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「ママは感情的になるよね」娘から言われ母親が
とった行動とは?
母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。
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ママは感情的、と初めて娘に言われて…
先日、40代のクライアントさんが来られて、開口一番次のように言われました。
「私、今まで娘とは仲良し親子だとばかり思っていたのです」
聞けば、20代の娘と休みの日には仲良くショッピングに行く、二人とも体形が似ているため、ときに服を借り合って着用する。お互いの友人の名前を数人、挙げることができるし、実際に合ったことがある。
娘の彼氏が変わったとしても、毎回紹介されていた。
それが先日、ちょっとした言い争いになったとき、娘の口から出た言葉がクライアントにとってはとてもショックだったのです。
「ママってすぐ感情的になるよね」
「えっ? どういう事?」思わず聞き返していました。
それに対して娘は、「だって、そうじゃない。いつも私に反対のときは必ず感情的になるよね」
「そんな事ないわよ! ママはいつもあなたがどうしたいのか、まず、意見を聞いたじゃない? 『あなたはどうしたいの?』って…」
「ほら、もうその口調からして、すでに感情的になり始めているんだよ」
「私が感情的な言い方をしている?」今までそんな風に自分を思った事はありませんでした。
さらに、娘がそのように母である自分を見ていたのかというのも、衝撃だったと言います。
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実母や姉妹とうまくいっていない関係が娘への依存に
「今まで、私ずっと我慢していたんだ」娘の話は続きます。
「おばあちゃんやおばちゃん達も、『ママはきついからあんたが我慢しなきゃね。でも、つらかったら、おばあちゃんの家にいつでもおいで』って言ってくれていたんだよ」
クライアントは傷口をさらに広げられたような気分になりました。
確かに、以前から実母や姉妹と折り合いが悪く、ぎくしゃくはしていました。よほどの用事がないとお互い連絡を取り合うことはなく、同じ県内に暮らしていながら、行き来することもめったになかったのです。
姉妹と実母とは頻繁に連絡を取り合い、旅行にも一緒に行っている事など耳に入ってはいましたが、それほど羨ましいと感じた事はありませんでした。なぜなら、自分には娘がいるからと思っていたからです。
実母と姉妹がなんとなく、自分の事を快く思ってはおらず、きっと悪口を言っているだろうとは想像していました。でも、それを娘にも言っていたなんて。クライアントにとっては二重三重にショックでした。
すぐにでも実母に、姉妹に電話して大声で怒鳴ってやりたい気持ちにかられました。そして、その時、気づいたのです。この怒りの気持ち、どうしようもなく鎮めることもできず、それを口に出していた事を。
「あなた達はいつだってそうよ、いつも私をのけ者にして!」
電話で実母と話している最中、受話器を叩きつけたこともありました。姉妹に向かって「こんな物、いらないから」と品物を突き返したこともありました。
そうやっていつも心の中で叫んでいました。「なぜ、わかってくれないの? どうしてみんな、私の気持ちをわかろうともしてくれないの?」
いつも実家の家族の事を考えると嫌な気持ちになり、考えまいとしていました。その分、娘との関係を密にして、「私は自分の家族を大事にすればいい。娘とはこんなにうまくいっているのだから」と無意識にバランスを取ろうとしていたのかもしれません。
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娘の気持ち、ちゃんと聞いていると思い込んでいた
娘とは何でも話せる関係だし、彼女がまさか自分の感情的な態度に翻弄されていたとは全く気づいていなかったと話すクライアントですが、なぜその事がわからなかったのでしょうか。
「娘が小さな頃から、『ねえ、ちゃんと話してよ。あなたはどうしたいの? ママになんで言えないの? こう思っているの? そうなのね』。(かなり強い口調)こんな口調で娘に言ったら、子供は怯えて何も言えませんよね。なのに、私は娘の気持ちをきちんと聞いてやっていると思い込んでいたのです」
「幼い娘が私の顔色を伺っている事にも全く気づいていませんでした」。
クライアントは、以前から自分がこうと思ったら、他に選択肢がない。他人の意見を聞くより、自分の思う方を実現させることに固執する傾向がありました。しかし、本人は固執というより、自分の思う方向で実現させる事こそ努力の結果と思っていたために、他が全く見えなくなっていたのです。
実母や姉妹とのコミュニケーションにおいても、相手の意見は自分の思いをくじくものと認識していました。「じゃまされる」感覚を持ってしまっていたのです。
娘に対しても、自分の思うことは絶対で、それを遂行するために娘の意見を一応は聞くものの、それは質問ではなく、母親の考えに賛同させるための尋問だったのです。
そして、少しでも異を唱えるようなものであると、「そんな事は娘には言わせない。私の考えが絶対に正しくて、あなたはママの言うようにしないと後で困るのだから」といった気持ちが頭の中いっぱいになるのでした。
まさか、娘が自分の思う事を私に言えていないなんて、これっぽっちも思っていなのかったのです。
- 人の思いに耳を傾ける事ができていなかった
娘の言葉をきっかけに、今までの人間関係を振り返ってみると、夫に対しても同じような事をしていました。
自分の中に、相手から何か言われると、それに対してなぜか対抗意識がわいてしまうのです。
「私、絶対に負けないから。あなたの言う事なんか、絶対に聞かない。だって、私の方が正しいから」
その気持ちがどんどん強くなり、相手の気持ちをはかるよりは、何としても自分の意見をきかせよう、納得させよう、そこにばかり意識がいってしまっていた事にほんの少し気づいたのです。
そのために、声も大きくなり、言葉もきつくなっていた事までは全く気づいていませんでした。
「そういえば、娘に対してものを言っている時、相手がどのような表情をしているかなど、全く気にかけていませんでした」
娘に言われてはじめて、自分が感情的なものの言い方をしている事を振り返ってみる事ができたのです。
このクライアントの話を伺って、私はつくづく思う事があります。
母娘問題が浮き彫りになった時、自分の生き方をあらためて問われる機会になるのです。
娘がクライアントに向かって正面きって言えるようになるまで、相当な勇気が必要だったのではと思うのです。
でも、それによって、クライアントは今まで全く気づいていない事に、いやおうなく向き合わざるをえなくなったのです。
ただ、感情的になると指摘された事については、まだまだ受け容れるには抵抗があるようです。
このクライアントのように、感情的になる傾向が自分にあるのに気づいている人は、少ないです。
感情的な私ってどのような私なのか?
このブログを読んでくださっている中で、もしもこのクライアントと同じような状況にあるのならば、一度、娘側からの思いを聞いてみませんか。
あるいは、自分も感情的になるけれど、実母もそうだったという方もおられるかもしれません。
感情的なものの言い方、または伝え方しか知らなくて、それを自分の娘に同じようにやってしまっている人もいます。
私が定期的に開催している母娘問題講座で、9月に次のようなテーマで開催します。もし、ご自身にお心当たりがあって、娘の立場であったらどのような気持ちでいるのだろうか、知りたいという方は講座参加をご検討されてはいかがでしょうか。
娘さんとのこれからの関係を変えるきっかけ作りになるかもしれません。
「感情的な母親に振り回されなくなる娘の防御術」
日時2019年9月15日(日)10:30~13:30
場所 東京都港区南麻布グラマラスエイチ5階
セミナールームD
講師 母娘関係改善カウンセラー 横山真香
受講費 5000円
お申込み お電話から直接、またはSMSでもお受けしております。
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