ原因の一つなのですが、ご本人の性格傾向でもあるのです。

 

母親、娘の関係に限らず、恐らくHさんは対人関係で相手よりへりくだってしまう傾向があります。そこが、実母からは依存され、娘からは下に見られる状況を招いてしまっているのです。

 

実母の依存が娘の自分に対する態度に影響を及ぼしていると考えると、やりきれなくなりますが、Hさん自身の性格傾向が依存、軽蔑を引き起こしているとなると、状況への見方が変わってきます。

 

カウンセリングを通してこの状況が明確になった時点で、Hさんは実母の依存に対して、娘の軽蔑的な態度についてどのように接したらよいのか考えられるようになり、最後にはそれを実行に移すことができたのでした。

 

母娘問題では依存の関係がたびたび出てきます。それも両者ともに存在がわからないまま、問題がこじれてようやくそこに気づくというケースが多いです。あまりに問題が大きくなっていると、状況改善には多大なエネルギーと労力が必要になります。

 

それよりは、早く依存の問題に気づいて改善、解決することが重要です。

 

私が主宰する母娘問題講座ですが、次回は「依存」をテーマにしています。

 

「依存してくる母親との関係を変える3つのアプローチ」

 

日時 2018年8月4日土曜日 午前10時30分~12時25分

場所 東京港区南麻布4-5-48 フォーサイト南麻布5階セミナールームD

(グラマラスエイチ広尾で検索)

参加費 3000円

講師 横山真香

問い合わせ・お申込み   私のhpお問い合わせより、またはお電話にて直接お申込みください。

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