「娘の相談にのってあげているのに、喧嘩で終わるのはなぜ?」
娘との関係に悩む母親のための電話相談・母娘関係改善カウンセラー真香です。
- 娘の悩みを解決させてあげたい
「娘が時々、人間関係のことで相談してくる。母の私としては何とか娘を助けたいと思って一生懸命相談にのってあげているのに、娘ときたら途中から不機嫌になり最後はいつも喧嘩で終わります。もう、娘から相談されても私は受けない方がいいのでしょうか」
このようなお悩み相談を母親クライアントさんからときどき受けることがあります。目の前にいる娘が落ち込んでいる。その悩みは職場や学校での人間関係、となればかなり深刻なレベルのもの。
母親としてもほっておけません。なんとかその問題を解決させてやって娘の笑顔を取り戻したい。
そのくらいの使命感をもって、いざ、相談にのります。娘からの話に大きくうなずき、ときに「そんな…」と絶句したり、「そうだよね、そうだよね」と共感したり。
それでも、娘の表情はなんとなく暗いまま。その辺りから、母親自身もだんだん不安を募らせていきます。
「まずいわ、このままでは娘は悩みを解決できそうにない。もっと具体的なアドバイスをして娘に指示出ししなければ」
焦りの気持ちから母親はさらに話の内容に踏み込んでいくのです。娘の人間関係の背後にある様々な事情を把握するプロセスを飛ばして、どうしたら娘の人間関係がうまくいくようになるのか、結論ばかりを考えます。
「だったら、こうしたらどうかしら?」「いやいや、ああしたらどうかしら?」
- アドバイスのつもりがダメ出しに
このあたりになると、娘の話など聞かずに、自分ばかりがしゃべるようになっています。
そして、自身が提案したことに対して、娘の反応が今一つだと、今度は怒りの気持ちがわいてきます。
「こうしたら、絶対にうまくいくはずよ」「なぜ、それができないのかしら」
その言葉はやがて、娘に対する非難に変わっていくのです。
「結局、それを言わないから、あなた、軽く見られてしまうのよ」「前回も同じような状況だったじゃない。どうしてそれをしないの?」
さらにはもっと昔のことを引っ張り出してきます。「やっぱりね。高校時代とちっとも変ってないじゃない。あの時も先生と部活の友達との板挟みになって」とかなり前の記憶を手繰り寄せ話し続けます。
目の前にいる娘の顔つきがうんざりしているのには、全く気がつきません。自分だったらこうやって、ああやって、会社でうまくできるのに! 大学のサークルで、中心ぐらいになれるのに!
一方的に話す母親に、我慢の限界となった娘は、「もういいわ」と席を立とうとします。その様子に、母親の怒りスイッチが入るのです。
「ちょっと待ってよ。お母さん、あなたのためを思って、いろいろ考えてアドバイスしてあげているのじゃないの。ありがとう、の言葉もないわけ?」
これに対して娘も黙っていません。
「お母さんは相談にのってくれているのではなく、説教しているだけ。私の話なんか何も聞いていないじゃない! どうして、ただ黙ってうなずくってことができないの?」
ここで母親はびっくりするのです。
「だって、あなたが相談にのってほしいと言うから、お母さん、一生懸命解決策を考えてあげたじゃないの」
「解決策なんていらない。ただ、黙って聞いて欲しかっただけ!」
「なら、そう言えばいいじゃない」
といったプロセスを繰り返している母娘が結構いるのです。
- 娘が何を望んでいるのかを理解する
両者のすれ違い、わかりますか。母親は娘を助けなければいけないと思い込んでいる。しかし、娘は母親のアドバイスは必要としていない。娘が望んでいるのは傾聴です。娘の話を聞いてくれればいい。ただそれだけ。
「聞くだけなら、誰だってできるじゃない。あの子のことは私が一番よくわかっている。母親なのだから、あの子に解決方法を教えてあげなきゃ」。こんなふうに考えてしまうのも当然かもしれません。
しかし、この状況で娘が母親に望んでいるのは、「お母さん、私、今こんな問題で悩んでいるけど、私はこれを乗り越えられるかしら?」という無言の問いかけなのです。
それに対して、「あなたなら大丈夫」と強く背中を押してほしい、これだけなのです。
もちろん、具体的な解決策を母親から聞き出したいという場合もあるでしょう。母親にとって必要なのはこの見極めです。
娘は今、ただ悩みの話をしたいだけ。母親のアドバイスはいらない。背中を押してもらいたいだけ、と思っている。
または
娘は今、解決方法があるのか、そのために何をしたらよいのか、母である私に相談している。
どちらであるかを娘の表情、相談内容をしっかり聞いていくことで判断できるのです。
- 娘が望んでいる対応とズレていませんか
あわててしまう、焦ってしまうと、つい娘の話を自分流に解釈しがちです。話に登場する人物も、母親本人が実際に知っているわけではありません(知っていることもありますが)。
娘との関係性を勝手に想像し、その上でアドバイスしたりすると、娘が望んでいるものとはズレが生じる可能性があります。
そうなると、とんちんかんな答えを出して強要することになりおせっかいと思われてしまうのです。
娘の方は、「結局、お母さんに相談しても意味ないわ」とか「話の内容、理解していないよね」と軽蔑の目で見ることもあります。
これは、娘と母親の間に溝が生じるきっかけにもなりえます。こうして考えると、娘からの相談というシチュエーションにおいては、解決策を何とかひねり出すより、娘が相談という形は取っているが、母親に何を期待しているのかを考えるべきなのです。
「ただ、うなずいてくれるだけでいい」、この気持ちを尊重することが大事です。それでは、相談される側として役割をなしていないではないかと思うのは見当違いです。娘がただそれを望んでいるのならば、その気持ちに応えるのが相談相手としてあるべき姿です。
- どうしたら自分で解決できるのか、考える力を養うのが一番大事
娘が悩んでいる。そばで見ている母親は、気が気ではありません。自分の方がつらく感じることもあるでしょう。それは当然です。けれども、ここで一歩立ち止まり考えて頂きたいのです。
娘さんが望んでいることを想像し、それに応えるのも大事ということを書きました。さらに、娘さんがこの状況を乗り越えられると信じることも重要でしょう。そしてそれを、メッセージとして伝えることが母親の役割なのではないでしょうか。
言葉として実際に言う必要がない場合もあります。わざわざ口には出さなくても、「あなたはきっと乗り越えられる」と母親が確信すれば、それは必ず娘に伝わります。
そのために、何が必要でしょうか。それは、娘自身に考えさせ、実行させることです。
「自分はこの壁を前にして、どうやったら乗り越えられるだろうか」
母親はその背中を押すだけでもいいのです。
ケースによって、もちろん、母親のアドバイスが必要なこともあります。が、それもどこまで必要としているのか、娘にかんがえさせることです。
ただ見守るだけってつらいですよね。手を差し伸べたい、口も出したい。なぜなら私の娘だから。でも、娘に乗り越えられる力があるのを一番知っているのは母親である貴女ですよね。
もし、娘の悩みや日常生活についつい関わろうとしてしまい、かえって避けられている、嫌われているのではと悩んでおられるのであれば、一度状況をお話しされてみませんか。
ご自分が娘との関わり方、接し方でわからなくなってしまっているのであれば、早めに状況を理解し、気持ちを整理された上で、今後のコミュニケーションを考えるべきです。
お電話カウンセリング、対面カウンセリング、ぜひご検討下さい。
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