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母親に恥をかかせたい? 法事でドタキャンした娘

「母親に恥をかかせたい? 法事でドタキャンした娘」

 

※ブログ文末に母娘問題講座のご案内があります。

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

 

9月お彼岸には仏花をもちお墓参りする家族が見られました。亡くなった人を偲ぶために、仏教では四十九日や一周忌といった法要があります。

 

人それぞれですが、行事によっては親戚一同が集まりしめやかに営まれた後、一同会食という機会もあります。

 

久しぶりに親戚が集まるので話しもはずむのですが、肩身の狭い思いをする人も。たとえば、息子が仕事につかずに部屋にとじこもりがちだとか、嫁と姑の仲が相変わらず険悪だとか、娘がいまだに結婚しないとか。

 

親戚づきあいとは微妙なもので、小さな頃からお子遣いをくれていたおじさんやおばさんも、甥っ子や姪っ子が成長するにつれ、「もう少しお母さんのこと、大事にしてあげたら」とか「お前ももう25過ぎたのだから」など耳の痛いことを言われることがあります。

 

一方で、子供自慢、孫自慢ができるのも親戚の前ならではのこと。有名私立中学に受かった、スポーツで県大会に出たのなんのと親、祖父母としては自分のことのように話します。

 

ともかく親戚一同が集まる行事は、なんだかんだいって、他の家族の状況が気になるところ。

 

だからこそ、一人の行動、言動が注目を集めてしまうのです。

 

先日、私のカウンセリングルームに来られたAさん(59歳・主婦)は、都内在住で次女が隣の区に一人暮らしをしています。

 

長女は結婚し子供も生まれ近所に住んでいますが、30代前半の次女は結婚話もなく交際している人もいないようです。

 

以前から関係がうまくいかず事あるごとにAさんと衝突する次女は、3年前に実家を出ていったそうです。

隣の区に住んでいるのでさほど遠くはないのですが、一人暮らしをしている次女が帰ってくることはほとんどありません。お正月やお盆の休みも旅行や仕事が忙しいのを理由に、姉家族が来るのもわかっていながら本人は顔を出しません。

 

Aさんいわく、「次女は子供の頃から育てにくい子でした。私としては長女と比較したり差別した覚えも全くないのですが、

『お姉ちゃんといつも比べられた』というのがあの子の口癖です」。

 

長女は仕事ももっているため、保育園と職場の往復で忙しく、実家にはめったに来ません。それなのに、母親と長女の仲がよすぎて私の入るすきがないと言う次女。姉妹の関係もぎすぎすしたものになっています。

 

Aさんは「それだけなら顔を合わせなければいい話なのですが、

次女はときどき私や長女に嫌がらせをするのです」と話します。

 

先月、大勢の親戚を招き法事を営みました。そのときは次女にもどうしても出てもらいたくて、何度も出席するように念押ししたそうです。Aさんのところは本家のため、法事も取り行わなければならず、次女には色々手伝ってほしい旨を伝えていました。次女はあっさり、「わかった」と言ってくれたのでAさんも安心していたのですが、当日、法事の会場に時間がきても姿をあらわさなかったのです。

 

これにはAさんも焦ってしまい、何度も次女のスマホにかけるのですが留守番電話になり出ません。お寺から会食の場所に移動するときも、また食事が始まっても次女とは連絡がつきません。

 

親戚達からは「次女はどうした?」と聞かれ返答に詰まったAさんは、恥ずかしいやら、他の家族に手伝ってもらい申し訳ない気持ちもあり本当に困ったそうです。

 

会食が終わるころ、長女がかけた電話にやっと出た次女は、「体調がとても悪くて寝ているのだけれど、救急車呼ぼうかと思っているの」とのんびりした声で返したとか。

 

翌日、Aさんは次女に対する怒りが収まらず、何度も電話をかけるのですがやはり出ません。もしかしたら本当に具合が悪くて入院してしまったのかも、と次女の住むマンションに行くと留守でした。

 

思い切って次女の勤務先に電話すると、「今、お昼休みで席を外しています」という同僚の返事に堪忍袋の緒が切れ、

Aさんは次女と縁を切りたい気持ちにかられたほどでした。

 

「結局、私を困らせようとしたのですね。それも親戚の前で恥をかかせることが目的だったのです」と話すAさんは、怒りは少しづつ収まってきてはいるものの、

母娘で憎み合っているような状況に対する情けなさと虚しさで気持ちが落ち込み夜も眠れなくなりました。

 

「次女が『長女と比べた』とか『長女とばかり仲良くしている』と言ってきても、私には心当たりはないのです。ただ、どうしても長女の方が明るくて優しい性格なので、正直、一緒にいる方が私も楽しいのです。それが知らず知らず次女の前でも出てしまい、お姉ちゃんと自分への対応が違うと感じていたのでしょうか」

 

次女を前にするとつい構えてしまうというAさん。

普通に話していても、何かをきっかけに子供の頃にああされた、こうされた、といった話題になり、そこからAさんを攻撃する言葉が発されるのです。

それが嫌で、次女と話すときは非常に気を遣いそれがどうしてもぎくしゃくした会話になってしまうのだとか。

 

そして結局は、「また、その話なの?」とAさんが言えば、「そうやってお母さんは逃げるのね」と次女が反論する。いつもその繰り返しなのです。

 

Aさんとしては、当分、次女とは連絡を取るつもりはないと言います。

 

「このままの方が穏やかに過ごせるのです」

 

このようなAさんのケースは沢山、私もご相談で伺ってきました。つくづく思うのは、

母親と娘でも相性が合う、合わないのがあるということです。

 

母親にしても次女にしても、相手の反応が自分を傷つけたと思っています。

 

どちらの言い分もあるでしょう。

ただ、ここで次女の行動に注目すると、法事のドタキャンが体調不良ではなかったのなら、これは目的をもってなされたことと推測されます。それはAさんが言うように、「母親に親戚の前で恥をかかせたい」といった目的です。

これに対しては、Aさんは次女にきちんとした説明を求めた方がよいでしょう。

「お母さんは当日、連絡も取れず非常に困った。親戚の人達にも手伝ってもらってなんとか済ませることができた。あなたは体調不良と言っていたけど、本当はお母さんに恥をかかせようとしていたのではないのか」と疑問を率直にぶつけるべきです。

それに対して、次女は目的を成し遂げたと内心、喜ぶかもしれません。なので、母親としては知らんぷりしていた方がよいという考えもあるかもしれません。

けれども、次女の言動で困った、恥をかいたのは事実です。

大事なのは、「あなたがそうした子供じみたことをして母親を困らせ喜んでいるなら、あなたの人間性を私は疑う」と正直に言った方がよいと思うのです。

果たしてこの言葉が次女に響くかどうかはわかりません。

もし、こうしたことを次女に言えないのなら、あなたは母親として心の片隅に娘を嫌悪する気持ちがあるかもしれません。あるいは怖れの感情を抱いている可能性もあります。

いずれにせよ、このモヤモヤ感は引きずります。

日常生活や体調に支障が出ることもよくあるのです。

 

先延ばしにせず、一度カウンセリングでご自分が感じていること、思っていることを話してみませんか。

心のうちを言葉にしてみると、本音が出ます。

それを自身で気づき受け容れることがとても重要なのです。

 

毎月、広尾ルームで母娘問題講座を開催しています。来月のご案内です。

 

第4回母娘問題講座のお知らせ 

 

「母親に距離を取りたいと言うべきか~母娘の小説から考える」

 

もうこんな母親と付き合いたくない!と思ったとしても、絶縁はさすがに無理。それなら、距離を取るといったことは言った方がよいのか? 悩んでいる人は沢山いるでしょう。この機会に同じ悩みをもつ方同士、一緒に考えてみませんか。

今回、読書の秋ということで、湊かなえ氏の『ポイズンドーター』(光文社文庫)を読み感想を話し合いながらタイトルテーマについて考えたいと思います。

 

日時 2018年10月21日 日曜日 午前10時30分~12時30分

場所 東京都港区南麻布4-5-48 フォーサイト南麻布5階セミナールームD

(場所はグラマラスエイチで検索)

参加費 3000円

申し込み・お問い合わせ 私のhpより。または090-5206-8576へ。

SMSでのご連絡もお受けしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

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